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Elite Player Performance Plan (EPPP)について



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宇治 誠
イングランド

イングランド通信
~イングランドサッカーの育成状況とEPPP~
(現状と変化と今後)

宇治 誠
1984年12月13日生まれ。大阪府出身。
富山大学教育学部生涯スポーツ科卒業後、2008年に渡英。Liverpool John Moores UniversityにてScience & Footballを学び、現在同大学でスポーツ科学の博士課程を専攻している。コーチとしてLeague Two(イングランド4部リーグ)のTranmere FCアカデミーコーチとユースチームのマッチアナリストとして働き、同時にLiverpool FCサッカースクールコーチもこなしている。UEFA Bコーチングライセンス所持。

イングランド

■Elite Player Performance Plan (EPPP)について

2014.12.16

初めまして、今回イングランド通信としてコラムを書かせていただくことになりました、宇治誠(ウジマコト)と申します。

現在リバプールにあるLiverpool John Moores Universityでスポーツ科学の一部であるSkill Acquisitionを博士課程で専攻しながら、League 2(イングランドリーグ4部)のTranmere Rovers FCのU13のアカデミーコーチとユースチーム(U18)のマッチアナリストとして働いています。同時に、Liverpool FCサッカースクールのコーチも行っています。今回のイングランド通信では、イングランドサッカーの問題点を解決するために、FA、Premier League、そしてFootball Leagueの3団体が話し合った結果の長期的な解決策、Elite Player Performance Plan (EPPP)の内容をFootball League所属のTranmereアカデミーの視点から書かせていただきます。

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EPPPの実施で、イングランドサッカー、特にプロクラブの育成年代がどのような変化をしているのか、またPremier Leagueのクラブではない、League 2のクラブでどのようなことが行われているのかを実体験を基に説明していきたいと思います。この情報が、ただイングランドで起こっていることをマネるのではなく、日本独自のサッカー文化や日本に適した育成環境を構築できるお手伝いになれれば光栄だと思います。

まず1回目は、EPPPの概要を説明しようと思います。EPPPとは、最近のイングランド代表の成績不振とPremier Leagueで活躍するイングランド人選手の人数の少なさをFAが問題視したことから始まります。根幹となる政策はベルギーで行われたエリート選手育成(DoublePASS社のFootPassサービス)とドイツブンデスリーガアカデミーへの政策(10年構想論)です。この2つの政策を基に、FAとPremier LeagueとFootball Leagueの3団体の話し合いによって、イングランドに適した形でEPPPという長期的な選手育成を目的とした政策が決定しました。

実際には、Premier Leagueの基でというのが正しいのかもしれません。なぜならFootball Leagueは3つのプロリーグChampionship(2部)、 League 1(3部)、 League 2を管轄していますが、団体的に資金面が豊かではなく、またFAも資金面でPremier Leagueに及びません。そのために、EPPPは3団体の話し合いで始まりましたが、実質Premier League先導で行われ、最終的にいくつかのFootball League所属のプロクラブがアカデミーを閉じざるをえなくなりました(この話はTranmereの話のときにさせてもらいます)。

EPPPは選手育成を目的とした政策で、主な目的は以下の6つです。
・Home Grown Player(定義は未だに議論中)の質を向上させ、自分たちのトップチーム、または他のプロクラブでプレーするHome Grown Playerの人数を増やす
・アカデミー選手がサッカーをし、コーチの指導を受ける時間の確保、またその時間の増加
・アカデミー内のコーチの質の向上
・アカデミー選手の質と彼らの成長を効果的に、また客観的に計測する方法の確立と応用
・具体的なアカデミー組織の構築と資金確保、またその資金をどのように使用するかの具体案
・あらゆる可能性を模索し、アカデミー選手の成長に特化した組織の構築とその実施案

EPPPの主な目的である6つの目的を達成するために、EPPPは4つの項目を重視しています。
・コーチング
・アカデミーのカテゴリー分け(カテゴリー1からカテゴリー4まで)
・アカデミー選手の移籍金または補償金
・アカデミー内での教育制度

この4つがこのEPPPの根幹になっています。Tranmereアカデミーで使用しているアカデミー選手と親御さん向けのFootball League用のEPPPの詳細を期したPDF(2014-15年シーズン)を添付しましたので、もしよろしければ参考にしてください。次回からは、Tranmereで行っていることと照らし合わせながら、具体的に話していこうと思います。

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Football League用EPPP詳細(PDF)
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