第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
準決勝 前橋育英-上田西

2018年01月07日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
高橋学 写真

18年1月6日(土)14:20キックオフ/埼玉県・埼玉スタジアム2002/観客21,245人/試合時間90分
前橋育英
6 3-1
3-0
1
上田西
松田陸(前半24分)
飯島陸(前半27分)
五十嵐理人(前半35分)
五十嵐理人(後半18分)
飯島陸(後半41分)
釣崎椋介(後半45+1分)
得点者 根本凌(前半29分)

前半立ち上がりは名門・前橋育英に対して、上田西が3トップを裏に走らせるようにロングボール主体で挑んでいった。その時間帯を耐えた前橋育英は前半24分、左CKから⑤松田陸が先制点。その3分後には⑩飯島陸が追加点で突き放した。このまま勢いに乗ると思われた29分、⑩根本凌に1点を返されて今大会初失点を喫する。しかし、その後は4点を追加するゴールラッシュで、前橋育英が昨年に続く2年連続の決勝進出を決めた。

またも圧巻のゴールラッシュ
前橋育英、気を抜かずに決勝へ

シュート31本で6得点。この数字だけでいかに力の差が出た試合だったかがわかる。初出場でベスト4入りを果たした上田西は、ここまでやってきたスタイルで果敢に挑んだ。しかし、それに慌てることなく、確実に跳ね返し、丁寧にボールをつないでいく前橋育英に徐々に飲み込まれていった。そして前半24分、左CKから⑨田部井悠が蹴ったニアのボールを⑤松田陸がフリックして右のサイドネットに流し込んで先制点。「あれで少し落ち着いた」と前橋育英・山田耕介監督は振り返った。

そしてその3分後に⑩飯島陸が今大会自身6点目となるゴールで追加点。そこからは前橋育英の多彩な攻撃に上田西はただほん弄され続けた。35分には⑧五十嵐理人がスルーパスで抜け出して3得点目が入ると、後半にも⑧五十嵐と⑩飯島がもう1点ずつを追加。アディショナルタイム1分には㉗釣崎椋介が6点目を決めて終了のホイッスルが鳴った。今大会初の失点を許してしまったものの、圧巻のゴールラッシュで昨年敗れた選手権決勝の舞台に再び帰ってきた。

その昨年敗れた青森山田との決勝では、0−5という衝撃的なスコアで惨敗した。「昨年度、決勝に敗れてとにかくもう一度埼スタに戻ってくるということで、一年間、選手たちやスタッフみんながその思いを持ってやってきた。最後、その思いを込めて決勝を戦いたい」(前橋育英・山田監督)と、この舞台への思いは並々ならぬものがある。

その思いはこの日2得点を決めた⑩飯島にも宿る。「昨年のリベンジをするために、また決勝に戻って来られてうれしく思うけど、ここでもう一度気を引き締めたい」と、決勝の舞台に舞い上がってしまった昨年とは違う心境を語った。

決勝の相手は今年度のインターハイ準決勝で敗れた流通経済大柏だ。それに対し、「流経は勝負強い。その勝負強い相手に勝てる力があると思う」とリベンジに燃える⑩飯島。しかし、その宿敵に勝つには無失点で決勝まで登ってきた鉄壁を破らなければならない。その自信を聞かれると「全然取れない相手ではないので、しっかりと自分が決め切ること。チームで崩せれば絶対にチャンスは来る。それを決めるだけ」と、ここまで7得点で得点ランキング首位を走る自信をみなぎらせた。

⑩飯島はあと3ゴールで大迫勇也の一大会10得点という大記録に並ぶ。「1試合で3点取るのは厳しいけど、目指していきたい」と、厳しい条件でもここまできて狙わない理由はない。前橋育英の悲願である選手権初優勝を成し遂げるため、今最も勢いに乗る背番号10が決勝の舞台でもゴールをどん欲に狙う。

監督・選手コメント
前橋育英
山田耕介監督
今日の先制点もCKからで、あれでズルズルと点が取れていないと相手も我慢強くプレーして、うちが焦れ始めて悪い方向にいってしまう感じはしていた。CKが入ってよかった。失点は本当に悔しいです。前半はあのシュート1本だったと思うんですけど悔しい。選手たちはもっと悔しいと思う。2017年度のスタートというのは青森山田に0−5で負けたというのが出発点で、それでずっとやってきて、やっと決勝の舞台に立てた。彼らが1年間やってきたことを表現する場所だと思っている。明日はゆっくりと休んで1年間の思いを込めて決勝戦に臨みたいと思う。

⑩飯島陸
点差がついても気を抜かないでいかないと次の試合で勝てないと思うので、みんなディフェンスラインから声をかけてくれて締まったゲームだったと思う。2点取れたというのはうれしいですけど、まだまだミスが多かったり、決め切れなかった場面もあるので、そこは改善していきたい。

㉒榎本樹
インターハイでは相手の蹴ってくるサッカーに合わせてしまって、自分たちがボールを持つ時間が少なかったんですけど、今回はしっかりとボールを支配して自分たちのペースに持っていけたらいいと思う。インターハイで負けっぱなしだったので、リベンジしたい気持ちもある。

上田西
白尾秀人監督
選手はこの大会を通じて成長してきていたので、本当によくやった。本当に良いものを選手自分自身にも残したと思う。上田に、長野県に、そしてスタッフ。いろんな方にいろんな財産を残してくれたと感じている。練習試合でもやってきたイメージを選手たちに植えつけていたんですけど、それよりもワンテンポ早く、判断のスピード、プレーのスピード、ボールのスピードが違うということで、そこのところで対策を練っていた。5−4−1のシステムで最初行ってみて、20分は大丈夫だったが、そこからは2点が入って難しさを感じて、まだ自分が全然教え切れていないなと思った。そのあとに一本のチャンスで1点を取ったというのは、彼らが一生懸命やってきたことが1点という結果で残って本当にうれしく思う。

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