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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■戦術分析に大事なのはメンタル!? 南米のアナリストの精神性を育む環境

2018.03.29

59 é nosso ,88 também !
(シンクエンタ ノーヴィ エ ノッソ、オイテンタ オイト タンベン !)

これはECバイーアでよく使われるフレーズで、1959年と1988年にECバイーアがブラジル全国優勝したことを誇る歌です。
直訳すると「59年は俺らのもの、88年もそうだ!」になります。

さて、最近このブラジル通信では、ECバイーアの試合分析方法について紹介しています。シリーズの4回目となる今回は、分析方法そのものよりもブラジルの分析者の育つ環境にフォーカスしていきたいと思います。

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【ブラジルのアナリスト育成環境】
まず、ブラジルというと分析とかパソコンとかテクノロジーのイメージはないですよね(笑)。

実際にブラジルは貧困家庭が多いのも事実で、そうすると家電にしても日本ほどは進んでいないのは確かです。

とはいえ国である以上いろいろな人がいますから、1つのイメージだけでブラジル人全員同じとして扱うのもナンセンス。
ブラジルは世界一のサッカー王国ですから、サッカーに対してお金も回りやすく、例えばコリンチャンスなら年間収益は150億円にのぼることもあります。
ブラジル1部・セリエAの選手平均年俸は1億円、アルゼンチンだと5千万円、J1で2千万円。

南米でもBIGクラブにおいてパソコンも買えないということはありません。

ブラジルではCBF(ブラジルサッカー協会)がCBFアカデミーという指導者向けの講座をよく開催しています。

そこにはC級〜Pro級までのライセンス制度もあれば、「育成年代における分析方法」「GK指導方法」「育成年代のフィジカル」「プロ選手のフィジカル」などの細かく分かれた講義、海外からゲストを呼んでの講演会なども開かれます。

海外のゲストだと、イングランド代表を率いたカペッロ監督や、アルゼンチン代表を率いたビエルサ監督などが呼ばれたりしました。

やはりブラジルのプロクラブでアナリスト(分析担当)になりたいと思ったら、ブラジル人であればCBFアカデミーのアナリスト向けの授業は受けていることが多いと思います。

もちろん、サッカーは奥深いスポーツですから、この分析講座を受講したからすぐに一流の指導者ではないですし、すぐにBIGクラブで働けるわけではありません。

また逆に、仮にこの講座を受けたことがなくても、海外で似た講座を受けたとか、統計学に詳しい、機械に詳しいなどの強みがあれば、働ける場合もあります。

日本人でも海外でライセンスを取った方がいます。それは素敵な努力ですし、良い授業も受けたのでしょうが、それでも世界の頂点を争うブラジルというレベルでは、努力しているのは当たり前の環境です。授業を受けただけで世界一にたどり着くはずもなく、継続かつ工夫して努力をしていく必要があります。

海外のライセンスを取得したから、一流の指導者と思い込んでしまう。これは海外でサッカー指導者としての道を探した日本人が、よくハマってしまう罠かなと思います。

サッカーそのものの探求や勝利という目標ではなく、「自分は凄い」と思い込みたいことが目的となっていて、自信のなさを埋めたい心の弱さが見えます。

気をつけたいですね。

試合分析にしても、ファンがブログを書くことなどは別として、指導者が「俺凄いだろ」という承認欲求が出すぎている分析になってしまうと、勝利に目が向いてるプロ選手からは次第に信頼されなくなると思います。

俺凄いだろアピールになってしまっている状態では、難しい知らなそうな単語を使ってみたり、誰も気づかないことを言いたいので一場面だけを切り取ったり、それほど重要度の高くないことを言ってみたりしてしまいます。

子ども相手だと、そのまま「凄い!」と鵜呑みにされることもあります。また、同じように俺凄いアピールをしたい人や、サッカーに詳しくない方からは賞賛されることがあります。ただその賞賛されることがまた落とし穴なのかなとも思います。やはり目標がブレていますよね。

勝利に向かっているなら難しい理論でなくとも簡単な指摘でも良いし、もちろん勝利に向かっているのなら難しい理論に挑戦してみても良い。

南米の分析者の良いところは、そういった「戦術に溺れることなく戦術を使える」ことですね。

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