高円宮杯U-18サッカーリーグ2015
プリンスリーグ関西参入戦
野洲高校-奈良育英高校

2015年10月13日

森田将義(フリーライター)取材・文・写真

15年10月11日(日)12:05キックオフ/大阪府・J-GREEN堺/試合時間90分
野洲
4 1-0
3-0
0
奈良育英
林雄飛
(前半18分)
徳田竣希
(後半17分、30分)
村上魁
(後半26分)
得点者  

序盤こそ堅さが見られた野洲だったが、時間経過とともに緊張がほぐれ、持ち味である攻撃スタイルを発揮。テンポの良いパス回しとドリブルを交えた攻撃で相手を翻弄すると、前半18分にMF林雄飛が左足シュートを決めて均衡を崩した。奈良育英が反撃に出た後半は、前がかりになったスキを突き、ゴール前に進出。後半17分に途中出場のMF徳田竣希が奪ったゴールを皮切りに3得点を奪って、勝利をつかむとともに、来季からのプリンスリーグ関西昇格を決めた。

ピックアッププレーヤー

野洲高MF林雄飛(3年)
最終学年を迎え、高まったチームへの想い
心身共に見せた成長で、大量得点を呼び込む

まさに彼のワンマンショーといえる試合だった。立ち上がりに相手の状況を観察し、両サイドが空いていると判断すると、試合開始に位置した3トップの真ん中にとどまるのではなく、両ウイングと頻繁にポジションを入れ替えたことで、相手は混乱。パスを受けてからは、相手と駆け引きしながら、緩急つけたドリブルで次々と襲い掛かるDFをきりきり舞いにした。18分に奪った先制点も、右サイドから中に切れ込んで放った一撃だった。

この日はアタッキングサードで違いを見せたが、6月のインターハイ予選までは中盤の下がり目に位置し、パスを散らして攻撃を作るタイプの選手だった。試合を重ねる中で、「自分が前に行ったほうがチャンスを作れる機会が多かった」ことで、自ら徐々にゴールに直結するプレーを増やしていったという。

「3年生になって徐々にやけど、自覚が芽生えてきたし、他の人の分まで戦おうという気持ちも出てきた」と口にしたように、変化はプレーだけにとどまらない。「周りから見ても、団結力がないチームだったと思うけど、これじゃいけないと思って、夏以降は意識を変えた。野洲のイメージじゃないけど、チームとしてやるからには声が必要と思った」と心境の変化となったきっかけを振り返る。寡黙だった男は練習でも誰よりも声を出し、鼓舞するようになった。同時に、彼の左手にキャプテンマークが巻かれるようになったのも自然な流れなのかもしれない。

6月のインターハイ予選では準決勝で守山高に敗戦。悔しさの余り、涙を流してスタジアムから動けなくなりながらも、マネージャーにLINEで「ごめん」というメッセージを送ったように、今は誰よりもチームへの想いは強い。「自分のためというよりも、保護者とマネージャー、監督、コーチのためにプレーしている」からこそ生まれたプレーと心の変化。彼の存在がある限り、もうすぐ始まる選手権予選でも、涙を飲んだ過去2年と変化が生まれても不思議ではない。

野洲高MF林雄飛(3年)
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