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道言 栄太
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ポルトガル通信
~me sinto o português futebol~

道言 栄太
鹿屋体育大学在学中。18歳のときから指導を始める。常に“世界で活躍できる指導者”を目標に掲げ活動し、早10年目。これまでキッズから大学生まで幅広い年代の指導に携わる。その中で目標を達成するために必要だと感じたのが他の指導者との差別化である。過去には、1年間のイタリア留学の経験がある。今回のポルトガル留学では、大学、グラウンドそしてスタジアムで多くの経験を積み、新たなサッカー感を養い独自の指導法を生み出すことが目的である。
Twitter: @eitadogon

ポルトガル

■なでしこJAPAN・アルガルベ遠征 後編

2018.04.10

みなさんこんにちは。ヨーロッパでは4月1日にパスクアというお祭りがあり、大学は1週間お休みでした。私は、研修先の練習がいつもどおりありましたが、比較的穏やかな日々を過ごすことができ、良いリフレッシュになりました。

さて今回の記事では、前回なでしこJAPANの到着から初戦を迎えるまでの大まかなスケジューリングについてご説明しましたので、今回は戦術的ピリオダイゼーション(PT)に照らし合わせたスケジューリングやトレーニング方法を考えていきたいと思い、ポルト大学の教授に相談してみました。

結果から申しますと、“これがベストだ”というスケジューリングを導き出すということは難しいということでした。理由として、練習量やオフを入れるタイミングなどは監督の哲学によって千差万別であり、指導の際の優先順位(戦術の浸透度やコンディションの維持など)も異なる点が挙げられます。加えて、日本代表のこれまでの歴史や日本人の性格、文化(食生活など)、性質(身体的、精神的)なども考慮することが最適なスケジューリングには必要であると仰っていました。ですので、今回のなでしこJAPANのスケジューリングが正解(または不正解)だったかは、なんとも言えないという結果になりました。

その中でも教授と話し合って、PTを用いたときのスケジュールを作成してみました。このときに重視したことは、コンディションの調整とトレーニングの質ということでした。つまり、短時間のトレーニング中は強度100パーセントを保ち、質の高いトレーニングを維持するということです。疲労度が回復量を上回らないように注意することも忘れてはいけないということでした。そのため私たちが作成したスケジュールでは、従来の日程に比べて練習時間は短縮することになります。

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こちらは、なでしこJAPANの合宿初日から初戦を迎えるまでの日程です。御覧のとおり、合宿が始まって以来、移動日とオランダ戦前日の午前中を除き、常にトレーニングしています。リカバリーも日本からポルトガルへの移動日に行われた午後のみとなっています。トレーニングでは、個々の技術練習やポゼッション、パスワークのトレーニングなどを多く取り入れていました。スケジューリングやトレーニングの内容からも推測できるように、高倉監督は日本の良さであるテクニカルでポゼッションをしながらゲームを進めていくサッカーの実現を狙っていたように感じました。

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なでしこJAPANの練習風景

次に私たちの作成したスケジュールです。

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今回、初戦の時間帯に合わせて、午後の時間帯に軸を置きました。

基本的に代表チームの活動時間は限られています。国内合宿の時点で集中的にトレーニングしチームのベースが仕上っていることを前提に考えました。コンディションを整えることと、量より質を重視したトレーニングの実践を軸にトレーニングを構築していきます。

まず初めに、23日からの移動と24日の到着後のリカバリーで疲れを取ることに専念します。25日は時差ボケ改善の意味も込めて、午前中からリカバリーの要素の強いトレーニングを入れましたが、選手の疲労度なども観察してオフにも変更するべきだと考えています。午後の練習では、日本の特徴であるポゼッショントレーニングと崩し(シュート練習)を計画しました。

26日の午前中は、午後の紅白戦に悪影響が出ないよう、チームでのトレーニングは行いません。午後の紅白戦では、セットプレーを多めに取り入れ、戦術確認に加えてセットプレーの確認もしておくべきだと考えました。理由としては、日本のサッカー現場では、試合前日のリカバリーに充てるべき日(試合前日)にシュートやクロス、セットプレーのトレーニングを入れてしまう傾向が強いからです。リカバリーするためには、これらの筋肉に負荷のかかるトレーニングは適していませんので、前々日までには終わらせておく必要があります。そして、紅白戦を行う際もセット数や時間配分、コートの大きさを工夫して、負荷の調整をすることは必須だと考えています。

そして、27日は頭と体をリフレッシュさせるためリカバリーに徹します。今回はこのような日程で試合に臨むことでベストパフォーマンスを引き出せるのではないかと考えました。

何度も言うようですが、練習で求めるフィジカル強度も1日のトレーニングの回数も時間にも正解はないということです。あくまでも、監督が試合に臨むにあたって優先すべきことを設定し、それが果たせれば良いのではないかと考えています。コンディション面が最適でなくとも、練習量を重視して戦術理解度の浸透を求めることでチームの良さが引き出せるなら、それがそのチームにとって最適なスケジューリングになるということです。今回はPT理論の下、トレーニングを考えましたので、あくまでもコンディションを最優先したスケジューリングです。コンディションよりも戦術の浸透度などを最優先する指導者だとスケジューリングは大きく変わってくると思います。

引き続き、大学での授業とグラウンドでの学びを通して、PTをより深く理解していてきたいと思います。

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大学の授業の一コマ

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