第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 前橋育英-宇和島東

2019年01月03日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
佐藤博之 写真

19年1月2日(土)14:10キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客8,230人/試合時間80分
前橋育英
2 1-0
1-0
0
宇和島東
室井彗佑(前半18分)
榎本樹(後半33分)
得点者  

前回王者の前橋育英は県予選の布陣とスタメンを多く入れ替えて臨んだ。立ち上がりは宇和島東がビッグチャンスを掴むが、ゴールに結びつかず、逆に前橋育英は前半18分にセットプレーから好調のFW⑪室井彗佑が先制弾をたたき出す。その後、試合はこう着状態が続き、両チームに点が入らない展開が続いたが、後半33分にMF⑬森隼平の突破からのクロスを、エースストライカー⑨榎本樹が着実に決めて、勝負有り。前橋育英が2−0で宇和島東を下して、3回戦進出を決めた。

勝てたことが一番のポジティブ要素
前回王者が苦みながらも初戦突破

はっきりいって、苦戦だった。前回王者・前橋育英は初戦の宇和島東に2−0と勝利し、3回戦に駒を進めた。

スコアだけ見ると完勝のように見えるが、中身は宇和島東の鋭いショートカウンターの前に大いに苦しんだ。

立ち上がりから前橋育英に堅さがあった。開始早々にGKへのバックパスミスを相手に突かれ、ループシュートを放たれた。これは事なきを得たが、その後も⑩豊田湧と⑪清家悠平の2トップと、左サイドアタッカーの⑭武田伶郎の宇和島東の攻撃のトライアングルが前橋育英の守備のズレを狙い続けた。

「正直、全体が堅かった。立ち上がりは特に。宇和島東が引いて来るかと思ったら、前に出て繋がせない形の守備をして来たので、そこで結構みんなびっくりして慌ててしまった。セカンドを拾えてもそこから攻撃のスイッチが入らなかったので、宇和島東のサッカーは嫌でした」

松本山雅入団内定のFW⑨榎本樹が語ったように、初戦の堅さと宇和島東の勢いの良さに押される形で、後手に回ってしまった。

だが、それでも先制点は奪ってみせた。前半18分、右CKを得ると、MF(25)本多海斗が蹴ったボールをFW⑪室井彗佑が収め、倒れながらも右足でシュートを突き刺した。

これでエンジンがかかるかと思われたが、それ以降も宇和島東の出足の鋭さに苦しみ、前半34分には⑩豊田にカットインから強烈ミドルを浴びるが、GK⑫山口瞬がファインセーブで、同点ゴールを許さなかった。

後半もなかなかリズムが掴めない前橋育英は、後半6分にMF⑤岡本悠作に代えてアルビレックス新潟入団内定のMF⑭秋山裕紀を、同18分に(25)水多に代えてMF⑬森隼平を投入し、攻撃陣にテコ入れを図った。すると同33分に⑬森のドリブル突破からのクロスを、⑨榎本が押し込んで、ようやく追加点を挙げることができた。

2−0にしてからは、CB(28)府川宙史に代えてCB③吉田和暉、DF⑧近藤友喜に代えてDF②若月輝を入れるなど、守備陣もテコ入れし、まさに総力戦で勝利を手にしたのだった。

「初戦なのでやはり硬くて、本来の力を出すのが難しかったように思います。でも、次また試合ができるということで修正できる点もあるし、対応していきたいです。次も厳しいと思いますがやれることはやっていきたいです」

試合後、前橋育英の山田耕介監督がこう語ったように、出来の悪い試合だったことは全員が理解していることだった。だからこそ、勝てたことをポジティブに捉え、前回王者はもう一度仕切り直しをして、本来の姿で次なる尚志戦に臨む。

監督・選手コメント
前橋育英・山田耕介監督
宇和島東さんもよかったので厳しかったですね。1戦1戦大切にやっていかないといけないなと思っています。初戦なのでやはり硬くて、本来の力を出すのが難しかったように思います。試合に出られない選手も大勢いますが、次に試合ができるということで修正できる点もあるし、対応していきたいです。榎本と鏑木は今までよりももっとよかったです。右サイドからの攻撃もよかった。次も厳しいと思いますが、やれることはやっていきたいです。

前橋育英・⑪室井彗佑
最初シュートが入ったのか分からなかったけど、歓声で入ったと思って喜びました。でも他にも決めるべき所があったので、そこは反省しています。シュートは今年ずっと意識をしていて、どんな体勢でも打つことを心がけています。去年も一昨年も全然うまく行かなくて、今年は調子がいいです。それはシュートの意識の向上だと思っています。

前橋育英・⑨榎本樹
失点しなかったことはよかったです。全体が堅かったと思います。立ち上がりは特に。なので明日に向けて切り替えてやりたいです。宇和島東が引いて来るかと思ったら、繋がせない形の守備をして来たので、そこで結構みんなびっくりして慌ててしまいました。セカンドを拾えても、そこから攻撃のスイッチが入らなかったので、宇和島東のサッカーは嫌でした。とりあえず無失点で勝てたので、プラスに捉えたいです。僕はヒガシではなく、尚志が来ると思っていました。マリノスに勝っているし、練習試合でも厄介な相手でした。脅威ではありますが、怖くはないのでしっかりとやりたいです。

宇和島東・赤松弘教監督
子供たちと話した結果、リトリートして守る戦略もあるけど、自分たちが3年間一生懸命やって来た形をぶつけて勝ちたいという想いを感じたので、思い切り挑みました。立ち上がりがすごくよかった中で、そこで1点入っていたら試合の内容もだいぶ変わっていたと思います。あそこをきっちり仕事をさせてもらえない所が全国の壁というか、最後の質がまだまだ足りないと感じました。インターハイのときも立ち上がりがよくて、そこから失点をして、前半のウチに追加点を奪われてズルズル行ってしまいました。でもこの試合は、失点はしましたが、0−1で折り返して、後半はフィニッシュまで行けなかったけど、いい形を作ることができました。今までやって来たことは出せたと思います。

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