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西村 亮太
メキシコ

メキシコ通信
~Querer es Poder~
(意志あるところに道は拓ける)

西村 亮太
大阪府出身。筑波大学大学院にてコーチング学を修了し、2010年8月にメキシコへ。
Cruz Azulでの研修後、CFPachucaの支部にてU-16監督を務める。その後Cruz Azulに選抜スクールのU-12監督、U17,U20にキーパーコーチ兼アシスタントコーチとして在籍。2014-15シーズンより同国のSantos LagunaにU17,20アシスタントコーチ兼分析担当として移籍し、15-16シーズンより同クラブ保有のメキシコ3部所属チームSantos Laguna Premierの第2監督となる。メキシコサッカー協会公認ライセンス-レベル4(日本でいうS級)を2013年12月に取得。

メキシコ

■プレーオフへの考え方②

2014.1.7

みなさんこんにちは。

今回は前回述べたように、2015年からJリーグで行われる制度変更に対する『ヨーロッパの主要リーグとシステムが異なる』という反対理由を、メキシコリーグに当てはめて考察していきたいと思います。

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まず、メキシコ国内でこの『ヨーロッパの主要リーグとシステムが異なる』ということに関する議論が行われることは全くと言っていいほどありません。そこには大前提として『メキシコという国とヨーロッパの主要リーグの国々は全く置かれている状況が違うのだから、リーグ制度も異なって当たり前』という考えがあります。

まずは経済的な観点から見ると、メキシコが所属するCONCACAFはUEFAほど地域の中で競争がありません。何が言いたいかというと、UEFAのように観客を集められるクラブ単位の有力な国際試合がCONCACAFではほとんどないということです。UEFAチャンピオンズリーグがドイツのある参加クラブに与えるだろう経済効果を、CONCACAFチャンピオンズリーグはメキシコの参加クラブには与えてくれません。

そうするとリーグは独自の方法で国内クラブの資金を集める必要があります。メキシコのクラブの国際競争力を保つためにです。その結果としての2ステージ制による試合数の確保やプレーオフによる注目試合の増加、独自の制度を選択しているのかもしれません。

現在メキシコサッカー協会やメキシコリーグは、スポンサー獲得や放映権の販売に困ることはありません。各クラブもリーグからの豊富な分配金と同時に、観客導入やグッズ販売などといった独自の収入源も安定しており、リーグ、クラブ共に経済的に非常に潤っています。

その恩恵を受けて、協会はフル代表から各年代別代表までの代表強化に十分な資金を回すことが可能になり、各クラブは素晴らしいクラブ施設やトップ以下の選手育成に十分なお金を回すことが可能になっています。

全く同じことがサッカーの競争レベルでも言えます。

CONCACAFにはUEFAほどの競争がありません。それはここ8年連続でメキシコのクラブがCONCACAFチャンピオンズリーグで優勝していること、そのうち6回はメキシコのクラブ同士で決勝が行われていることが物語っていると言えるでしょう。

前期リーグの上位3チームがCONMEBOLのコパ・リベルタドーレスに参加するという例外はありますが、近隣の国々のクラブと競技レベルに大きな差があるのであれば、クラブの競争力を向上するためには必然的に国内リーグの充実に目を向けないといけない状況にあります。

その中で、2ステージ制での試合数の増加からの過密日程や、またはプレーオフを行うことで、是否はありますが精神的、肉体的に負荷の高い試合が多く行われています。以前のコラムでも述べたように、プレーオフの1試合は通常リーグの1試合よりもはるかに負荷の高い試合になります。その一試合一試合が、たくましい選手が育つことを促しているのは間違いないと思います。

メキシコリーグはチャンピオンシップこそないものの、上位8チームのホーム&アウェイで行われるプレーオフは試合数が十分に確保されており、それぞれの試合の負荷はチャンピオンシップのそれとほぼ変わりがないものとなっています。

以前に、現在メキシコ1部リーグで監督をしているヨーロッパ出身の方と話していたときに、彼が『このメキシコの制度は個人的には気に入っている。なぜならばすべての試合が相手との実力差、移動、気候などのすべての条件によって非常に困難なうえ、1年に2回も優勝するチャンスがある。それは自分自身にも、選手にもモチベーションを高く保つうえで非常に役立っているよ』と言っていたのを思い出しました。

メキシコリーグの制度の根本にあるのは『ヨーロッパとメキシコはすべてにおいて完全に別モノなので、やみくもにヨーロッパを追いかけるのではなく、自分たちが置かれている状況の中で自分たちが発展していくために適した独自の型を見つける』という考え方だと思います。

ただ、個人的には独自の路線を追求しすぎるあまりに“外”から学ぶということが少しおろそかになっている部分がある気がします。『自分たちはこうだから』『今までこうやって成功してきたから』という言葉が魔法になってしまい、“外”からの刺激による新しい変化を避けて通ろうとする傾向を時々感じます。

自分たちの型を作り上げそれを大事にすることと、“外”からの影響を考慮してそれを取り入れることのバランス。置かれている状況に応じてのそれが大切なのであって、そのどちらかに偏ってしまうと『本当に手に入れたいもの』は遠ざかってしまうのかなと思います。
ただ、この二つは、その時々に応じて適したバランスを探すモノであると同時に、二つのうちどちらかが欠けてしまっても成り立たない関係であることも忘れてはいけないと思います。

今回の制度変更について納得がいかない理由は制度の中身以前の問題である『協会側の説明不足』が大きいという空気を感じます。そんな中、Jリーグは創設20年が経ち2014シーズンはJ1、J2、J3合わせて51の『プロクラブ』による切磋琢磨が繰り広げられます。2015シーズンからのJ1の制度変更がどのような影響を日本サッカーに与えるのか。それはそのときになってみないと分かりませんが、ワールドカップ出場が“アベレージ”となってきている今、日本サッカー界はピッチの内と外、両方において“日本のサッカー”を創り上げるための大きな転換期を迎えようとしている気がします。

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