第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 日本航空-四学香川西

2019年01月03日

川嶋正隆(フリーライター)取材・文
藤井隆弘 写真

19年1月2日(水)12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客3,591人/試合時間80分+PK戦
日本航空
1 0-0
1-1
PK
6-5
1
四学香川西
江井晋之助(後半24分)
得点者 宮本大輝(後半31分)

お互いに早いタイミングで前線にボールを入れる縦に速い展開の中、チャンスを繰り出すがゴールを奪えずに前半を終える。迎えた後半24分、ボックス右の⑨江井晋之助が、キックフェイントで中央に持ち込み左足でシュート。これがニアポストをたたいてゴールネットを揺らす。すると今度は四学香川西が反撃に転じ、31分に左サイドの⑧吉田源太郎が入れたクロスをファーサイドから走り込んだ⑨宮本大輝が頭で押し込んだ。試合は1−1のまま終了しPK戦に突入すると、両チームとも5人全員が成功。6人目、先行の四学香川西が失敗したのに対して、日本航空は成功させて勝負あり。日本航空が3回戦進出を決めた。

出場停止の主将をピッチに立たせるため
チーム一丸で初戦を突破!

6年ぶりに選手権の舞台に戻って来た日本航空が苦しみながらも“初戦を突破”した。チームメートの歓喜の輪を見つめ、⑥塚越誠也も安堵したことだろう。

ピッチでは攻守にハードワークし、チームスタイルであるプレッシングサッカーに欠かせない存在。ピッチ外では、精神的支柱として部員160人を束ねてきた。そんな⑥塚越は県リーグ1部の最終節で退場となり、選手権の初戦は出場停止に。

⑥塚越のキャプテンマークを巻いてピッチに立った⑦中島偉吹は「塚越がここまで作って来たチームで、僕らも彼に頼りきっていた部分があった」と、その不在の大きさを口にする。

しかし試合前からチームの団結力はいつもよりも増していた。仲田和正監督は「塚越には絶対に出番が来るからと約束していました。みんなもそういう約束をしていましたから」と、試合前の一幕を明かした。⑦中島も⑥塚越から「頼むから勝ってくれ」と伝えられたことで、「身が引き締まる思いになりましたし、絶対に勝とうと。みんなも、彼を全国に出そうと思っていました」とチームの結束の高まりを感じた。

それでも⑥塚越不在の影響は大きく、チームの心臓を失った日本航空は持ち味であるプレッシングサッカーが鳴りを潜める。そんなチームにいても立ってもいられなくなったベンチ外の⑥塚越は、ハーフタイムのロッカールームで選手たちを激励。仲田監督は⑥塚越の行動を「この1年は彼が引っ張ってきた。それだけに熱い気持ちがあった」と思いやる。チームもその思いに誘発されてか後半24分に途中出場の⑨江井晋之助が先制点を奪った。

同31分に同点ゴールを奪われて逃げ切りに失敗するも、PK戦では「自分が引っ張るんだという思いを持ってプレー」していた⑦中島がチームの1番手を務めてきっちりと決めきるとそのまま5人が成功。サドンデスに突入し、四学香川西の6人目が失敗するも日本航空は6人全員が成功させて3回戦への切符を掴んだ。

80分で決着がつかず、PK戦での勝利となったが、全員が一丸となって掴んだ初戦突破だった。そして、⑥塚越が復帰する次戦こそ80分できっちり点差をつけての勝利に期待がかかる。

監督・選手コメント
日本航空・仲田和正監督
全国大会のこの雰囲気、いつも通りにやることの難しさを痛感したゲームでした。前回と同様です。場の雰囲気に飲まれてしまっている選手が何人かいたのと、相手の戦い方も縦に速くくる戦いでした。その局面で(ボールを奪いに)行くのか、どうするのかの場面で出足が悪くなったのかなと思います。他にも前にボールが収まらなかったので前に進めなかったです。そのサポートも遅かった。前半は向かい風もあり、チャレンジに欠けていた印象です。(その中で勝てた要因は)練習の成果とPKに関しては落ち着いてセットして、自分たちのペースでしっかり蹴ることができていました。

日本航空・⑦中島偉吹
初戦ということで硬い入りになってしまいました。(ハーフタイム)に喝を入れられて、後半からは自分たちのサッカーをしようと。前からのプレッシャー、前進するサッカーで、後半は優位に進めて先制できました。点を取った後に締めきれない部分は、今後の課題だと思います。

四学香川西・大浦恭敬監督
日本航空の土俵でサッカーをやっていました。相手は、どちらかというと長いボールが多いチーム。トーナメントだからそうなるのか、なかなか繋ぐことができませんでした。ハーフタイムは向かい風になるから、前半以上にガンガンいけと。あとは、局面で縦を切られていたので、チャレンジとカバーをしっかりといいました。1年生にはいい経験になったと思います。ただ、2年生は少なくて来年のチーム作りがどうなるかなと。

四学香川西・⑧吉田源太郎
相手が前からくるチームなので、相手の背後を狙うことを意識していました。相手は3バックで、こちらのサイドハーフは空くので、サイドハーフは開いてボールをもらおうと。前半はできていましたが、後半は蹴り合いになってしまい、セカンドボールを拾うことでいっぱいいっぱいでした。(次のチームに何を伝えるか)僕たちは2回戦までだったので、彼らにはそれを越えてもらいたいと思います。

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