GAKKEN SPORTS BOOKS 最新版サッカールールブック
最新版
サッカールールブック
監修: 高田静夫
著: 三村高之
とっつきにくいサッカールールの内容を、日本人が理解しやすいようにジャンル分けして構成。判定の難しいケースもイラストを多く使って、簡単にわかるように解説。「日本でいちばんわかりやすいルールブック」の最新版。何かあったときに簡単に調べられる。
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ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■アルゼンチン敗れる

2015.10.15

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 スペイン司法当局は、脱税の容疑でメッシに禁固22カ月を求刑した。裁判で有罪となれば、最長で22カ月間もピッチから離れなければならなくなる。このニュースがアルゼンチンで報じられたのは10月8日のこと。その夜には、ワールドカップ南米予選の第1節が控えていた。もちろんそれも注目されていたが、ホームのエクアドル戦ということで楽観ムード。それよりも、負傷で離脱中のメッシに関わるこのニュースのほうに人々は関心を示したようだ。ある番組では、最近のメッシは災難続きだと報じていた。まずは試合で左ヒザを負傷して長期離脱を余儀なくされた。続いて実兄のマティアスが拳銃不法所持で逮捕され、前々日には父親のホルヘも脱税で禁錮刑を求刑されている。検察は父親のみに求刑してメッシは見送ったが、今回は司法当局が求刑を下した。その番組では、「この調子だと、今夜の試合も負けるでしょう」と冗談でいっていたら、本当に負けた。

 立ち上がりからアルゼンチンはシュートを連発し、「これは楽勝だな」と思われた。早々とキャプテンのアグエロが左脚大腿部の肉離れで退場となるが、交代要員はファンが待ち望んだテベスだったので、スタジアムは大いに盛り上がった。しかしなぜかアルゼンチンはちぐはぐしたプレーが多く、両サイドのバレンシアとモンテーロの突破に勝負を委ねるエクアドルがたびたび決定機を作るようになる。これらのチャンスは、ボラーニョスのシュートミスでことごとく消え失せたが、ボールの支配率とは裏腹に、得点のチャンスはエクアドルが上回っていた。

 ハーフタイムになると、突然スプリンクラーが稼働し、ピッチに散水をはじめた。真夏にはよくあることだが、冬に戻ったように肌寒いこの日に行うことではない。おそらくマルティーノ監督の指示により、ピッチをよりスリッピーにしてショートパスが持ち味のアルゼンチンが有利になるよう行われたのだろう。しかし後半風上に転じたエクアドルの勢いはさらに増し、アルゼンチンはお家芸ともいうべきサイドバックのオーバーラップが封じ込まれた。エクアドルクラスを相手に、ホームで引き分けは許されない。マルティーノは攻撃型の選手を投入し、最終的にはFWが4人という布陣になった。これはゴールよりもバランスの悪さを生むこととなり、81分にCKからエラーソのヘッドでエクアドルが先制。1分後、今度はカウンターから、バレンシアの長距離ドリブルによる完ぺきなお膳立てにより、カイセドがダメ押しの2点目をマークした。

 エクアドルがアウェイでアルゼンチンを破ったのは史上初のこと。勝因には、アルゼンチンの出来が悪かったということもある。しかし見方を変えれば、エクアドルがそう仕向けたともいえる。通常格下のチームは、守備を固めてカウンター狙い。あるいはアウェイ戦なら、さらに消極的に引き分け狙いのゲームをする。しかし今回のエクアドルは、玉砕戦法ともいうべき果敢な戦い方をした。中央は固めアタックはサイドのみと限定していたが、守ってから攻めるのではなく、常に攻撃を意識していた。この積極性がアルゼンチンの混乱を招いたのだろう。イチかバチかのギャンブル的戦法が吉と出た。歴史的勝利ということで、この話題はサッカー界に広く知られる。アジア予選でも、格下のどこかの国が日本相手に突っ張ってくるかもしれない。

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