第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 流通経済大柏-長崎総科大附

2018年01月05日

安藤隆人(サッカージャーナリスト)取材・文
木鋪虎雄 写真

18年1月5日(土)14:10キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客5,447人/試合時間80分
流通経済大柏
3 0-0
3-0
0
長崎総合科学大附
関川郁万(後半4分)
菊地泰智(後半10分)
熊澤和希(後半40分)
得点者  

試合は後半一気に動いた。0−0で迎えた後半4分、DF②近藤立都の右ロングスローからゴール前でフリーになったCB⑤関川郁万が豪快に蹴り込んで、流通経済大柏が先制。続く後半10分には、GK①薄井覇斗のロングキックをFW⑪安城和哉がヘッドでつなぎ、FW⑨加藤蓮のラストパスからMF⑩菊地泰智がループシュートを決めて2−0。後半40分には交代出場のMF⑭熊澤和希がダメ押しの3点目を決めて、勝負あり。流通経済大柏が準決勝進出を決めた。

エース不在が大きかった長崎総科大附
名将対決は、流通経済大柏が勝利

浦和駒場会場の準々決勝第2試合は、長崎総科大附・小嶺忠敏監督、流通経済大柏・本田裕一郎監督の名将対決となった。

「できれば次は小嶺さん率いる長崎総科大附とやりたいですね。心情的はやっぱり長崎総科大附がいいですね」。

3日の3回戦後、第1試合だった流通経済大柏の本田監督は、こう語って名将対決を待ちわびていた。そして実現したこの一戦は、結果的には3−0というスコアで本田監督率いる流通経済大柏に軍配が上がった。

長崎総科大附は絶対的エースストライカーの⑩安藤瑞季が出場停止。⑩安藤の代わりにFW⑰西原先毅を1トップに置くが、個人で運んで決め切れる⑩安藤の不在は長崎総科大附にとってとてつもなく大きな痛手だった。

先手必勝と言わんばかりに攻め立てる流通経済大柏に対し、3回戦で青森山田をゼロに抑えた守備陣が強固なブロックを形成。安定感抜群のGK⑫湊大昂、CB田中純平を軸に前半は相手の攻撃を食い止めることができた。

しかし、後半は流通経済大柏に一気に押し切られた。後半4分、DF②近藤立都の右ロングスローから最後はCB⑤関川郁万が豪快に蹴り込んだ。これで勢いに乗った流通経済大柏は、ピンチを凌いだ後の後半10分、GK①薄井覇斗のロングキックをFW⑪安城和哉がヘッドでつなぎ、それを受けたFW⑨加藤蓮がゴール前にダイアゴナルランしていくMF⑩菊地泰智に絶妙な浮き球のパス。⑩菊地はGKの位置を良く見て、GKの頭上を越えるループシュートを沈め、2−0と突き放した。

このゴールで試合は決した。長崎総科大附はカウンターを仕掛けようにも、ロングボールは流通経済大柏⑤関川にことごとく跳ね返され、FW⑦荒木駿太が個人技を見せるも、ゴールは遠かった。逆に後半40分、流通経済大柏は交代出場のMF⑭熊澤和希がダメ押しの3点目を決めて、試合を締めくくった。

「小嶺先生の背中を追いかけて指導者としてやってきたので、本当にうれしい」。試合後、本田監督は感慨深そうにこう語った。スコアこそ3−0と大きな差がついてしまったが、長崎総科大附は⑩安藤不在でも果敢な戦いを見せた。「ウチは他のチームじゃ補欠にもなれない選手が多い。その中でよくやってくれた」と小嶺監督が選手をたたえたように、ベスト8の成績は胸を張っていい結果だった。

「さすがは小嶺先生のチーム。本当に手強かったし、次だね。気を緩めてはいけない」。名将対決こそ制したが、本田監督に安堵の気持ちは一切ない。次なる戦いはすでに始まっている。そう言わんばかりの勝負師の目は、名将たる所以を感じさせるものであった。

監督・選手コメント
流通経済大柏
本田裕一郎監督
もっとチームとして戦えるようにならないといけない。今の子供達は漠然とではなく、より具体的に伝えないといけない。それも大事だけど、もっと牙をむいて欲しい。これから先の戦いは特に厳しくなって行くと思うので、そこはもっと奮い立つようにやっていきたい。

②近藤立都
ゼロで抑えることができて良かった。セットプレーもだいぶ良い形で⑤(関川)郁万に合うようになってきたし、もっと良いキックを蹴られるようにしたい。今大会はまず守備から入ることを意識しています。しっかりと状況を見極めて、オーバーラップよりもサイドハーフの内側を走ったり、より前への圧力がかかるようにしています。準決勝でもしっかりと守備を意識して、チャンスがあれば見極めて上がっていくことを継続したい。

⑭熊澤和希
前の2試合で、『自分が、自分が』になりすぎてしまって、強引さが出てしまって、周りをうまく使えなくなってしまった。今日は途中から出たら結果を出そうと。監督は1点を取るために入れると思うので、今日は結果が出て良かった。

長崎総科大附
小嶺忠敏監督
他のチームでは補欠にもならない選手が、しっかりと育ってくれたと思う。まあ一人一人よくやってくれたと思いますね。他の選手も可能性があるし、もっともっと伸ばしたい。今年のチームはある程度戦えるチームになったと思う。

⑭柏木澪弥
自分は背が高いので空中戦に勝たないといけないのに負けてしまいました。僕が途中から入るということは、基本パワープレーなので、ヘッドで勝たないといけない役割でした。セカンドボールも拾えなくて、シュートすら行けなかった。それくらい流通経済大柏の守備が堅かった。全く貢献をしていないと思います。⑩安藤さんがいない中で勝てば、チームとしても大きかったのですが……。悔しい思いがあるので、これからもっと練習したい。来年は自分たちの代なので、今年以上に結果を出せるように頑張っていきたいです。

⑩安藤瑞季
スタンドから声を張り上げたけど、勝負はそこまで甘くなかった。ピッチに立っていなくても勝ちたいとずっと思っていた。負けて高校サッカーが終わった。最後試合に出られない中、みんながすごく一生懸命最後まで戦ってくれた。その姿を見たら、自分の高校サッカー3年間に思い残すことはなかった。できれば負ける姿は見たくなかったけど、それでも一生懸命戦ってくれた仲間に感謝しかありません。

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