第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
準決勝 流通経済大柏-矢板中央

2018年01月07日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
高橋学 写真

18年1月6日(土)12:05キックオフ/埼玉県・埼玉スタジアム2002/観客15,953人/試合時間90分
流通経済大柏
1 1-0
0-0
0
矢板中央
加藤蓮(後半19分)
得点者  

お互いが疲労もあり、動きが重かったが、局面での球際が激しく、セカンドボールの拾い合いも白熱した一戦となった。試合が動いたのは、後半19分のことだった。左サイドでボールを受けたDF②近藤立都が、中の様子をよく見てから得意の左足でピンポイントクロス。これをファーサイドに走り込んだ途中出場のMF⑨加藤蓮が、豪快に右足で合わせ、弾丸ライナーをゴール左サイドネットに突き刺した。これが決勝点となり、流通経済大柏が1−0で矢板中央を下して、10年ぶりの決勝進出を果たした。

守備陣が4試合連続ゼロ封
流通経済大柏、10年ぶりの優勝へ王手

昨日準々決勝を戦い抜いたばかりとあって、立ち上がりから両チームの出足は重かった。共に堅守を誇るチーム同士の戦いとあって、立ち上がりを見た時点で1点を争うゲームになると予想できた。

前半は共に決定打を打つことができなかった。試合はオープンな展開となり、共にロングボールが多くなる落ち着かない試合展開になった。前半は必然と言える0−0。勝負は後半となった。

後半は勝負を決めるべく、両チームは次々と交代カードを切っていった。矢板中央は後半頭からFW⑪望月謙に代えてFW⑲大塚尋斗を投入し、後半7分にFW⑨久永寿稀也に代えてFW⑱山下育海を、後半14分にDF③内田航太郎に代えてMF⑳板橋幸大を投入。これまでの試合どおりの『必勝リレー』を施す。

対する流通経済大柏も前半43分にFW㉗近藤潤に代えてFW⑭熊澤和希を、後半11分にMF⑲石川貴登に代えてMF⑨加藤蓮を投入。いつもの顔ぶれを投入し、攻撃の活性化を図った。

この必勝リレーが実ったのは流通経済大柏のほうだった。後半19分、左サイドからDF②近藤立都が山なりのクロスを送ると、ファーサイドに走り込んだ⑨加藤が走り込んでダイレクトシュート。唸りを上げてゴールに一直線に向かった弾丸ライナーがゴール左サイドネットに突き刺さった。

スーパーショットで均衡を崩した流通経済大柏は、これまで3試合連続無失点中の守備陣が矢板中央の攻撃をシャットアウト。4試合連続の完封勝利で、10年ぶりの決勝進出を果たした。

「矢板中央さんとは何度もお手合わせをしているし、事前のスカウティングでも十分にできていたので、最後まで冷静に対処できたと思う」。流通経済大柏・本田裕一郎監督はこう語ったが、試合内容に対しては「情けない。普通の試合だったら怒っています」と、低調な内容に終わったことに苦言を呈した。「もっと工夫してボールを保持しながら攻めたかったのに、ボールを奪ったら同サイドに展開してしまったり、相手を揺さぶることができなかった」。

今年のチームはMF⑩菊地泰智、MF④宮本優太を軸にパスをつなぎながらも、サイドチェンジからのワンツーなどを駆使して崩していくスタイル。特に選手権に向けてさらにその精度を上げてきただけに、疲労があるとはいえ、埼玉スタジアムの舞台で披露できなかったことは、到底満足のいかないことであった。

それは選手も同じだった。

「もっと良いサッカーを決勝で見せられるようにしたい」と⑩菊地が語れば、「疲れがある選手がいるのは確かですが。ここまで来たら、最後は良いサッカーを見せたい」と④宮本優も語る。

決勝の相手はインターハイ準決勝で対戦し、1−0で下した前橋育英。さらにプリンスリーグ関東では2連敗をしている相手であり、対戦成績は1勝2敗。4度目の対決でタイに持ち込んで、10年ぶりの優勝旗を手にすべく。流通経済大柏はラスト1試合に臨む。

監督・選手コメント
流通経済大柏
本田裕一郎監督
あまり良い試合じゃないので、普通の練習試合ではこっぴどく怒る試合。でも、4試合やって失点ゼロは大きい。それをしつこく言ってきたので、それは良かった。矢板中央は2年生が多いので、良いチームになると思う。㉗近藤潤を使ったのは、私の情が湧きました。歳のせいで、頑張っている㉗近藤潤を出したけど、それがうまく行かなかった。ただ0−0の前半は予定どおり。後半は勝負に行くのだから、奪ったボールをもっと中につけてから、外に回していく。だが、これがうまく行かなかった。たまたまウチのシュートがストンと入った。ついていた。こんなことないだろうなとびっくりしましたね。矢板中央は控えの層も厚くて、出てくる選手すべて特徴があって、足元が良い選手が多い。でもスカウティングもできていて、準備はできていたので、冷静に対応できた。必ずこの時間帯はこの選手とわかっていたので。ただやっぱり攻撃面を見ると、非常に情けない試合だった。勝ったことと失点ゼロだけが良かった。良かった順で言うと、まずは失点ゼロ。次にゴールくらいです。決勝に向けては、あくまでここに来るにあたって、サッカー部を作り上げてきたのは先輩たち。そこを大事にしながら戦いたい。

④宮本優太
本田監督は攻撃の展開がうまくないのに最後まで使ってくれることに感謝しています。僕は献身的に働いて、しっかりと守備をして、あとは前のうまい選手たちにつなげるのが役割だと思っています。前橋育英のことはわかり尽くしているし、弱点も今頭の中に浮かんでいるので、良いイメージを持って臨みたい。まだ僕もゴールを決めていないし、ボール回収率が低い試合もあるので、最後はしっかりと良いパフォーマンスをしたい。

矢板中央
⑲大塚尋斗
ベスト4止まりなので、日本一を目指して来年頑張りたい。(流通経済大柏の)⑤関川の競り合いは強いけど、僕も磨けば勝てると思う。なので、もっと戦えるようになりたい。決定力があるチームが勝っていく。僕は未だ決定力が足りないので、磨いていきたい。今大会はずっと交代出場で、来年もどうなるかわかりませんが、どこから出されても結果を残せる選手になりたい。もちろんスタメンを取りたいけど、やっぱりハードワークや競り合いをもっとバチバチやらないと勝ち取れないことは、今日の試合で改めて感じた。なので、それをもっと出していきたい。

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