最近のコラム

2013年9月3日
ポルトガル留学


2013年8月27日
ボールを奪う


2013年8月7日
日本の個性を伸ばす


2013年7月29日
クロスの技術


2013年7月22日
未来のフットボール


2013年7月16日
目的と手段


2013年7月4日
ボランチからの攻撃


2013年6月18日
いなせる術


2013年6月5日
8種類のボールタッチ


2013年5月28日
リーグ戦とトーナメント


2013年5月20日
個人パフォーマンスコーチ


2013年5月7日
世界を驚かすプレーヤー②


2013年4月24日
世界を驚かすプレーヤー①


2013年4月9日
トレーニングメソッド


2013年3月26日
ゲームモデル


2013年3月19日
武器と時代の流れ


2013年3月4日
哲学


2013年2月14日
感情で指導


2013年1月31日
ポルトガル指導者資格


トップコラムワールドサッカー通信局>ポルトガル通信  ~Vai evoluir um individual(個人を育てる)~ ポルトガル留学

Column コラム

海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
松本 量平
ポルトガル

ポルトガル通信
~Vai evoluir um individual(個人を育てる)~

松本 量平
1983年4月4日生まれ。近大附属高校・関西学院大学卒業。
大阪のスポーツネットサッカークラブでキッズ・ジュニアの指導にあたり、ASラランジャ京都(関西リーグ1部)のTOPチームのコーチを経て、2009年8月にポルトガルに渡る。
ベンフィカU-17・ベンフィカスクールでコーチ経験を積み、現在はポルトガル1部リーグに所属するリオ・アベのTOPチームで研修中。日本サッカー協会公認B級コーチ。

アイルランド

■ポルトガル留学

2013.9.3

私事ではありますが、2009年8月から4年間に渡ったポルトガルへのコーチ留学に終止符を打ち、この9月から日本の指導現場で活動することになりました。

img_01

この4年間、本当にさまざまなことを実際に体験し、ただうわさの話で聞くだけではない、自分の心で多くのことを学ぶことができました。

リオ・アベTOPチームの研修では、カルロス・ブリトー監督から、一貫してブレない哲学を学び、プロチームを率いる上での大切なエッセンスを多く学び取ることができました。

私は常に、日本サッカーが世界に追いつくために、そして追い越すためにという視点で見てきているのですが、この4年間の経験の中で至った結論としては、技術、インテリジェンス、武器、そして人間性の4つがキーポイントとなってくるということ。

img_02

技術に関しては、基本の「止める、蹴る」のところをはじめ、「運ぶ」「外す」、そして「ボールを奪う」というところのレベルアップが必要不可欠であるということ。特に「ボールを奪う」というところの技術に関しては日本と世界とでまだまだ大きな差があるなということを痛感していますし、それを改善することができれば、よく日本人が称される「技術はうまいけど、試合では使えない」というところを変えられるはず。ボーリングでいうところの第1ピンだと考えています(そこを倒すことでほかも倒れていくという意味です)。

img_03

インテリジェンスに関しては、私がベンフィカでいちばん学んだサッカーの原理原則の部分。サッカーの目的は何か、攻撃のときはどのような優先順位でプレーしていくべきか、守備のときはどのような優先順位でプレーしていくべきかということ。サッカーというスポーツを理解し、そのとき、その瞬間でいちばん最適のプレーを生み出し続けていかなければならないこのスポーツで、選手たちのインテリジェンスの部分を鍛える重要性を感じました。この差に関してはポルトガルA代表の研修を通じて、代表選手の判断ミスの少なさを目の当たりにして、育成年代でのこの判断の部分の積み重ねの違いを痛感しました。

img_04

武器に関しては、こちらで勝負する上で結局問われるのは「お前は何ができるんだ?」ということ。それに答えるには「これ!」といった武器が必要。トライアウトに来る選手を見てみても、そつなくプレーをこなし、上記の技術とインテリジェンスを高いレベルで発揮できているというだけでは、わざわざリスクを冒して外人をとるよりも、同じレベルのポルトガル人もしくは言葉の障害のないブラジル人やアフリカの選手をとろうという考えになっていくのは当たり前のことです(同じぐらいのレベルの選手はこちらにはウヨウヨいます)。その彼らを押しのけて居場所を確保するためには、こいつにはこれがあるというような武器が必要なのです。

img_05

そして当初はこの3つ(技術・インテリジェンス・武器)だけだと考えていたのですが、それらのバックボーンとなるような人間性が必要だということにも気がつきました。

一度このブログでも取り上げたのですが、こちらでよくいわれるクリスティアーノ・ロナウドとクアレスマの違い。2人ともこの技術、インテリジェンス、武器の3つの要素に関しては高いレベルのものを持っています。ただ2人の大きな違いは飽くなき向上心。C・ロナウドは若いときにマンチェスター・Uでファーガソンの薫陶を受けたというのもあると思いますが、いつまでも向上心を持ち続け、常に上を目指し、もっとうまくなりたい、もっと活躍したいという思いに駆られているのがヒシヒシと伝わってきます。一方のクアレスマは3つの要素こそピカイチですが、そこまで向上心を感じられる選手ではありません。C・ロナウドも私生活がパーフェクトなわけではありませんが、その飽くなき向上心、彼の持っている人間性はその3つの要素を行かすための大きな材料であることに疑いの余地はありません(私生活がもっとよければ今よりもっとウルトラスーパーな選手になっていたとも思います)。

img_06

この4つの要素は世界で闘うために絶対的に必要な要素だと確信しています。

日本の特徴でもある組織で戦うところはもちろん大切ですが、最近、日本代表の選手がよく口にする、最終的には「個」のところでの強さがチームの強さになっていく、これは紛れもない事実であると思いますし、このコラムのタイトルにもあるように「Vai evoluir um individual(個を伸ばす)」というところの実現に向けて、この4年間培ってきたもので、一度日本で挑戦してみようという使命に燃えています。

img_07

私の書くコラムは最終回になりますが、今後は同じくポルトガルで活動している安田好隆くんにバトンタッチをしてポルトガル通信を継続させていってもらう予定です。彼のコラムもぜひ楽しみにしていてください。

長い間、私の拙く感覚的な文章にお付き合いいただきありがとうございました。また日本の指導現場でお会いすることもあるかと思いますので、そのときは何卒よろしくお願いします。

 

ワールドサッカー通信局トップへ →前のコラム

ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク