第97回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第97回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 東福岡-浦和南

2018年12月31日

竹中玲央奈 取材・文
佐藤博之 写真

18年12月31日(月)12:05キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/観客11,990人/試合時間80分
東福岡
4 3-0
1-0
0
浦和南
大森真吾(前半16分)
大森真吾(前半21分)
野寄和哉(前半22分)
荒木遼太郎(後半7分)
得点者  

17年ぶりの出場となる浦和南と優勝候補の一角である東福岡との一戦は、力の差が内容と結果に表れるものとなった。立ち上がりこそ勢いをもって浦和南が前線から圧力を掛けていく中、東福岡が後手に回ってリズムを作れなかったものの、前半16分に⑨大森真吾が決めたワールドクラスのシュートが決まると流れが一変。前半21分に浦和南のDFとGKがお見合いをして処理を誤ったところを⑨大森が再び押し込むと、その1分後には⑪井本寛次の絶妙なクロスに⑧野寄和哉が合わせ3点目。後半開始直後の7分にもスルーパスに抜け出した⑱荒木遼太郎がGKとの1対1を冷静に沈め勝負あり。実力差を見せつけ、危なげなく2回戦に駒を進めた。

1万人超えの観衆をどよめかせたワールドクラスのオープニングゴール
初戦2得点の“ヒガシ”のストライカーが得点王へ好スタート

17年ぶりの選手権出場となった浦和南の思いを打ち砕いたのは、東福岡のエースが沈めたスーパーゴール1発だった。

「タラレバですけど、入りが非常に良かったので、あそこで1本でも取れていれば流れは変わったかなと思いますね。でも、これがサッカーなんですね。(先制点は)諦めのつく失点だった」

野崎正治監督がこう語るとおり、浦和南は試合の入りに成功した。前から積極的にプレスを掛けて、少ない手数でゴールに攻め込む。開始直後にはポスト直撃のシュートもあった。しかし、その流れを断ち切ったのが東福岡のストライカー⑨大森真吾だ。16分、⑱荒木遼太郎が高い位置を取っていた浦和南DFラインの裏を突くロングボールを放る。相手陣右のタッチラインに流れたボールに⑨大森が反応し、追いついたと思うとダイレクトで右足を一閃。アウト回転がかかったゴールは前目のポジションを取っていたGKの頭上を超えてネットに吸い込まれた。まさに“ワールドクラス”のゴールに会場はどよめく。そしてその後、東福岡は攻撃のリズムを取り戻し前半のうちに2点を追加して、勝負を決めた。

「(ボールを)もらってゴールを見たらGKの位置が良くなかったので、思い切って打ちました。右足のキックには自信があったので、そこでしっかりGKの上を越すようなシュートを狙っていきました」

淡々と自身のスーパーゴールを振り返った⑨大森は、21分にも相手のミスを突いて2点目を記録。4点目には自ら起点となって⑱荒木のゴールを呼び込んだ。ハットトリックまではいかなかったものの、3点に絡んで凄みを見せたこのストライカーを見てしまうと、“得点王”の3文字も必然的によぎる。しかし、本人はいたって謙虚にこう言う。

「自分が自分がとなってしまったら、『パスを出しておけばチームとして決定機になった』ということもあるかもしれないし、もったいない部分もでると思う。そこはあまり意識せずに、最善の選択をしていければと思います」

技術と得点感覚だけでなく、強いフォア・ザ・チームの誠心も備えた⑨大森は、将来大化けする可能性を秘めている。

監督・選手コメント
東福岡・森重潤也監督
県予選で昌平高校をしっかり守って点を取ってきたという堅守に、自分たちがハマっていくんじゃないかという不安はありましたし、案の定前がかりの守備にどんどんハマってしまって。そこはどうかなというところはありましたけど、1点取れたことによって流れがもってこれたかなと思います。埼玉県の決勝の映像も彼らに見せて。夏とは違うし、寄せも早いし、囲まれると。自分たちの選択肢をどんどん消されるということは伝えました。

東福岡・⑨大森真吾
1点目はGKが出ていたのでそこをうまく突けたゴールで、2点目は相手のミスを突けていい形でゴールを決めることができました。ただ、もっとクロスからの入りだったり、そういう部分での得点ができなかったので、そこを改善していきたいです。もらってゴールを見たらGKの位置が良くなかったので、思い切って打ちました。右足のキックには自信があったので、そこでしっかりGKの上を越すようなシュートを狙っていきました。

浦和南・野崎正治監督
タラレバですけど、入りが非常に良かったので、あそこで1本でも取れていれば流れは変わったかなと思いますね。でも、これがサッカーなんですね。(先制点は)諦めのつく失点だった。県大会でもあのようなシュートは入れられていて、そのままいってもらえれば御の字だなと考えていたけど、2失点目がちょっとショックでしたね。あまりというか、ああいう失点はなかったので、やっぱりショックでしたね。昨年は県大会1回戦で負けて、そこから立ち上げたチームなので、ここまで来るとは正直思っていなかったですけど、私の後輩たちですから、新たな歴史を半歩でもドアは開けたかなと。

浦和南・⑰正野友稀
--失点を引きずってしまった部分がある?
そこが自分の甘さだったかなと。振り返ってみれば1失点目は諦めるしかないかなと。スーパーゴールだったので、そこで自分が後ろから鼓舞しないといけなかったと思うので、そこで(悪い)流れを作ってしまって申し訳ない気持ちですね。

--2失点目を振り返って
自分がクリアするところだったけど、相手FWにコースを切られていて、一瞬の迷いと1失点目でちょっと自信を失ってしまっていたかなという部分はあった。精神的に安定していないときのミスだったので、すごく悔しいですね。

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