第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 日本航空-丸岡

2019年01月03日

森田将義(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

19年1月3日(木)14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客3,453人/試合時間80分
日本航空
3

2-2
1-0

2
丸岡
坂本順平(前半32分)
オウンゴール(前半39分)
小田翔大(後半6分)
得点者 山下深志(前半12分)
宮永任(前半28分)

日本航空が序盤から⑧齊藤泰征のロングスローなどサイドからの仕掛けで押し込んだが、前半12分には丸岡がセットプレーからチャンスを演出。左クロスのこぼれ球を⑥山下深志が押し込み均衡を崩すと、28分にも右サイドで奪ったFKを⑩宮永任が頭で合わせ、リードを広げた。連続失点で目が覚めた日本航空は31分と39分にセットプレーからゴールネットを揺らし、同点で試合を折り返した。後半は追い風を武器に日本航空が押し込み、後半6分には左CKの混戦から④小田翔大が3点目をマーク。以降は、粘り強い守りと積極的な交代策によって、日本航空が逃げ切った。

初出場となった6年前からの変化が奏功
前進し続ける日本航空は本気で頂点を狙う

 技巧派のMF山口和樹(現J1湘南)らを中心に華麗なポゼッションサッカーを展開した6年前の初出場時とは、サッカーがガラリと違う。仲田和正監督が「近年は来る選手の質が変わっているので、選手に応じたいいサッカーをしようと考えた。正直うまくはないけど推進力がある選手が多い。それなら、前に進んでいくサッカーのほうが向いているのかなと思った」と明かすように、2度目の選手権に挑む今回はアグレッシブに前進を続けるスタイルが特徴だ。指揮官は「うちは攻撃に人数をかけられて、ダメだったら戻る。全員で数的優位を作るサッカーしかしていません」と続ける。

ただ、新チームが発足した当初から、今のスタイルだったわけではない。元々は、リトリートした守備からのカウンターが持ち味だったが、夏以降は積極的にプレスをかけ、ボールハントからショートカウンターを狙うチームに変貌した。メンタル面での改革にも着手し、「勢いと声を出すチームになろう」と声を掛け合った。理想とするスタイルに近づくため、夏休み期間中には、20キロの走力トレーニングを5日間実施。あまりの辛さに音を上げそうになる選手もいたが、「皆で声を掛け、歯を食いしばることができたから、何とか乗り越えられた」(⑥塚越誠也)。こうした取り組みの甲斐あって、今ではチームの雰囲気はいい。この日も、試合を終えてロッカールームに向かう際に、試合に出ていない選手と喜びを分かち合う姿が印象的だった。

 夏には県のライバル校・山梨学院高がインターハイで優勝したこともチームの刺激になっている。悔しさと共に「自分たちも日本一を狙えるかもしれないと自信になった」(⑥塚越)選手たちは、一戦一戦、目の前の試合をものにし、頂点まで駆け上がるつもりで選手権に挑んでいる。

この日の勝利で2年前のインターハイで記録したチーム最高成績の16強を突破したが、指揮官にも選手にも満足した様子は見られない。仲田監督が「大会に参加する以上は、優勝するチャンスはある。インターハイで流経柏と対戦したときもベスト16に進んで満足している選手がいたから、その先に行けなかった。ここから、どれだけ欲を持って、”応援してくれる人のために”と本気で頑張れるかが勝負を大きく分ける」と口にしたように全員が本気になって、更なる上を狙いに行く。

監督・選手コメント
日本航空・仲田和正監督
試合の入りはよかったです。0-2は想定外でしたが、前半の内に1点返せれば何とか追いつき、逆転できるんじゃないかとベンチから見ていました。ハーフタイムでは「後半は風下になるので、相手にペナルティーエリア内に入られる機会が増えると思うけど、粘り強い守りからチャンスを待とう
と指示しました。

日本航空・⑥塚越誠也
立ち上がりから自分たちのペースで試合を進めながらもセットプレーで2失点したのですが、まったく焦りませんでした。自分たちのストロングポイントである勢いや、声で圧倒すれば勝てると信じています。個人としては今日が初戦なので、みんなよりも頑張ろうと意識していました。日本航空はこれまで全国大会でベスト8に入ったことがなかったので、歴史を塗り替えることができ、自信がつきました。今大会の目標は一戦必勝。まずはしっかり休んで、次の試合に備えたいです。

丸岡・小阪康弘監督
大会前の調整試合で失点していのは、ほとんどセットプレーで、今日はうちの弱い所を突かれたように感じました。立て続けに2点を取れたり、最初が出来過ぎだったのも試合の進め方として難しくなりました。できれば、2-1で前半を終えたかったです。逆転されてからもチャンスが作れたり、決して内容が悪かったわけではありません。だから、試合が終わってからもやられた感覚ではなく、「え?終わっちゃったの?」という気持ちのほうが強かったです。

丸岡・⑩宮永任
負けたのは、自分たちのどこかに隙があったから。失点場面は全てセットプレーからで、全国との差は空中戦だと感じました。県内での試合よりも空中戦が重要になってくるので、前半の戦いを改善できれば違った結果になったと思います。そのためには日々の積み重ねが大事だと思うので、今日の経験は後輩たちにしっかり伝えます。仲間がいたからこそ高校でサッカーが楽しめたと思うので、仲間に感謝し、3年間での経験を次のステージに繋げたいです。

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