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トレーニングにおけるグリッドの作り方


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鈴木 達朗
ドイツ

ドイツ通信
~Probieren wir mal!~
(とりあえず、一緒にやってみよう!)

鈴木 達朗
宮城県出身。中学生からサッカーを始め、大学1年まで競技を続ける。サッカークラブも無い町で、一人でストライカーなどの雑誌を読んでは友人に薦め、「サッカーマニア」と呼ばれる少年時代を過ごす。中学では、クラブチームに所属。小学校で全国大会に出た選手たちを目の当たりにして、早々に挫折。頭を切り替えて、選手時代からコーチの目線で過ごす。学者になるつもりで渡った先のベルリンで、たまたま試合に誘われたクラブから、コーチになることを頼まれて、指導者になる。二足のわらじで大学も卒業し、現在に至る。タイトルは練習中に発する自分の口癖から取ったもの。
Webサイト:http://www.tatsurosuzuki.com/

ドイツ

■トレーニングにおけるグリッドの作り方

2014.12.8

みなさん、グリュースゴット!(南ドイツの「こんにちは」の方言)。前回は主に指導者のみなさんに向けて、コーチングの注意点とコツについて書きました。

今回は、トレーニングのグリットの作り方の参考例を見ていきましょう。ここでは、マインツの試合前のアップを例に、なぜ、このスペースを使ってポゼッションゲームをするのか、を見ていきます。まず、この写真を見てください。

img_01
マインツのウオーミングアップの風景(筆者撮影)

4対4+2フリーマンです。このフリーマンは守備的ハーフの2人が務めます。なぜ、守備的ハーフの2枚かといえば、この2枚が、常に中で顔を出してボールを受けてさばくという、役割を担っているからですね。ここでも、実際の試合から、ポジションごとにどのような役割が求められるのか、ということをトレーニングの中で、しっかりと考えられています。図にすると、下のようになります。

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4対4+2フリーマンのグリッド

さて、なぜ、このスペースでこのトレーニングを行ったのでしょうか?少し、考えてみてください。ここで、下の写真を見てみましょう。

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レバークーゼン対マインツのワンシーン (筆者撮影)

この写真は、試合前に上のウオーミングアップが行われたレバークーゼン対マインツの試合中のものです。このプレスをかけている赤いユニフォームのレバークーゼンのスキームを図にすると、次のようになります。

img_01
レバークーゼンのプレッシングのスキーム

どうでしょうか? 実際の試合のプレーゾーンと、マインツのトレーニングのグリッドの位置が合致することが分かりますね。基本的に、マインツは他の試合でもアップでは同じことをやりますし、他のチームも似たようなことをやります。なぜでしょうか?

ドルトムントがこのプレッシングのスキームを実践して結果を出して以降のブンデスリーガでは、こういったやり方がトレンドとして多くのチームが実践するようになりました。同時に、攻撃の際に、ドイツのサッカーはバルセロナのように、相手の守備ブロックの間を丁寧に崩していくというよりは、前線の選手にシンプルに長いパスを送って、陣地を回復するか、サイドのスペースから縦にスピードで突破していくのが主流でした。つまり、この図の中にある赤い四角形のなかでの攻防をいかに効率よく突破するか、というサッカーです。

ドルトムント以降、このプレッシングの傾向が高まってくると、この狭いスペースでいかにプレッシングを外して、空いた大きなスペースにボールを展開するか、というのがカギをにぎるようになってきました。

現在のトレーニングでは、すべてのクラブというわけではありませんが、脳神経学の研究の結果もようやく取り入れられるようになってきました。トゥヘル監督時代のマインツは、その先駆けです。今でも、その遺産が残っているといえるでしょう。

トレーニングが、週末のゲームのための準備であり、実際の試合で起こりえる現象の再現であり、プレーを成功に導く必要があるのなら、実際にプレーするであろうプレーゾーンを予測し、そこに合わせたグリッドやミニゴールの位置などを調節したほうが、実際のゲームにいどむ選手たちの脳神経系にとっては、効率がよい、ということが分かっています。

効果的なトレーニングプランは、試合の想定なしには組み立てられないものなのです。次回は、応用編として、フットサルとサッカーのコートの関係について考えていきましょう。それでは、チャオチャオ!

 

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