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道言 栄太
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ポルトガル通信
~me sinto o português futebol~

道言 栄太
鹿屋体育大学在学中。18歳のときから指導を始める。常に“世界で活躍できる指導者”を目標に掲げ活動し、早10年目。これまでキッズから大学生まで幅広い年代の指導に携わる。その中で目標を達成するために必要だと感じたのが他の指導者との差別化である。過去には、1年間のイタリア留学の経験がある。今回のポルトガル留学では、大学、グラウンドそしてスタジアムで多くの経験を積み、新たなサッカー感を養い独自の指導法を生み出すことが目的である。
Twitter: @eitadogon

ポルトガル

■FC PORTOサッカースクールでの指導理念

2018.10.19

みなさんこんにちは。

先日は、留学中最後のチャンピオンズリーグのためリスボンに足を運び、ベンフィカvsバイエルンの試合を観戦しました。座席も非常にピッチから近く、まさに監督目線を体験することができました。

結果は、ルス・スタジアムに対戦相手として帰還したレナト・サンチェス選手のゴールもあり、バイエルンが快勝しました。バイエルンのスタメン発表に、レナトの名前が呼ばれたときや彼のゴール後は、対戦相手にも関わらず大きな拍手が送られており、今回のベンフィカサポーターの対応を見て、ポルトガルのファンは在籍した選手を気持ちよく迎える文化が浸透しているのだなと改めて感じました。

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さて、ポルトでは9月の上旬からスクール・ジュニアユースの新シーズンが始まりました。今シーズンも、引き続き勉強させてもらっているSCエスピーニョのトレーニングがない日は、スクールに出させてもらっています。

今回は子どもたち、学生を対象とした戦術的ピリオダイゼーション(以下PT)の使い方を書いていきたいと思います。

子どもたちのトレーニングで大切にしていることは3つあります。まずは、質を確保すること。つまり、強度マックスで取り組ませることです。ただ、子どもたちはなかなか練習に集中できないものです。そのような状況でも、無意識に子どもに100パーセントを出せるためには、勝ったら次のステージに行けるようなオーガナイズや、ポイントを競い合うなど工夫することで、目の前の相手に全力でプレーしようとします。

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この強度マックスでプレーする状況を確保できたら、次はプレーの機会を多く与えることが大切です。「うまくなるためにはたくさんボールに触れ」とは、僕自身も小さいころから盛んに聞いてきた言葉ですが、十分な休憩もなく、疲れた状態で触り続けても効果は少ないです。そして、判断もなくただ触り続けて体で覚えたテクニックなど、試合では何の役にも立ちません。

またリカバリーも子どもが対象になると少し変わってきます。理由としては、交代も多く行える学生の試合では、試合でかかる負荷も大人とは変わることが挙げられます。そして、週3回しかないトレーニングのうち、丸1日をリカバリーに使うのはもったいないという理由もあります。大切なのは、リカバリーにどれくらいの時間が必要なのか正確に把握することです。育成年代の目的は成長することなので、必要以上にケアする必要はないと考えます。

ほかにポルトのスクールで大切にしているのは、創造性を育てることです。日本のように、子どもたちがうまくいかなかったときに全員集めて、手本を見せたり、うまくプレーできている子にコツを発表してもらうようなやり方はしません。日本の現場では、選手に求めるプレーから達成過程まで全部丁寧に教えますが、それだとみんな似たような選手になってしまいます。このような指導をするたびに、子どもたちの創造性が育つ機会を奪ってしまっているのです。

極端なことを言えば、パスが正確に蹴れれば、トラップもパスもアウトサイドでもいいわけです。目指すプレーは一つでも、解決策はさまざま(例えばパスだとインサイドで蹴ることが誰にとっても最良の選択肢になるとは限らない)ということを指導者が理解する必要があります。子どもたちが自分で見つけた解決策を褒めてあげることが指導では大事だと思いました。

このように創造性を育てていくことが、ポルトガルでは当たり前に行われています。ポルトのスクールでは、うまくいかないときに怒ったりすることはないです。日本の育成年代までは、海外に比べてたくさんの基礎練習によって身につけたテクニックとコーチから与えられる多くのティーチングによって得たプレーで、欧州相手にも渡り合えていますが、大人になるとより戦術レベルも上がり、守備でも攻撃でも応用力が不可欠になってきます。そこが勝敗を分けていると考えました。

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ただ、日本人(保護者)がスポーツに求めることや日本人の性格に適した指導法という観点から見ると、ポルトで学んだことをそのまま日本の指導現場で実践しても、期待した成果は得られず、また日本の指導者、保護者からも受け入れられないというのが正直な感想です。

日本に帰国してからの指導では、ポルトガルで学んだ指導をどのように適応させて行くのかが課題になると感じております。

次回は留学の総括について書いていきたいと思います。

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