第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 矢板中央-立正大淞南

2019年01月03日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
高橋学 写真

19年1月3日(木)12:05キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/観客6,967人/試合時間80分
矢板中央
1

1-0
0-0

0
立正大淞南
白井陽貴(前半2分)
得点者

前半2分、矢板中央がFKの流れから②白井陽貴が決めて、早々に先制点を得る。早い時間帯の先制点により、堅守速攻がスタイルの矢板中央は守備を固める。それに対して立正大淞南は持ち前の縦に早いサッカーで対抗するが、矢板中央の分厚いディフェンスを破ることができない。立正大淞南は右サイドバックの⑯加古佑作を投入して右サイドから活路を見出すが、矢板中央の堅いディフェンスは78分跳ね返し続け、準々決勝へ駒を進めた。

鉄壁の守備で2試合連続のクリーンシート
矢板中央が1点を守りきり準々決勝進出

県予選からここまで失点ゼロを続けている矢板中央の堅守は伊達ではなかった。「相手のディフェンス力は相当高かった」と、圧倒的な攻撃力で勝ち上がってきた立正大淞南の南健司監督も開口一番そう漏らした。その堅守をより際立たせたのは開始早々の先制点だ。

前半2分、左サイドからのFKのボールが流れ、それを拾った⑭望月謙は後方に走り込んだ⑮五十嵐磨於へバックパス。⑮五十嵐はそれをダイレクトでシュートを打つがゴールからやや外れていた。しかし、そのボールを中央にいた④白井陽貴が右足のヒールでコースを変えてゴールイン。矢板中央があっさりと先制点を奪った。

ただ、この早すぎる先制点がアグレッシブに仕掛ける立正大淞南にとっては“行くしかない”という吹っ切れる状況を作り、その後の長い劣勢の時間帯を作るきっかけとなった。また「あれがオウンゴールや自分たちのミスからの失点であれば、さらに追加点を奪われている可能性があった。ああいったスーパーゴールはあまりダメージを受けない」(立正大淞南・南監督)と、奪われたゴールが“仕方ない”と思える形であったことが立正大淞南イレブンの気持ちをすぐに切り替えさせ、攻撃へと意識をシフトさせた。

立正大淞南はスピードのあるトップの⑲鶴野怜樹や右サイドの⑬大西駿太を中心に矢板中央のゴールを目指した。とくに後半からは右サイドバックを②吉田海人から⑯加古佑作に代え、⑬大西と⑯加古による右サイドの攻撃に活路を見出した。しかし、そこから上がってくるクロスに対しても「彼がすべてのチームの核」と高橋監督が全幅の信頼を寄せる④白井を中心に鉄壁の守備陣は跳ね返し続けた。

「押し込んでいる形にはなっているけど、決定打に至らなかった。振り切るだけの攻撃力があると思ったが、相手のディフェンス力のほうが上だった
(立正大淞南・南監督)。矢板中央のゴールは近いようで遠く、幾度もゴール手前までは侵入するが決定機はほぼなかった。「プレミア参入戦(※)のときもあんな感じでした」と、南監督は肩を落とす。

長い劣勢の時間帯も相手のロングボールの出所にプレッシャーをかけ、蹴られても粘り強く跳ね返し、とにかくセカンドボールの回収に集中した。「後半はいつ取られてもおかしくない危険な場面もあった。そこをゼロで帰ってきてくれて彼らは成長してくれたと思う。よく耐えたと褒めてあげたい」(矢板中央・高橋健二監督)。強固な守備にさらなる自信を得た矢板中央。次は埼玉スタジアムへの切符をかけた準々決勝で、強豪・青森山田に磨き上げた矢板中央伝統の堅守速攻をぶつける。

※2018年12月14日のプレミアリーグ参入戦では矢板中央が1-0で立正大淞南を下す

監督・選手コメント
矢板中央・高橋健二監督
昨日、今日と失点ゼロで抑えられたのは自分たちのサッカースタイルが出たかなと思う。先制点はちょっと正直早過ぎて、そのあとずっと劣勢な時間帯があった。でもそこでゼロで折り返してくれたところは彼らが成長してくれたところで、矢板中央の目指している堅守速攻を出してくれた。去年の3回戦の神村学園戦も今日みたいなゲームで苦戦して、それで埼スタまでたどり着いたので全く同じ状況になっていると思う。苦戦しながら勝ち上がるのが矢板中央のサッカーかなと。今のところ県予選からここまで失点ゼロで来ているので、次どちらが勝ち上がってきても挑戦したいなと思う。

矢板中央・④白井陽貴
今日も矢板中央らしい守備が発揮できた。ロースコアになると全員知っていたので、自分たちの守備からいい攻撃につなげて1点を守りきれたというのは、自分たちのサッカーができたと思う。プレミア参入戦で対戦していて、相手は自分たちのことをよく分析しているし、自分たちも相手の特徴を知っていた。ただ、それ以上に気持ちが入っていて、走り負けた部分もあった。そこで自分たちのペースに持って行けなかったのが反省点。でも守備を固く、競り勝てたのは成長だと思う。自分はDFだけどセットプレーでは身長が高いので決めなくちゃいけないと思う。でも決めたのは足でしたけど。点も取れて守れたのでチームに貢献できてよかった。

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