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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■ブラジルにおける戦術的ピリオダイゼーション理論PTP

2016.01.25

明けましておめでとうございます。
2016年もストライカーDX、ブラジル通信をよろしくお願いいたします。

さて、今回はタイトルどおり"ブラジルにおける戦術的ピリオダイゼーション理論"について書きたいと思います。

まず戦術的ピリオダイゼーション理論とは何か? というところですが、ポルト大学のフラーデ教授が提唱し、モウリーニョも採用しているといわれている理論で、スペイン留学経験のある水戸ホーリーホックの村松尚登さんが日本に広めました。

よく日本では身体的ピリオダイゼーション、つまり体のコンディションによって練習内容や負荷・スケジュールを決めることが多いですが、この戦術的ピリオダイゼーション理論では、頭の疲れ具合、脳のコンディションによって練習内容や負荷を決めるというものです。

また、"サッカーはサッカーをすることによってのみうまくなる"、"サッカーはカオスであり要素別に分けることはできない"、という考えも含まれており、例えば日本でよくある素走りは体力向上という要素にフォーカスして鍛えようとしているものですが、戦術的ピリオダイゼーション理論に当てはめるとサッカーの練習としては効率的ではないと説かれています。

リフティングやマーカードリブルも、ボールの扱いにフォーカスしたよくある練習ですが、実際の試合とは違う状況になっているので、この理論の上では推奨されていないことになります。

かなりざっくりとした説明ですが、詳しくは戦術的ピリオダイゼーション理論で検索してみるとよりわかりやすい解説がヒットすると思います。

とはいえ、この理論を日本で広めたのがスペイン留学経験のある村松尚登さんだからといって、スペインのクラブがすべてこの理論を採用しているわけではありませんし、村松尚登さん自体も技術にフォーカスした練習やラダートレーニングをするみたいですし、あくまで数多くある理論の内の一つとして捉えたほうが良いかと思います。

では実際にこの戦術的ピリオダイゼーション理論がブラジルでどのくらい浸透しているかというと、"指導者がその理論を知っているかどうかは別として、部分的には重なっている"と感じています。

実は村松尚登さんにはお会いさせて頂いたことがあり、バルサスクール福岡校の研修生を1週間だけさせていただきましたが、そのときに聞いた話だと、スペインでもブラジルと同様で、「スペイン人指導者がこの理論を知っているどうかは別として、でもスペインサッカーにはこの理論が当てはまっている部分が大きい」とお話していただいた記憶があります。

ブラジルはこの理論の生みの親であるポルトガルと同じ言語を使い、また、ブラジル人は法律上ポルトガルで働くことが簡単なので、サッカー選手や指導者含め一般人まで多くの交流があります。

事実、ブラジルの現場でもこの理論を知っている指導者はいます。

ただし、いちいちこの理論を知っているか聞かなくとも、多くの場合、ブラジル人はリフティングやマーカードリブルのようなボール扱いのうまい選手よりも、戦術や判断も含めた総合的なサッカーそのものがうまいかどうかを見ている場合が多いです。

ブラジルでは、相手の技量を測るのに「リフティング何回できる?」という日本でよくありそうな質問はされたことがありません。

練習ではなるべく試合に近い状況にしますし、マーカードリブルよりも動く人間の相手をつけることを好みます。
素走りも少ないです。

そういった面では、ブラジルサッカーにも戦術的ピリオダイゼーション理論が部分的には重なっていると感じます。

かといってこの理論だけに捉われず、コーディネーションや筋トレもやりますし、小さな子どもを対象にしたサッカースクールではレベルに合わせて練習メニューを組みます。

よくゲーム形式の練習をしていて、この理論により当てはまっているのはアルゼンチンだと個人的には思います。
ただしここでも、アルゼンチンの指導者がゲーム形式の練習を好むからといって、この戦術的ピリオダイゼーション理論を意識してトレーニングしているかどうかは別の話です。
たまたま似ているだけなんじゃないかと感じる指導者も多いからです。

"サッカーはカオスなので要素別に分けられない"
"サッカーはサッカーをすることでうまくなる"
戦術的ピリオダイゼーション理論の中でも、上記二つはある程度まではブラジルなど南米でも理解されているのに対し、身体的負荷ではなく戦術的負荷、体の疲れではなく脳の疲れによって練習内容や練習日程を組む、というのは、上記二つと比較するとそこまで一般的ではありません。

いろんな理論を学び、取り入れた上で、それでもその理論というのはあくまで手段で、目的はサッカーがうまくなることも忘れてはいけない。
理論や方法に固執して本来の目的を忘れてしまいがちな私たち日本人は気をつけなければなりませんね。

ブラジルだと実際のグラウンドの中で生きるかどうかを重視していて、そこが良いところだなと思います。

もちろん、この戦術的ピリオダイゼーション理論を、どこまで正しいと思うか、どこまで練習に取り入れるかはそれぞれの指導者の哲学に沿って決めるべきで、採用率は0パーセントでも100パーセントでも良いと思っています。

この戦術的ピリオダイゼーション理論、実際私も好きで面白いので、ある程度までは練習に取り入れています。

いろんな国のやり方を融合させて、自分の哲学を築き上げていきたいですね!

PS,
一時的にではありますが、日本へ帰国し、少しだけ滞在延長しています。

理由はJリーグ、FC琉球に加入するブラジル人選手の通訳を短期間だけですが務めさせていただくことになったからです。

とはいえ、正式な年間プロ契約ではなく、恐らく1カ月にも満たないくらいの期間のお手伝いになると思います。

その間に、「Jリーグ・スカパー・ニューイヤーカップ」があります。
私はFC琉球帯同なので沖縄ラウンドの会場に現れるかと思います。
沖縄以外の方はスカパーにてご覧になれます。
是非とも応援よろしくお願いします。

【New Year Cup日程】
1月24日(日)14:00 vsFC東京 国頭陸上競技場
1月27日(水)11:00 vs東京ヴェルディ 西原町民陸上競技場
1月30日(土)12:00 vs北海道コンサドーレ札幌 沖縄県総合運動公園陸上競技場

FC琉球公式サイト
「2016シーズン ブラジル人2選手(パブロ選手、フアン選手)新加入のお知らせ」
http://fcryukyu.com/news/1963/

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