GAKKEN SPORTS BOOKS 最新版サッカールールブック
最新版
サッカールールブック
監修: 高田静夫
著: 三村高之
とっつきにくいサッカールールの内容を、日本人が理解しやすいようにジャンル分けして構成。判定の難しいケースもイラストを多く使って、簡単にわかるように解説。「日本でいちばんわかりやすいルールブック」の最新版。何かあったときに簡単に調べられる。
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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■U-19日本代表のアルゼンチン遠征

2016.12.12

 U-19日本代表がアルゼンチンに来るというので、まずはスケジュールを調べた。すると、1日の夜に到着して、2日はバンフィルのトレーニング場で練習試合、3日はラヌースの施設で練習試合、4日はブラジルワールドカップ直前にコロンビア代表がキャンプを行ったところで練習、5日はアルゼンチン代表とAFA(アルゼンチンサッカー協会)の施設で親善試合、6日はバンフィルで練習し、7日に再びアルゼンチン代表と戦い、8日に帰国の途につくというものだった。

 しかし2日の試合は、長旅の疲れがあるからと中止。3日のラヌース戦が初陣となった。ラヌースには何度か取材しているコーチ修行中の飯沼君がおり、彼からいろいろな情報が入る。ホルヘも何度かラヌースの施設には行っているので、日本代表の取材はすんなり行えるはずだ。問題は、アルゼンチン代表戦が行われるAFAのグランドに入れるかどうか。そこでAFAの広報に取材申請のメールを送った。ところが、2日経っても返事が来ない。そこで直接AFAへ出向き、プリントアウトしたメールを示して、「この件で来た」というと、プレス担当者は、「そんなものは届いていない」という。AFAはグロンドーナ元会長時代からの汚職やスキャンダルが次から次へと表面化し、FIFAの任命を受けたペレスが正常化委員会の長となって改革中。現在は会長もおらず、以前からの職員もかなり変わっている。内部もかなり混乱しているようで、メールが担当者に渡らなかったのもそのためか。この担当者も、これまで見たことのない人だった。

 結局、トレーニング施設の責任者と話してくれ、といわれ、その人物の携帯番号をもらった。さっそく電話すると、プレスカードがあれば取材はできるが、5日の試合は後半のみ公開なので、17時ごろでなければ入れないとのこと。前半は非公開という取材制限をもうけているのは、もちろん日本代表なく、アルゼンチン代表のため。U-19の南米選手権兼ワールドカップ予選は来年1月で、代表はそれに向けて強化中。監督はヴェルディでプレーしたことのあるウベダだ。

 ラヌース戦の前日、「明日は17時キックオフ」のメールが飯沼君から入った。日本代表のスケジュールでは16時のはずだが、変更があったのか。一応16時のつもりで行ってみると、そこでいかにもアルゼンチンらしいことが起きていた。今年は春になっても寒い日が続き、ここ数日でやっと初夏が訪れた。30度前後の気温には、まだ身体が慣れていない。ラヌース側は、16時という連絡を受けていたものの、「暑くて、17時前に試合はできない」と勝手に時間を遅らせてしまっていた。

 ちなみに、アルゼンチンでは16時ごろが最も暑い。それを知らない日本代表は16時キックオフに合わせてきっちりアップしているのに、相手はロッカールームでのんびりしている。日本のチームスタッフが心配し、「ちゃんと16時に始められるのか。うちはこの後も予定が組んであるので、遅れるのは困る」と言ってきた。これをラヌースの監督に取り次いだのが飯沼君。「16時なんか無理だ。16時半ならなんとか」との答えに、日本側は16時15分を迫る。さらにラヌースは、「暑いから35分ハーフ」といい出し、日本は45分を主張。間に入った飯沼君は、「お前はうちのコーチだろ。どっちの味方をするつもりだ」などとラヌース側から言われて苦心していた。また、「ユニホームの色は何だ」と尋ねてきたので「全部、白」と答えたのに、ラヌースGKは白を着てくる始末。

 試合は結局16時半近くの開始で、40分ハーフ。日本は前半と後半でメンバーを総入れ替え。ラヌースは2軍のサブとユースの混成チーム。20歳以上の選手も入っている。試合は日本が圧倒的に支配し、前後半に和田昌士と遠藤渓太が1点ずつ決めて2-0の勝利。ラヌースはたまにカウンターからチャンスを作るが、シュートは散発のミドルのみ。

 ホルヘが感心したのは、日本の選手が球際に強くなっていることだった。これまで弱点だと言われ続けていた部分で、試合には勝ったとしても局面では常に劣勢を強いられてきた。しかし、ここでは互角以上の勝負ができた。とはいえ、これほど優勢なのに2得点は物足りない。ゴール前に迫りながらも崩しきれない。これが、これからの課題だろう。さて、注目の久保建英は後半からFWで出場。ボールを受けるのはうまいが、そこで奪われることが多かった。相手が体格とキャリアで上回るだけに、本領発揮とはいかなかったようだ。

 シャコペエンセの悲劇やクラブワールドカップ出場のアトレティコ・ナシオナル関係の原稿書きがあり、前半は非公開という5日のアルゼンチン代表戦には行かなかった。前半から観戦した飯沼君によると、相手FWに激しいプレスをかけられ、クリアが相手に当たってゴールイン。さらにDFのパスを奪われたことからPKを献上して2失点。ラヌース戦で光った球際の強さは、ここでは全く影を潜めていたという。ラヌースの選手と代表選手ではスキルが格段に違うのだ。その後、久保の仕掛けからこぼれ球を原輝綺が決めて1点を返すも、ここまで。

 そして7日の第2戦。キックオフは初戦と同じ16時。10時過ぎに、AFAのウェッブを見ていると、「日本と午前中に再戦」と書いてある。なんだ、これは。間違いであってくれと思いながら確認すると、間違いなく10時キックオフに変更されていた。やはり、アルゼンチン代表でも16時は暑いのか。前日に確認を怠ったホルヘの大チョンボで、代表戦取材を逃してしまった。試合は小川航基のロングシュートで先制するも、またしても1-2で敗れている。

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