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鈴木 達朗
ドイツ

ドイツ通信
~Probieren wir mal!~
(とりあえず、一緒にやってみよう!)

鈴木 達朗
宮城県出身。中学生からサッカーを始め、大学1年まで競技を続ける。サッカークラブも無い町で、一人でストライカーなどの雑誌を読んでは友人に薦め、「サッカーマニア」と呼ばれる少年時代を過ごす。中学では、クラブチームに所属。小学校で全国大会に出た選手たちを目の当たりにして、早々に挫折。頭を切り替えて、選手時代からコーチの目線で過ごす。学者になるつもりで渡った先のベルリンで、たまたま試合に誘われたクラブから、コーチになることを頼まれて、指導者になる。二足のわらじで大学も卒業し、現在に至る。タイトルは練習中に発する自分の口癖から取ったもの。
Webサイト:http://www.tatsurosuzuki.com/

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■テクニックとは何を指すのか?

2015.07.29

皆さん、グーテンターク(こんにちは)! またまた、期間を開けてしまいました。すみません。
前回までは、ボルフスブルクの若手、セグイン選手のインタビューでした。プレシーズンはトップチームに帯同して、試合に出ているようです。このまま、トップチームに定着して欲しいところです。

さて、今回は、ざっくりとテクニックとは何を指すのか、ということについて書いていきたいと思います。最近はドイツでも戦術的ピリオダイゼーションに関する本が出版され始めており、さっそく注文して買いました。とはいえ、ここで書くのはその理論についてではありません。

たまたま、その本の著者が引用している図について、話をしたいと思います。では、さっそく下の図を見てみましょう。

img_01
(図1:Weineck, J. (2004)Optimales Fussballtrainingより引用)

選手の試合におけるパフォーマンスというのは、それぞれの要素を分析的に抽出し、切り離して考えるのではなく、それぞれを包括的に見て、全体としてとらえること、というのはここ数年でよく言われていることです。上の図を見ても分かるように、それぞれの要素が互いに影響を及ぼし合って、連鎖し合うことで選手のパフォーマンスというのは生まれます。

つまり、ざっくり言ってしまうと、足し算ではなく、掛け算の関係です。この図に従って言えば、サッカーとは一見関係無さそうな、コミュニケーションのような社会性といった部分や、不安や緊張などのメンタル面とうまく付き合っていくためのメンタル・スキルなども選手のパフォーマンスに関わる能力の一部として数えられます。

img_01
(フランクフルトの2014-15シーズンの最終戦。選手たちは感謝を伝える横断幕を持ってピッチを一周:筆者撮影)

さて、僕が今回気になったのは、ここにある技術・テクニックの項目です。ここでは、「コーディネーション能力」や「サッカーにおけるプレーの動作」がテクニックという概念の内容となっています。一方で、一般的に僕らが身体能力と呼ぶものは「筋力」「(短距離や反復横跳びなどで測れる)スピード」「持久力」「柔軟性」といった運動測定で測れるものが数えられます。

ライフキネティックなどのコーディネーショントレーニングはアスレティックトレーナーが行うこともあって、僕らは一般的にフィジカルトレーニングの領域の一環として考えてしまいがちですが、自分の持っている能力をサッカーのための動作にアジャスト(適応)させる能力と考えると、それも納得がいきます。

言い換えると、一般的にテクニックとは、ボールスキルのことを指しますが、ボールスキルそのものを中心に考えるのではなく、ボールを扱うための身体を動かすスキルを身につけることを「テクニックを身につける」という言葉を指すことになります。つまり、テクニックの練習とは、ボールを見るものではなく、身体、動作を見るものなんですね。

そう考えれば、単にボールテクニックと言っても、敵からボールを守るためのテクニックだったり、相手からボールを奪うためのテクニックなどがありますが、敵からボールを守るための身体の使い方のスキルであったり、相手からボールを奪うための身体の使い方のスキルと言い換えることができます。

細かいことかもしれませんが、こういった用語の定義ひとつで、考え方や意識付けの方向がガラッと変わることを感じてもらえれば嬉しいです。

それでは、今回はここまでです。チャオチャオ!

参考:Jürgen Weineck. Optimales Fussballtraining: Das Konditionstraining der Fussballspieler. Spitta 2004 (4. Auflage).

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