平成27年度 全国高等学校総合体育大会(サッカー競技)
男子 決勝
東福岡高校-市立船橋高校

2015年08月10日

松尾祐希(フリーライター)取材・文・写真

15年8月9日(日)15:00キックオフ
兵庫県・ノエビアスタジアム神戸/試合時間70分+延長20分+PK戦
東福岡
1 1-0
0-1
延長
0-0
0-0
PK
6-5
1
市立船橋
三宅海斗
(前半20分)
得点者 工藤友暉
(後半35分+3分)

序盤から東福岡高はMF三宅海斗のドリブル突破を起点に、市立船橋高守備網に進入。前半20分にはその三宅が左足でネットを豪快に揺らしリードを奪った。しかし、アディショナルタイムに市立船橋高MF工藤友暉に直接FKを沈められ、痛恨の同点弾を浴びる。

試合は延長戦でも決着せず、勝敗の行方はPK戦に委ねられた。先行の東福岡高がすべてのキックを沈めたのに対し、後攻の市立船橋高が6本目のMF原輝綺が失敗。この結果、東福岡高が2年連続で夏の王者に輝き、通算3度目の優勝を果たした。

ピックアッププレーヤー

東福岡高校GK脇野敦至(3年)
気持ちを前面に出し
チームを優勝に導いた守護神

連覇を達成した東福岡において、今大会のMVPを選ぶとしたらU-17日本代表GK脇野敦至の他にいないだろう。自らの武器である50メートル6.3秒という俊足を生かす場面こそ少なかったが、最後尾にどっしりと構える立ち振る舞いはまさに守護神。この試合を含め大会中に見せたパフォーマンスは、他の追随を許さないモノだった。「最後なのに少し集中力が切れて、ポジションもずれてしまった」(脇野)というアディショナルタイムに喫した同点弾のあとも、気持ちを入れ直して自らのプレーに集中。PK戦ではシュートストップを見せる場面こそなかったが、ほぼコースを読みきる奮闘ぶりであった。

昨年も夏の総体制覇に貢献していた守護神だが、当時はまだ2年生で経験した大舞台。レギュラーの多くが3年生ということで、先輩に連れて行ってもらった感は否めない。叱咤激励をする機会は滅多になく、GKとしては大人しい印象すらあった。しかし、今大会では気持ちを前面に押しだす守護神に変ぼう。PK戦で味方のキックで出番を待つ際には、地元の友だちから総体出発前に贈られた『仲間を信じて、自分を信じてプレーをしていれば絶対に勝てるから』という言葉をつぶやき続け、自らを鼓舞。試合中は下級生を中心に構成されている守備陣を自らの声でけん引してみせた。「チームが良くないときは大きな声で鼓舞してくれる」と2年生のMF鍬先祐弥が話すように、脇野の声が最終ラインにもたらした影響は計り知れない。

「本当に悪い試合もあった。でも、それを勝ちきれたことは成長したのかなと思う。今日の試合も最後に追いつかれながらも、流れを持っていかれずにいったのは大きかった」と脇野は今大会を振り返ったように、負けていてもおかしくない試合も中にはあった。それでも、東福岡が2連覇を達成できたのは、背番号1の存在があったからこそ。今大会で手にしたモノは、今後の脇野を支える新たな武器になるはずだ。

東福岡高校GK脇野敦至
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