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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■正解は1つではない!? ブラジルとドイツの育成制度の違いが面白い!

2018.06.15

Guten Morgen!(ドイツ語で「おはようございます!」)

ブラジル通信ではありますが、今回はドイツ語であいさつしてみました(笑)。

ECバイーアを離れて未所属期間なので、その空いた時間を利用して現在ドイツに来ています。

ワールドカップ優勝回数はブラジル5回(1位)、ドイツ4回(2位)。
6月7日発表のFIFAランキングはドイツ1位、ブラジル2位。

ロシアワールドカップ後には変動があるかもしれませんが、世界最強の名を二分する欧州と南米の雄といえる2カ国。

今回はその育成の違いについて書いていきたいと思います。

同じく頂点にたどり着いた2カ国ですが、その登り方は異なり面白いです。

どっちが正解とかはないですが、どちらも参考にして日本サッカーに貢献したいですね!

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バイエルンスタジアム前

【子どものサッカーグラウンド事情】
筆者は1カ月程度のドイツ滞在なので、正直ドイツについて何でも知ってるわけではありません。

ドイツ語も話せません。

また、ドイツは地方分権型の国なので、地域によっても微妙に事情が違うそうです。
ブラジルも人種がさまざまですし、広すぎて、地域差があります。
そこは理解した上でお読みください。

○ドイツのグラウンド事情
ドイツでは一部のお金持ちのプロクラブだけではなく、街クラブにも綺麗な天然芝や人工芝グラウンドが広く普及していました。

それは行政がお金を出して作っているのだそうです。
指導者も基本的にはボランティアやバイトで、街クラブだけでなくブンデスリーガのクラブでも育成年代のサッカー指導者だけで生活している方は部分的。むしろ日本より少ないみたいです。

ただそのお陰か、子どもたちはほとんど無償でサッカーができる環境が広く整っていました。

グラウンドが整備されているだけではなく、ロッカールームもあったりクラブハウスも行政が建てていて、良い環境が浸透しているのは、やはり社会としてスポーツを有効活用しているのだなと思います。

日本人だと、普段は欧州のビジネス的にも華々しいTOPチームを見る機会が多いはずなので、育成年代の仕組みは少しイメージと違う部分もあるかもしませんね。

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街クラブグラウンド

○ブラジルのサッカーグラウンド事情
ブラジルだと行政がお金を支援してくれることもありますが、ただブラジルは広大すぎる土地があって、国としての資金力もドイツや日本に比べて劣る事情があります。

ブラジルは日本の約23倍広く、例えば私が昨シーズンお世話になったバイーア州だけでも日本の約1.5倍の面積があります。

ドイツや日本ほど交通網も発達していなければ、家庭によっては交通費を払うお金がありません。

そうすると、子どもたちみんながサッカーをするためのグラウンドを行き渡るように作ろうにも、限界があります。

ただ、その分はストリートサッカーでどこでもプレーできるという点で、国中がグラウンドと捉えることもできます。

また、クラブにしても、ブラジルは育成年代からプロの側面があります。
ブラジルにはプロクラブが約800クラブと圧倒的に多く、良い選手を育ててBIGクラブに移籍させることでお金が得られるので、子どもからお金を取るのではなく、むしろ投資としてクラブ側がきちんとグラウンドを用意し、自前レストランで食育もしていく、という流れがあります。

普段TOPチームだけが注目を浴びるので意外かもしれませんが、育成年代においては社会性のドイツ、ビジネス性のブラジルという側面を感じました。

面白いのは、ブラジルはやはり車にひかれる危険性なども考えて、もう少しストリートサッカーだけでなくグラウンドが整備されて欲しいという要望も多少あるのに対し、ドイツではシステマチックなだけでなく、ストリートサッカーのような遊びや自由の部分を取り入れようという意見もあることです。

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【育成年代のプレー人数の違い】
ドイツでも地域差があったりはするみたいですが、フライブルク市では
9歳まで…5人制
11歳まで…7人制
13歳まで…9人制
14歳以上…11人制
というプレー人数の分け方をしています。

また他の地域では、同じ年齢の子どもでもチーム毎にレベル差があるので、1部リーグでは11人制だけど2部リーグ以下は9人制にするなどの、レベル別の分け方をすることもあるそうです。

ドイツでもここまで細かく分けたのは近年なので、ある程度テスト期間のようなところもあって、もしかするとこの制度は今後微調整が入る可能性もあるそうです。

一方、南米。
南米は基本的に"サッカーは"どの年代でも11人制です。

ただしガチガチに決められているわけではありませんが、ブラジルでは5人制のフットサル、アルゼンチンでは6人制のバービーからスタートしてサッカーに移行していくことが多く、またストリートサッカーでその都度人数が変わるという感じになります。

ストリートサッカーであれば、自分たちのレベルに合わせて自然と最適化するという意味ではいちばん良い制度にもなり得ますし、クラブほどきちんと連絡網があるわけではないので、人数が集まらずにずっと少人数になってしまう場合もあるかもしれません。

制度としてしっかり最適解を模索して整備されているドイツと、自然に最適化されるブラジル。

協会主導で制度化すると、どうしたって子どものレベル差や成長スピードの違いはあるので、かなり多くの子どもにとって最適解に近くはなるけど、本当の最適解にはたどり着かないという面があるかもしれません。

子ども主導にすると自然に自分たちの成長に合わせた最適解に近づきやすくなる集団もあれば、単純に仲間が集まらなくていつまでも最適解から遠いサッカーをすることになる集団もあるかもしれません。

双方にメリット、デメリットがあるのかもしれませんね。

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冒頭でもお話ししたように、ブラジルもドイツも地域差など多様性がありますし、一概に言えない部分もあります。

また、筆者のドイツ滞在は1カ月程度なので、もし間違いなどあれば教えてください。

ただブラジルとドイツ、お互い違う道を登りながらも、お互い世界の頂点にたどり着いた両国。
星のつかみ方の違いは面白いですね。

ロシアワールドカップが迫っています。
チッチ監督就任後、ほぼ無敗のブラジル。
(1度アルゼンチンに敗れたときは親善試合なのでテストの意味合いが強かった)

ただチッチ監督は、毎試合メンバーを固定して熟成しながら闘うスタイルで、コリンチャンスを世界一に導いた名将ですが、熟成期間が短く逆に分析期間が長くなる代表戦でもその手法がそのまま使えるのか?

ドイツは直近の練習試合が調子が悪いみたいですが、やはり実力ある国なので本番では力を発揮するのか?

一発勝負のワールドカップには魔物が潜んでいるのか?

果たして優勝は何処になるのか楽しみですね。

我らが日本代表も、監督交代もあって読めない部分も多いですが、ぜひ頑張って欲しいですね!

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レバンドフスキ

 

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