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西村 亮太
メキシコ

メキシコ通信
~Querer es Poder~
(意志あるところに道は拓ける)

西村 亮太
大阪府出身。筑波大学大学院にてコーチング学を修了し、2010年8月にメキシコへ。
Cruz Azulでの研修後、CFPachucaの支部にてU-16監督を務める。その後Cruz Azulに選抜スクールのU-12監督、U17,U20にキーパーコーチ兼アシスタントコーチとして在籍。2014-15シーズンより同国のSantos LagunaにU17,20アシスタントコーチ兼分析担当として移籍し、15-16シーズンより同クラブ保有のメキシコ3部所属チームSantos Laguna Premierの第2監督となる。メキシコサッカー協会公認ライセンス-レベル4(日本でいうS級)を2013年12月に取得。

メキシコ

■Simulador シミュレーター ①

2013.11.19

みなさんこんにちは。
今回はメキシコサッカー界に関する考察をひと休みさせていただいて、先日行われた指導者学校での最終試験について書きたいと思います。

メキシコの指導者学校ではタイトルにあるように、実技の最終試験に実際にチームを率いるシミュレーションが行われます。内容はというと、最初に監督、コーチ、フィジカルコーチ、キーパーコーチ、道具係、主務、選手といった役割をクラス内で決めます。それに沿って練習場の確保から道具の手配といったところから始まり、トレーニングの計画と実行、試合当日のロッカールームの準備や審判団や救急車の手配、ミーティング、ビデオ撮影などと、すべてが公式戦さながらに行われます。試合当日は学校関係者が見学に来て、家族や友人などで観客席も賑わいます。

今回は4回のSimuladorが計画され、僕はその4回目にて監督を務めることになりました。

試験を終えて今思うのは、実際に監督という“すべての状況を把握し、決断を取り、その責任を負うという立場”を、シミュレーターとはいえ実際に経験できるこの指導者学校の最終試験は非常に面白いと思いますし、卒業後にライセンスを持って現場に立つためにとても実用的な経験になります。

トレーニングやミーティングにおいても、選手役はクラスメートなのですが、その中には元メキシコ代表で先日まで現役だった選手や、数々の1部リーグのクラブを渡り歩いた元選手、ビーチサッカー元メキシコ代表、また元プロではなくてもサッカーを“知っている”メキシコ人の大人を相手に行うわけですから、すべてに緊張感が張りつめます。

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そんな中、はじめに気づかされたのは、自分のスタッフ陣とのコミュニケーションについて。自分のトレーニング計画と実行に夢中になるあまり、相手がメキシコ人であることをすっかり忘れていました。何がいいたいかというと、異なった文化を持っている仲間と仕事をするということを忘れていたということです。

まず初回のトレーニングにて主務がグランドと道具の申請を怠っていたために、トレーニングが行えないかも知れないという事態が起こりました。日本では考えられません。担っている役割に対して責任感の欠けた主務が悪いのはもちろんのことですが、彼を信用しきっていて確認を怠った監督である自分の責任です。その日は何とか別のグランドを急きょ確保して、道具も違う場所からなんとか用意できたのでよかったのですが、いきなり監督はすべてを完璧に把握する必要があることを再確認しました。

その日のトレーニングにおいても、フィジカルコーチが自分の役割を悪い意味で飛び出してしまい、あたかもヘッドコーチにように振る舞ったり、キーパーコーチが予定の時間になっても彼の計画したキーパートレーニングが終わってないからと、キーパーを合流させるのに予定以上に時間がかかってしまうなど、初回はトラブルが続きました。

トレーニング自体においては選手のコンセプト理解、現象や改善は狙いどおりに進んだのですが、トレーニングの計画や実行以外のスタッフの仕事状況の把握や管理という部分は見直す必要が大いにありました。

第2回のトレーニングにおいてはすべてにおいて「これでもか」というぐらい注意を払い、分かっていたとしても「これでもか」というほど確認し、「これでもか」というぐらいスタッフ間でのコミュニケーションを図り、その結果、初回のトレーニングで見られたような事態は改善することができました。

僕はメキシコでいくつかのクラブやカテゴリーにて働いた経験がありますが、監督としてフィジカルコーチやキーパーコーチなどのスタッフは持ったことがないですし、今まで僕が所属したクラブはしっかりとしたところだったので、自分がトレーニングや試合を率いる以外のところはすべて各担当者がそれぞれの役割を全うしていました。したがって今回のように自分のスタッフを率いて、グループを一から十まで管理するという経験は初めてでした。

メキシコでは限られたクラブを除いては、今回僕が経験したようなことが頻繁に起こるようなチームが多く存在するのが現実です。それを考えるといきなりこのような経験をできたことは自分にとって非常に重要だったと思います。
初回からメキシコ(海外)で、メキシコ人(外国人)を相手に、メキシコの文化や習慣(異文化)を考慮しながらチームを率いるということの難しさと、楽しみに気づくことができました。

次回は、試験の締めくくりに行われた試合について書きたいと思います。

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チーム写真(筆者は中段右から三番目)
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