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西村 亮太
メキシコ

メキシコ通信
~Querer es Poder~
(意志あるところに道は拓ける)

西村 亮太
大阪府出身。筑波大学大学院にてコーチング学を修了し、2010年8月にメキシコへ。
Cruz Azulでの研修後、CFPachucaの支部にてU-16監督を務める。その後Cruz Azulに選抜スクールのU-12監督、U17,U20にキーパーコーチ兼アシスタントコーチとして在籍。2014-15シーズンより同国のSantos LagunaにU17,20アシスタントコーチ兼分析担当として移籍し、15-16シーズンより同クラブ保有のメキシコ3部所属チームSantos Laguna Premierの第2監督となる。メキシコサッカー協会公認ライセンス-レベル4(日本でいうS級)を2013年12月に取得。

メキシコ

■Simulador シミュレーター②

2013.11.28

みなさんこんにちは。
前回のコラムの続きとして、今回は試験の締めくくりとして行われる試合に関して書きたいと思います。

最終試験であるSimuladorでは、最後に試合が組まれます。

その際のイメージや雰囲気づくりのベースは、トップリーグのそれに沿うようにしなければいけなくなっています。ゆえに審判団はメキシコサッカー協会からプロのカテゴリーで活動する審判団が派遣され、万が一の状況に備えての救急車や警備員の手配もされます。家族や友人、協会関係者などでスタンドは埋まり、雰囲気は公式戦そのものです。

トップリーグの監督はイメージを売るのも仕事の一部ということから、監督とコーチにはスーツの着用が義務づけられています。

試合当日はロッカールームを作るところから始まります。ロッカールームは講義で使用されている教室を使うのですが、そこにイスを壁沿いに並べ、本物のロッカールームのようにします。各監督が限られた予算の中で、いかに雰囲気のあるロッカールームを作れるか、というところです。あくまでもイメージはトップリーグで使用されるスタジアムのロッカールームです。

僕の場合は各自のネームプレートを作成し、ロッカーを指定しました。壁にはチーム写真やチームのキーフレーズを大きく印刷して貼り付けました。そして各自のユニフォームを各自のロッカーにきれいに並べました。

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実際に自身のSimuladorで使用したネームプレート

選手が試合2時間前に到着しはじめ、そこからマッサージやテーピングを各選手の必要性に応じて行います。気分を盛り上げるための音楽も大音量でかけられ、選手は各々のルーティーンに沿って準備します。

そして試合前のミーティングです。やり方はさまざまあると思いますが、僕はプレゼンテーションを使ってやりました。

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ミーティングの後はウオーミングアップ、ロッカールームに戻って各自最後の準備を済ませ、重要な戦術的確認のみを手短に行いつつ、モチベーションを上げるための締めの言葉かけ、そしてメキシコ特有の神様への祈りからの円陣を組み、グランドに出て行きます。

ここまで述べた試合までのチームの持って行き方は、僕が今回どのように行ったかであって、すべては監督の裁量に委ねられています。例えば全4回のSimuladorのうち、ロッカールームにネームプレートやキーフレーズなどを用意する、試合前のテーピングとマッサージのためにそれぞれのスペシャリストを別に連れてくる、ミーティングでプレゼンテーションを使う、またウオーミングアップ後にロッカーに一度戻って最終確認、祈りや円陣をしたのは僕だけでした。

このSimuladorにおいて、トレーニングはもちろんのこと、試合当日の集合からキックオフまでの流れも本当にすべてを自分たちで決定しないといけません。

メキシコでよく使われる文章として「監督は選手たちを、自分たちの行っていることに恋をさせないといけない」というものがあります。それはグランドの内外、両方において監督は選手を“その気”にさせる必要があるということです。ここでいう“その気”を日本語に訳すのは難しいのですが、意訳をするなら「確信を持っている状態」といえると思います。

例えば、グランドの中であるトレーニングにおいて、その日のセッションが始まるときにはすべてのトレーニングメニューのオーガナイズが計画的にグランドに配置された状態で、一度その日のセッションが始まると終わりまでテンポよく進んでいく。そしてそれらのオーガナイズには、トレーニングが効率よく行われるように必要(最新)な道具がきちんと使用されている。全選手がソックスまですべてそろったユニホームでトレーニングし、スタッフは選手とは別のユニホームにてきちんとそろっている。トレーニング中の選手を集めての指示においても作戦ボードなどを使用する。

グラウンドの外であれば、ロッカールームがスタジアムのそれらしく用意されており、各自のロッカーにはユニホームがきれいに並んでいる。メディカルスタッフがしっかりと準備されており、準備が整えばそこにスーツ姿の監督が姿を現せてミーティングが始まる。試合にはサッカー協会派遣の審判団や警備員、スタンドは観客で盛り上がっている。

これらの状況は選手が“その気”になることを促す要素だと思います。

一週間のトレーニングから試合開始まで、監督役はチームを試合にいかに“その気”でたどり着かせることができるか、トレーニング内容を主に、ピッチ内外すべてのオーガナイズを考えて決定します。これはSimuladorに限らず、チームを率いる上でとても大切なことだと思います。

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試合は2-1で勝ちました。開始から主導権を握り先制し、後半足が止まったところで同点にされましたが、相手が前がかりになったところをカウンターで勝ち越し、最後は守りきるという展開でした。詳しい試合内容は割愛しますが、総じて満足のいく試合でした。

そんな中、試合後のフィードバックにていくつか興味深い点が共有されました。

なので次回のSimulador③(テーマ最終回)では、試合後のフィードバックでの出来事を書きたいと思います。

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