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鈴木 達朗
ドイツ

ドイツ通信
~Probieren wir mal!~
(とりあえず、一緒にやってみよう!)

鈴木 達朗
宮城県出身。中学生からサッカーを始め、大学1年まで競技を続ける。サッカークラブも無い町で、一人でストライカーなどの雑誌を読んでは友人に薦め、「サッカーマニア」と呼ばれる少年時代を過ごす。中学では、クラブチームに所属。小学校で全国大会に出た選手たちを目の当たりにして、早々に挫折。頭を切り替えて、選手時代からコーチの目線で過ごす。学者になるつもりで渡った先のベルリンで、たまたま試合に誘われたクラブから、コーチになることを頼まれて、指導者になる。二足のわらじで大学も卒業し、現在に至る。タイトルは練習中に発する自分の口癖から取ったもの。
Webサイト:http://www.tatsurosuzuki.com/

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■フォーメーションの組み立て方(後編)

2015.04.22

みなさんグーテンターク! 前回は、4-3-3というフォーメーションを「ボール保持、いかにスペースを使うか」を基準にしながら見ていきました。

今回はその逆で、いかに「ボール不保持・スペースを使わせないか」、ということを基準に4-3-3を考えていきたいと思います。そういうとき、時には4-1-4-1のようになります。

モウリーニョや、3冠を達成したときのバイエルン、ワールドカップベスト16に進出した日本代表はこの発想から出発してますね。

下の図のようになります。両サイドの前線の赤く太い二重線のエリアは、カウンターのときにボールを送りたいスペースで、フォワードはそこを狙って走り出します(黒い二重線)。青いエリアは、ボールを取りたいゾーンです。とりわけ、中央の線が太くなっている部分はカウンターを成功させるのに、最も「おいしいスペース」といえます。使わせたくないスペースを基盤にしながら、ディフェンスラインを上げたり、パスコースを限定することで、うまくこのスペースで相手のミス誘い出すことがディフェンスの目的です。つまり、攻撃のための準備につながるディフェンスですね。

img_01
(図4:使わせたくないスペースをカバーすることから相手のミスを誘って攻撃をスタートさせる。第23回の1934年のイタリア対オーストリアのイタリアと比べてみましょう)

第23回で紹介した、1934年イタリア代表のフォーメーションと比べてみると、この発想の出発点が分かりますね。

面白いのは、点を取ることが多いのは、こういった発想のチームのほうだということです。つまり、サッカーというのは相手のミスを待つ、あるいは相手のミスを誘ったほうが点を取る確率は上がる、ということです。例えば、グアルディオラのバルセロナよりモウリーニョのレアル・マドリードのほうが毎シーズン得点が多く、失点数が少ないのはポゼッション率の高いバルセロナでした。いい換えれば、ボールを支配し、ゲームをコントロールする、ということは不必要なリスクを減らし、失点数を減らすということです。

一方で、バルサの6秒ルールや、ドルトムントのクロップ監督、レヴァークーゼンのシュミット監督の相手陣内サイド深くでのプレッシングからのカウンターアクションは、敵陣内での相手ディフェンス選手のミスを能動的に誘う戦術であり、点を取るための戦術といえるでしょう。

サッカーにはボールの保持、不保持の切り替えは避けられないので、極端にいえば「スペースを使う、使わせない」の両方は、つなぎ目なくつながっているといえます。上記の得点数、失点数はその好例だといえますね。ただ、どちらを出発点にするか、という点で違うだけです。

最近の例だと、下の図のようにバイエルン(赤)対ボルシアMG(白)の試合はわかりやすい例でした。青いスペースを使いたいバイエルンとそこを徹底的につぶすボルシアMGという構図です。ドリブラーのロッベンが怪我でいなくなると、糸口を見つけられなくなったバイエルンは下の青いエリア内でシュートを打てなくなってしまいました。そうして、一瞬のスキをついて、スピードある選手をそろえたボルシアMGが一気に加速しながらボールをゴール前に運び、バイエルンを慌てさせました。

img_02

こういった「スペースを使う・使わせない」のせめぎ合いを見るのも、サッカーの面白さのひとつといえるでしょう。

その意味で、4-3-3という並びを見ると、90分の試合の中で、ボールの保持・不保持といった試合の状況に応じて、「スペースを使い、使わせないため」にバランスを崩すことなく「広がるか収縮するか」ということだけがポイントになるので、シンプルな並びといえます。

フォーメーションの変化の歴史から見直してみた場合、4-3-3というのはあらゆるフォーメーションの出発点ということを頭に入れておいてほしいな、と思います。

それでは、チャオチャオ!

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