最近のコラム

2019年03月15日
【最終回】言語化の最先端!? 緻密なレアル・マドリードのプレーモデル


2018年12月28日
あえてTOPと育成を分ける!? ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法


2018年11月28日
Jクラブと海外クラブのゲームモデルの作り方の違い!? サントスFC編


2018年10月10日
ロシアワールドカップ、ブラジル国内の反応


2018年06月15日
正解は1つではない!? ブラジルとドイツの育成制度の違いが面白い!


2018年05月02日
ブラジルの指導者育成&ライセンス事情とは?


2018年03月29日
戦術分析に大事なのはメンタル!? 南米のアナリストの精神性を育む環境


2018年03月12日
ブラジル1部TOPチームってどんな分析方法をしているの!? 試合分析とスカウト


2018年02月06日
ブラジル1部クラブのデータ分析部門に潜入! その手法とは⁉


2017年12月28日
ブラジル1部プロクラブの分析部門育成部


2017年11月28日
ブラジル1部・ECバイーアの食育


2017年10月24日
ダニエウ・アウベスを育てたECバイーアの育成


2017年10月10日
初代レジェンド・オブ・ベルマーレ! 平塚の闘将ベッチーニョ監督に教わるサッカー


2017年09月15日
日本-ブラジル国際交流! 合わせるだけじゃない交渉力というコミュニケーション


2017年08月16日
日本-ブラジル国際大会!元クラブワールドカップ優勝選手が日本の高校生に伝えたこととは?


2017年07月24日
メッシを育てたニューウェルスで研修中。ブラジルや日本との違いとは?


トップコラムワールドサッカー通信局>ブラジル通信  ~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~あえてTOPと育成を分ける!? ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法

Column コラム

海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■あえてTOPと育成を分ける!? ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法

2018.12.28

Feliz Natal !!(メリークリスマス)
Feliz ano novo !!(明けましておめでとうございます)

クリスマスに書いているこの記事が公開されるのがいつか分からないので、取り敢えず両方記しておきました。笑

さて、久しぶりにJリーグのシーズンOFFをすごしている筆者は、いろんなイベントに参加したり、人と話して情報交換をしたりしています。

Jクラブで通訳として働きながら、強化部の勉強、育成部への海外クラブ事例の提供、そしてSNSや記事も書いて多角的視点から総合的貢献を考えている筆者としては、いろいろな話が聞けて充実しています。

栃木SCのえとみほさんや、ガイナーレ鳥取の野人岡野さん、同じくカーネルさん、SNSの上手なセレッソ大阪の都倉賢選手、日本人で初めて欧州CLに関わった岡部さんなどが講演した"スポーツビジネスサミット"の感想や知識共有も、また次の機会にできたらと考えています。

強化部との協力と共存についての話題にもなったので、できればここに強化部の人間も呼んでほしいなぁなんて思っています。(チラッ)笑

img
講演者たち

さてさて、今回の記事のメインテーマは、僕も所属した"ブラジル1部・ECバイーアのプレーモデル活用法"

ECバイーアのプレーモデルを一言で表すなら、「フィジカルを活かしたカウンター

ただし、この背景にある歴史などをひも解くと、もう少し面白いものも見えてきます。

(1)順位
ECバイーアはブラジルリーグを1959年と88年に2度制したことがあります。
とはいえ時代は移り変わり、当時と違ってサッカーにも多くのお金が流れ込むようになってからは、貧困率の高いサルバドール市に本拠を置くチームの資金力では、なかなか都会のBIGクラブに対抗できず、基本的には1部リーグ残留争いになります。

そのため、カウンター戦術という流れになります。

(2)街の伝統と文化
ECバイーアのあるサルバドール市は、歴史的には黒人奴隷の街。

街には奴隷の歴史を表す建造物があります。
実はカポエイラも、武器を持たない奴隷が身を守るための格闘技としての側面、しかし支配者にバレずに練習するために「ダンスしているだけ」と見せる側面、その両面を併せ持った特徴があります。

奴隷として肉体労働をさせられ、教育も受けられず、教育を受ける重要性も稼ぎ方もお金も持っていない人が多くなってしまったわけなので、その連鎖は現代でも続いています。

黒人としての身体能力の高さという強みと、貧困や教育の不足という問題がこの街の特徴です。

なので身体能力を活かし、しかし技術と判断には劣るので、カウンターを戦術とするというのは自然な流れなのかも知れません。

img
バイーアのバス
街が貧乏でもブラジルはサッカーが人気なので意外とお金が集まる。
しかしBIGクラブと比べたときにはやはり資金力では勝てない。

●TOPチームと育成部のゲームモデルを分ける

ECバイーアはカウンターをゲームモデルとしていると書きました。
ただそれはTOPチームのお話。

育成部では、足りないからこそ、あえて戦術や技術、インテリジェンスの部分にフォーカスしてトレーニングしています。
もちろん、筋トレや食事などのフィジカルの部分もやった上での話です。

すでに身体能力に優れた原石が沢山いるので、足りない部分を補えば自然と優秀な選手を輩出できるでしょう。

ホッフェンハイムが持っている認知やパス能力を上げるテクノロジーを、資金的にはマネできないまでもアナログ的に導入したり

img

ポゼッション練習などもひと工夫加えた、頭を使う練習が多いです。

インタビューコーチや、社会性コーチ、家庭教師もクラブで雇っていると考えると、かなりグラウンド外の教育も、国や街ではできない分クラブが補っています。

TOPチームに足りない選手を自前で育てて使うという意味では、同じサッカーをしていなくとも、これも1つの一貫した育成として機能しているのかも知れません。

育成でそうした選手を育てても、TOPチームが勝てなくてカウンターサッカーになるのはよくあることで、潔さがあります。

また、そんな身体能力も技術や判断も持った良い選手はBIGクラブへ買われてしまうので、なかなか続かない現実も見なければなりません。
例えばダニエウ・アウベス選手などですね。

しかし、買われたとしてもまたその資金を活かして次世代を育てていき、投資が回収されていくのはブラジルが育成に力を注げる所以でもあります。

ネイマール選手は100億円でバルセロナに行き、さらに300億円でパリ・サンジェルマンに行ったことを考えれば、育成に力を注ぐことが、実はお金としてもキチンと返ってくると思えるからです。

はい、今回はECバイーアのゲームモデル編でした。

前回のサントスFC編も見てください。

まだまだこれから、レアル・マドリード編、ニューウェルス編、ポルト編、A・マドリード編、コリンチャンス編なども考えています。

是非2019年もストライカーDX、ブラジル通信をお楽しみに!!

img

ツイッター
https://mobile.twitter.com/henzanryota

インスタグラム
https://www.instagram.com/ryotahenzan/?hl=ja

Note(記事増加予定)
https://note.mu/ryotahenzan

次のコラム←

ワールドサッカー通信局トップへ →前のコラム

ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク