みなさま、明けましておめでとうございます。今年のコラムでは、より多岐にわたってポルトガルのサッカーに関するコラムを発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今年最初のコラムでは、ポルト大学で学ぶ学生指導者たちの様子を取り上げます。日本にもポルトガル同様、大学生のうちから指導者ライセンスの取得を目指す若者が増えてきていると感じています。ただ、両者の間で一つ異なるのが、指導を学ぶ意識の違いです。日本の大学では、サッカー部員が半ば強制的に、指導者ライセンスを受講させられている現状があります。一方、ポルトガルでは、強制されることはなく、指導を学びたい学生が自主的に来るため、非常に意識の高い学生が揃っております。
ポルト大学で学ぶメリットとして戦術的ピリオダイゼーション(以下PT)の原型、そして日々アップデートされる最新のPTを世界で唯一学ぶことが可能だということが挙げられます。PTに独自のアイデアを加えてトレーニングしている指導者の中には、モウリーニョ監督やビラスボアス監督のような世界的な名将も含まれています。私はなぜポルト大学から優秀な指導者が生まれるのか疑問に感じていましたが、実際に学ぶことで理由が見えてきました。それは、知識の供給量と実践量のバランスが良いことだと感じております。
ポルト大学では、指導者を目指す学生に座学だけを通じて理論を伝えることはしません。例として、ポルト大学では事前に自分が理想としているサッカーのプレーモデルを決め、それを実現させるための必要なトレーニングを考えてくる課題が与えられます(もちろん教授は快く相談に乗ってくれます)。それを元に定期的に学生はポルトガル代表のアンダーカテゴリーでも指導していた教授の前でトレーニングを実践し、アドバイスをもらうことができます。それだけに限らず、放課後は自分のチームを持って指導にあたる学生も少なくありません。
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