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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■「ボールが来る前に考える」は本当?ボールが来た後に考えることを放棄していませんか?

2017.05.24

Fica com Deus !!(あなたに幸運を!)

ご報告ですが、今季はブラジル1部、第1節終了現在首位を走るECバイーアというクラブの育成部にてお世話になることとなりました。

育成部からはユベントスのダニエウ・アウベス選手や、ロアッソ熊本のグスタボ選手を輩出。Jリーグで活躍したウェズレイ選手、シジマール選手、シャムスカ監督、現在大宮のマテウス選手も過去に所属していました。

とはいえ、私は約1カ月ほどチーム内で研修をしてから、良ければ指導もさせてもらえる、みたいな形になりそうです。

頑張ってきます!

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さて、今回のタイトル。
「ボールが来る前に考える」は本当?ボールが来た後に考えることを放棄していませんか?
についてです。

僕は元プロ選手ではありませんし、大してうまくはないのですが、指導者や通訳としてプロクラブに所属してきた経験の中で、プロ選手に混じって練習に参加することもあります。
幸運なことに、こっちに来てからはブラジルリーグやポルトガルリーグなどの選手・元選手とプレーすることもあります。

【アマチュア選手の筆者とJリーガーの差は?】
自分が感じるJリーガーとの差は、判断スピードです。常に頭をフル回転させておかないといけませんし、慣れるのに少し時間がかかります。

周りを見るタイミングも一瞬しか許されていなかったり、その一瞬で周りを確認し、状況を認識して、その中でどこにトラップするか考え、また1フェイク入れておくとかの工夫も混じえ、パッパッパッと場面が変わります。

ありがたいことに味方のレベルも高いので、サポートも速く、パスコースも見つけやすくはなります。

それでも私はJリーグの公式戦に出たことはありませんし、Jリーガーから見るとまだまだ見識は浅いのかも知れません。

【ブラジルリーグとの差は?】
ブラジルリーグの選手とプレーしたときには、Jリーガーのときと同様判断スピードもそうなのですが、“ボールが来る前に考える力”よりも、“ボールが来た後にも考える力”に差を感じました。

「日本人は体格的に強豪国に劣るため、少ないボールタッチ数で身体的接触を減らす」というのが長く日本サッカーに浸透してきました。

私もその方向性自体は間違ってないと思うのですが、ラグビー日本代表を躍進させたエディー・ジョーンズ監督は、体格差から逃げない強化策をとって、ジャイアントキリングを成功させました。

そして今回私が“ボールが来た後にも考える力”の差を感じる時、何も体格だけの問題でもないとも感じています。

そもそも南米の選手はボールが来たらまず「相手を抜こう」「ドリブルでかわそう」と考えるタイプが日本より多いです。もちろん、日本にも南米にもいろいろタイプがいる中で、そういうタイプが多いという話です。

そういう傾向は
日本<<<<<<<<<ブラジル<<<アルゼンチン
くらいにあると思います。

日本よりブラジル、ブラジルよりアルゼンチンのほうが、ボールが来たら相手を抜くことを最初に考える選手が多いです。

相手を抜こうとするので、その抜こうとする時間にも考える時間があります。

抜き切れれば最高ですが、抜き切れなくても少しだけマークをズラすとか、タイミングを図るとか、考える時間を生むとか、さまざまなメリットがあります。

我々日本人指導者は、「ボールが来る前に考える」ことを指導したはずが、意図はしていなくとも、いつの間にか「ボールが来る前しか考えない」「ボールが来たら考えない」という方向に向かわせてしまっている場合があるのではないでしょうか。

決してボールが来る前に考えることを否定しているのではありません。それは非常に重要です。ただ、それだけにしてしまっていないか?

ボールが来た後も考えるなんて当たり前なのに、いつの間にか目が行かなくなっていないか?

という疑問は生じます。

どちらも選択肢にあった中で、ボールが来る前を重点的に鍛えるのは良いのですが、いつの間にか選択肢が1つしか見えなくなっていないか?

僕は1つになっていた時期がありました。

日本人はゴール前でパスをするとか、ドリブルしないのは責任逃れとか、それも正しいなと感じるのですが、幼少期からワンタッチでかわすだけしかしていなければ、自信がなくても当然かも知れません。

ボールが来たときに「抜くぞ」という意志が見られれば、相手も簡単には突っ込んでプレッシャーを掛けにくくなり、結局はワンタッチでかわすのにもスペースや時間的余裕が生まれるという好循環になります。

もちろん日本人選手にもいろいろなタイプがいますし、レベルもさまざまです。

南米人もボールが来る前もちゃんと考えているし、指導者もそう教えています。

何度も言いますが、ボールが来る前に考えることは素晴らしいのですが、それだけにならないほうが良い、ということです。

もしかするとボールが来る前だけなら、南米人よりも日本人のほうが考えるレベルは同じか、高いかもしれません。

ボールが来る前にも考え、でも来た後も考える。
その来た後も考えるという選択肢を奪わない。

それが大事かなと筆者は思います。

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