GAKKEN SPORTS BOOKS 最新版サッカールールブック
最新版
サッカールールブック
監修: 高田静夫
著: 三村高之
とっつきにくいサッカールールの内容を、日本人が理解しやすいようにジャンル分けして構成。判定の難しいケースもイラストを多く使って、簡単にわかるように解説。「日本でいちばんわかりやすいルールブック」の最新版。何かあったときに簡単に調べられる。
最近のコラム

2017年06月13日
日本人コーチ


2017年03月05日
来年のローレウス賞候補


2017年01月25日
大会の危機


2016年12月21日
キックが大事


2016年12月12日
U-19日本代表のアルゼンチン遠征


2016年11月10日
バビーフットボール


2016年10月19日
南米予選9.10節


2016年10月07日
U-16の珍ゴール


2016年08月24日
アベランジェ死去


2016年08月10日
リオオリンピック開幕


2016年07月26日
二度あることは


2016年07月23日
アルゼンチンサッカー大混乱


2016年06月21日
アモーレ


2016年06月02日
ウルグアイのレスターシティ


2016年05月20日
人の才能


2016年04月01日
ホルヘのクライフ


2016年03月01日
ベンチコートの利用法


2016年02月18日
PKなんて


2016年02月09日
審判受難


トップコラムワールドサッカー通信局>南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~ リーベル優勝後の苦難

Column コラム

海外発!日替わりリレーブログ ワールドサッカー通信局
ホルヘ・三村

南米通信 ~ラ・ビダ・デ・ホルヘ~

ホルヘ・三村
1960年10月23日生まれ。東京都出身。元々の南米サッカー好きが、89年のコパ・アメリカ取材を契機に沸騰。91年、気がつけば職を捨て、単身エクアドルに立っていた。現在はアルゼンチンのブエノスアイレスを拠点に、コパ・リベルタドーレス、コパ・アメリカ、ワールドカップ南米予選や各国リーグを取材している。そのかたわら、酒を中心とした南米各国のナイトライフにも造詣が深い。というよりそれに溺れ、酒とサッカーの日々を送っている。

アルゼンチン

■リーベル優勝後の苦難

2015.08.27

img01

 コパ・リベルタドーレス決勝のリーベル対ティグレス。南米連盟所属でないメキシコのティグレスは招待参加のため、優勝してもクラブワールドカップ出場権を獲得できないが、悲願のメキシコ勢初優勝に燃えていた。1998年から参加しているメキシコ勢は、クルス・アスルとグアダラハラの準優勝が最高位で、まだ優勝はない。なぜCONCACAF(北中米カリブ連盟)所属のメキシコがCONMEBOL(南米連盟)の大会に出場しているかというと、メキシコ側は南米の強豪クラブと戦うことでレベルアップすることを望み、大会主催者である南米側は、メキシコを入れれば放映権料やスポンサー収入が大幅にアップことに目をつけ、両者の思惑が一致したため。

 メキシコで行われた決勝第1戦は、ティグレスが圧倒的に優勢で、よくぞリーベルは0-0で凌いだ、という試合だった。今年は暖冬とはいえ、真冬のアルゼンチンから猛暑のメキシコへ行けば、当然パフォーマンスは落ちる。このことは十分予想されていたことだが、ガジャルド監督は消極策を取らず、完全なDFのサブはバランタ1人だけ。そうした姿勢が選手に伝わり、苦しみを乗り越えてスコアレスドローを“勝ち取った”といえる。

 アルゼンチンでの第2戦には、もちろんホルヘも行った。試合開始は夜の10時。アルゼンチンは夜が遅い。夕食やスポーツ、公演などの時間が、日本とは2~3時間ずれている。就学前の子どもですら、10時や11時は宵の口といった感じだ。この日の試合にも、小さな子どもを連れた家族がたくさんいた。「雨が降るかもしれない」というはっきりしない予報だったが、キックオフとほぼ同時に降りはじめた雨は次第に勢いを増して大雨になった。遠雷がピカピカし、風も出てきた。用意していたカッパは防水機能が低下してたちまち水を通すようになり、傘は風であおられてすぐオチョコになる。こうなると自分のことはあきらめて、カメラを守ることに専念するしかない。

 リーベルが3-0で快勝し、喜びの表彰式となる。何とか撮影場所を確保して安心していると、選手がカップを掲げる肝心の瞬間に、スマホが伸びてきて邪魔されてしまった。表彰台は柵で囲まれ、カメラマンはその外から撮影する。柵の中にいるのは大会関係者と警備担当者なのだが、彼らも記念に撮影するので、我々が迷惑をこうむることになる。表彰台から選手たちはオープンタイプのバスに乗り、スタジアムを1周のビクトリーラン。その中の数名は、日本行きを誇るように日の丸を振っている。ここで雨はさらに強くなり、ホルヘは撤退を決意。この時点で、時計は午前0時45分を回っていた。

 リーベルのスタジアムは、リベルタドールという大通りの近くにある。しかし一斉に吐き出された観客により、ここでバスやタクシーをつかまえるのは困難。いつものように、約2キロメートル離れたバランカス・デ・ベルグラーノ駅まで歩くことにした。しかし、雷も本格的になり、雨は滝のように落ちている。下半身はもちろん、4枚着ている上半身もすでに下着までビショ濡れだが、カメラバックを守るため何度か雨宿りを繰り返す。ようやく駅にたどりつき、屋根のあるバス停へ。ブエノスアイレスの路線バスは24時間営業だが、さすがに深夜は本数が少ない。ホルヘの家の前を通るバスが2本来るも、いずれも満員でバス停を素通り。タクシーも同様で、空車は1台も通らない。この駅始発のバスは20分おきに出ているが、それに乗るためには、屋根のない歩道で長蛇の列に並ばなければならない。ここに至って、車で来ていた知り合いのカメラマンに、「乗っけてくれ」と頼むべきだったと気づいたが、後悔先に立たず。

 濡れた衣類が体温を奪いガタガタと震えながら、結局ここで1時間半くらい待ち、やっと来た行先のわからないバスに乗り込む。適当な大通りで降りてやっとタクシーをつかまえることができたが、家に着いたのは午前4時。酒を吞みにも寄らず、仕事から直帰してこんな時間になるのは何年振りだろうか。まもなく55歳を迎える身としては、いささかハードな1日だった。

img02
img03
次のコラム← ワールドサッカー通信局トップへ

→前のコラム


ストライカーDX トップ マッチレポート コラム トピックス セレクション/スクール バックナンバー ムック リンク