第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

プーマフットボール公式Instagramアカウント

PUMA FOOTBALL

第97回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 帝京長岡-長崎総科大附

2019年01月04日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
佐藤博之 写真

19年1月3日(木)14:10キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客6,010人/試合時間80分
帝京長岡
2

1-1
1-0

1
長崎総科大附
谷内田哲平(前半39分)
田中克幸(後半38分)
得点者 鈴木冬一(前半20分)

前半20分に長崎総科大附は自陣からDF④大切達矢がロングキック。これに反応したFW⑱鈴木冬一が飛び出した。この瞬間、帝京長岡のDFが足を滑らせ転倒してしまい、⑱鈴木はハーフウェーライン付近から独走。GKとの1対1を冷静に制し、先制点を挙げた。しかし、前半39分に痛恨のPK献上。これを⑭谷内田哲平に決められ、前半で1−1の振り出しに。後半は一進一退の攻防が続いたが、後半38分に帝京長岡MF⑧田中克幸が劇的な決勝弾をたたき込み、帝京長岡が準々決勝進出を果たした。

苦手なスタイルに屈しない。
帝京長岡が見せた経験値

「ウチはこういうチームにめっぽう弱かった。そこをなんとか変えたいなと思っていた

試合後、古沢徹監督が語ったように、技術ある選手をそろえ、ショートパスとドリブルを駆使して相手を切り崩していくスタイルの帝京長岡にとって、堅守からのパワーとスピードで押し切って来る長崎総科大附のようなスタイルのチームは苦手としていた。

県予選でも準決勝で堅守とスピードカウンターを得意とする日本文理に大苦戦をし、2点のリードを守りきれずに一度は同点に追いつかれたが、終盤にMF⑧田中克幸のゴールでなんとか勝利をすることができた。大会6日前に流通経済大柏との練習試合を行ったが、そこでも関川郁万(J1鹿島内定)を擁する堅守と、前への爆発的なパワーを持った攻撃の前に1−2の敗戦を喫した。

「流通経済大柏戦は相手のプレッシャーに屈して、こっちも蹴ってしまって、リズムを掴めなかった」(古沢監督)

だが、こうした経験がチームを強くした。「流通経済大柏とやって、絶対にひるんだらこうなるということがはっきりと分かった。ビビっても何も始まらない」とエースストライカーの⑪晴山岬が語ったように、この試合で徹底したマンツーマンの守備と、強烈なロングキック、そしてFW⑱鈴木冬一をはじめとしたスピードアタッカーが飛び出して来る強烈なカウンターにも、慌てることなく対処する選手達の姿があった。

「ワンタッチと3人目のセットで崩して行く。ボランチを使ってワンタッチとか、角度をずらして出すことを意識しました。ロングボールを蹴られても、マイボールにしたら余裕を持って繋いで、一つ先を見ながらやるようにいいました」(古沢監督)

この言葉通り、梨本夢斗と⑤丸山喬大のダブルボランチがセカンドボールを拾って、落ち着かせてから⑭谷内田哲平、⑧田中の両サイドハーフ、⑪晴山と⑩小池晴輝の2トップにボールを配給して、得意のショートパスとドリブルを融合した多彩な攻撃で押し込んだ。

前半20分にカウンターから⑪鈴木に先制弾を浴びるが、それでも一切慌てることなく、同39分に⑭谷内田がPKを決めて同点に追いつくと、後半は得意のテンポのいい攻撃を展開しながら、相手のカウンターにもGK⑰猪越優惟を軸に跳ね返し続けた。そして同38分に猛攻を仕掛け、⑧田中が左足で決勝弾をたたき込み、勝負有り。選手権という大舞台で見事に苦手をはね除けた帝京長岡が、準々決勝に駒を進めた。

監督・選手コメント
帝京長岡・古沢徹監督
今日の試合は失点するかなとは思っていたけど、前半のうちに追いつけたことがすごく大きかった。誰もPKを蹴りに行かなかったですよね。みんなこっち(ベンチ)を見て、「誰が蹴るの?」となっていたので、「⑭谷内田、行って来い!」といいました。一番図太そうな奴にしました。次の尚志戦でもどんどんチャレンジをしていきたい。見てもらっている新潟の小学生、中学生の選手達に夢を与えられる勝ち方をしたい。勝てば新潟県勢初のベスト4ですが、どの試合にも大きい小さいもないので、次の試合に選手とスタッフ全員で全身全霊で臨みたい。

帝京長岡・⑧田中克幸
自分の目の前にパスが来たので、ファーストタッチから左足に持ち替えて、後は振り抜くだけだった。いいところに決まってよかった。セカンドボールが今日の試合のキーになると思って意識をしていた。何回か拾えない部分もあったけど、最後はうまく拾えてよかった。試合が動かないので、PKかなと思っていた。小学校のときから決勝とか、重要な場面で決めている。僕はあまり焦ったりしないで、落ち着いた気持ちでやることが一番いいので、落ち着いた気持ちでやれた。

長崎総科大附・小嶺忠敏監督
⑱鈴木冬一は素晴らしい姿勢で1年間やってくれた。選手としての鏡だと思う。彼の存在は下級生にもいい影響を与えてくれたと思う。素晴らしい選手でした。

長崎総科大附・⑱鈴木冬一
やっぱり一番の目標である日本一には届かなかったのですが、全国という舞台が楽しくて、今後のサッカー人生においてもこんな経験をできることが少ないと思いますし、本当に僕にとってプラスな大会だと思ったので、今後のプロキャリアに活かしていかないといけない経験だったと思います。やっぱり今年途中から入らせてもらって、ゲームキャプテンまでやらせてもらった中で、自分がプレーで引っ張って行かないといけないですし、終わってからもやっぱり僕はゲームキャプテンなので、最後までしっかりとした態度でやり抜きたいという想いがあったので、試合後は堂々としていました。

img
img
img
img
img
img
img
img
(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
ページトップへ