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宇治 誠
イングランド

イングランド通信
~イングランドサッカーの育成状況とEPPP~
(現状と変化と今後)

宇治 誠
1984年12月13日生まれ。大阪府出身。
富山大学教育学部生涯スポーツ科卒業後、2008年に渡英。Liverpool John Moores UniversityにてScience & Footballを学び、現在同大学でスポーツ科学の博士課程を専攻している。コーチとしてLeague Two(イングランド4部リーグ)のTranmere FCアカデミーコーチとユースチームのマッチアナリストとして働き、同時にLiverpool FCサッカースクールコーチもこなしている。UEFA Bコーチングライセンス所持。

イングランド

■リバプール生活近況

2015.06.05

みなさん、ごぶさたしております。毎度毎度イングランド通信の更新が滞ってしまい、申し訳ありません。イングランド通信のコラムを始めさせてもらい、定期的に更新する難しさをしみじみと痛感しています。更新していない間に自分の身の周りでいろいろなことが起こったので、今回はEPPP以外のことですが、少し私がリバプールで何をしているのかを書いてみようと思います。

まずは、残念なことに私がアカデミーコーチとユースチームの戦術分析担当として働いているTranmere FCのトップチームがLeague 2からFootball Conferenceへ降格してしまいました。Football Conference(カンファレンス)とは、イングランドサッカー界の5部に位置しているのですが、リーグ管轄がプロリーグ団体のFootball Leagueではありません。そのために、通称Non-Leagueと呼ばれます。来シーズンから新たなスポンサーVanaramaがConferenceをサポートすることで、来季からVanarama ConferenceやNational Leagueと名称が変わります。日本でいうと、JFLに近いと思います。Conferenceのいくつかのクラブは、TranmereのようにもともとFootball Leagueに属していたチームもいます。TranmereはFootball League傘下のクラブとして94年間そのステータスを守り続けた歴史あるクラブですが、残念ながら今回そのステータスを維持することができませんでした。来シーズンから2年間はFootball Leagueから降格に対する補助金を受けることができるのですが、もしその間にFootball League傘下に返り咲くことができなければ、Football Leagueからの支援が打ち切られることになります。そのために、是が非でもFootball Leagueへの返り咲きを早い段階で成し遂げなければなりません。

次にTranmereのユースチームの戦術分析の仕事について話したいと思います。私の仕事は、単純に分けると試合の撮影、その分析、そして監督と選手にフィードバックを提供することです。今年から新しい機材(SPORTSMAST:http://www.sportav.co.uk/sportsmast-45.php参照)を購入することで、地上6mからの角度で試合を撮影することが可能になりました。また、その撮影した動画をSportsCode社のGameBreakerというソフトウェアを用いて、試合のイベント毎に分析していきます(図1参照)。編集後の動画をクラスルームで監督とコーチや選手にフィードバックをしていくという過程です。うれしいことに、今年のユースチームから4人の選手がTranmereでのプロ契約を勝ち取ったので、今後も彼らの成長から目が離せない状態です。以下に、試合のハイライトを例として載せておきます(https://www.youtube.com/watch?v=wZqoEMNR9Ps#t=34)。

img01
図1.SportsCode社Gamebreakerソフトウェアと試合分析の様子

最後に、私がリバプールで行っているTranmere以外のことも少し話させてもらいます。私はLiverpool John Moores大学のBrain & Behaviour Research Groupに属しており、そこで博士課程を専攻しています。その一環として、つい最近コペンハーゲンで行われた第8回World Congress on Science & Footballで10分間の口頭発表を行ってきました(図2参照)。サッカーにかかわる者として、また研究者の卵として今後につながる経験が得られたと確信しています。

img02
図2. 学会でのプレゼン風景

次回のイングランド通信は、通常どおりにElite Player Performance Plan (EPPP)の内容をTranmereアカデミーの視点から書かせていただきます。特に、どのようにアカデミーのカテゴリー分けを行ったのかを、私の経験をもとに話していこうと思います。

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