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平安山 良太
ブラジル

ブラジル通信
~Futebol arte“王国にGingaを探す旅”~

平安山 良太小学生よりサッカーを初めるが、ケガにより早期挫折。若くして指導者の道へ。日本で町クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり学んだ後、海外へ。東南アジアのプロクラブや代表チームで研修の後、ブラジル1部リーグのAtlético Paranaenseでアシスタントコーチを務めた。2014年5月からはクラブワールドカップでも優勝したSC Corinthiansでアシスタントコーチを務めるかたわら、日本に向けて情報発信を始める。2015年10月からはAvai FC、2016年前半はJ3のFC琉球通訳、後半からはコリンチャンス育成部に復帰。ペルーやアルゼンチンなどにも顔を出す。
twitter:@HenzanRyota
mail:ryota_henzan@yahoo.co.jp

ブラジル

■ブラジル代表も育ててきたコリンチャンスの選手育成

2015.05.08

ゴールデンウイークに行われる「2015東京国際ユース(U-14)サッカー大会」に、我らがコリンチャンスU14も参戦します。
http://www.tokyo-u14.com/

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コリンチャンスU15の練習風景

私の担当する年代で、実はこれに参加するため、今回は日本に残っていたのですが、3月に育成の責任者が変わり、方針が変わったため、僕はこれに参加せず、ペルーへ行くことになりそうです。
残念……。

何はともあれ、日本でコリンチャンスやボカといった南米最強クラスの育成年代のチームを見ることができるというのは、非常に貴重な経験になるのではないでしょうか。

最近のコリンチャンスの育成からは、ブラジル代表でもチェルシーでもレギュラーに君臨するウィリアンや、ワールドカップに出場したジョー、欧州が注目する次のスター候補生のマウコンなどが出ています。

今回のU14からも、彼らに続き、もしかすると将来の世界ナンバーワン選手がいるかもしれませんよ。僕はそうなってくれることを期待しています。

今回はそんなコリンチャンス育成部門の、育成方針を紹介していきたいと思います。

コリンチャンスの育成部門にはU10〜U20までがあり、大きく分けるとU15以下とU16以上で責任者や練習場所も違い(とはいっても徒歩で5分)、育成の仕方も変わります。

☆「U15以下のカテゴリー」
まず、U15以下のカテゴリーでは、試合結果を上のカテゴリーに比べ、比較的重視しません。また、体の小さい子や、フィジカル能力の低い子に関しても、忍耐強く成長を待ち、育成していきます。

最近の例としては、欧州も注目し、ブラジル国内でも次の世代のスター候補の1人とされる、コリンチャンス育成出身のマウコン選手。彼がまだコリンチャンスU15にいたころは、技術的には非常に優れていましたが、身体的な発達が他の子より遅く、苦戦する場面が多かったと育成のコーチ陣は口をそろえます。

しかし、17歳でトップチームへ昇格すると、レギュラー選手のケガを機に試合出場、いい意味で周囲の予想を裏切り、活躍。今では次期ネイマールなどと呼ばれるまでになりました。

選手のポジションに関しても、あらゆる可能性がありますし、あまり限定的にはせず、柔軟に対応していきます。

☆「U16以上のカテゴリー」
U15以下と比較して、試合結果や大会成績を気にしだすのがこの年代からです。

体もできあがってきて、トップチームに上がる直前のこの年代では、結果の出せる選手が求められます。能力の高い選手はU20に進まず、U17あたりからそのままプロになることもあります。当然、トップチームとの連携も強くなり、トップチームとの選手情報の交換・話し合いは頻度が増します。

この年代からはビデオ分析を担当するスカウティング専門のコーチ部隊もいて、毎試合欠かさずデータを取り、生かしています。

☆「育成全体の共通点」
U15以下とU15以上の年代に大きく分けられるとはいっても、もちろん同じ部分もありますし、連携は常にあります。

U10~U20、トップチームまでの一貫した育成計画があり、各カテゴリーのコーチがその計画に沿った上で、それぞれのコーチの個性・持ち味を発揮していきます。

連携面に関しても、上のカテゴリーのコーチが下のカテゴリーのチェックを行ったり、時には直接選手への指導をすることも珍しくありません。

また、全年代で練習中にGPSを装着し、走った距離などのデータを取り、まとめてあります。

通常のコーチ以外にも、フィジカルコーチ、メディカルトレーナーは常に帯同しますし、施設内にある食堂にも栄養士と料理人が常駐しています。育成に必要な専門家たちがそろっています。

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コリンチャンス育成部門の食堂

コリンチャンスは人間育成にも力を入れていて、子どもにとっては、学校で過ごす時間が長いということもあり、学校とも連携しています。

また、国際交流も大切にしています。育成部門の指導者にはブラジル人はもちろん、日本人、韓国人、アルゼンチン人がいますし、中国人の短期留学生を受け入れることもあります。今回の東京行きもそうですが、国際大会にも積極的に参加していきます。

もともと国として多人種・多文化な側面のある国ですし、こういった育成年代からの国際交流も経て、欧州を中心に世界中で活躍するサッカー選手が育つのかもしれませんね。

☆「これから取り組んでいくこと」
南米では子どものうちから選手に代理人がついていることが多いです。代理人が親ということもあります。

サッカーにおいてビジネスはますます大きな部分を占めるようになってきてきますが、コリンチャンスでは、よりよい選手がいるのに、不当な理由で他の選手を優遇するということはありません。

また、その選手の未来は、その選手がどうしたいかを重視し、選手の判断に任せます。ブラジル人が考える力が強いのは、このためかもしれません。

ひと昔前から日本では特に顕著ですが、最近ではブラジルでも、以前と比べてパソコンやゲームで遊ぶ子どもが増えました。とはいっても日本ほど裕福ではないし、税金の関係でPS4は約20万円! ブラジルの平均月収の2~3カ月分です。

また都市部では、以前ならサッカーをやれたスペースに、今では建造物が立ち並び、ブラジル人の創造性豊かなサッカーの源ともされていた、伝統のストリートサッカーは少し減ってきています。まだ見かけることもありますので、これも以前のブラジルと比べての話ですが。

コリンチャンスは総合型スポーツクラブになっているので、天然芝、人工芝のサッカー場以外にも、フットサル場、ビーチサッカー場もあります。バスケットボールやバレーボールのコート、プールやテニスコートもあります。

いろいろな形のサッカー、またはその他スポーツに関わる機会がまた増えていき、どんどん新しい創造性あふれるスターを生み出していきたいです。

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ビーチサッカー場

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