第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 矢板中央-神村学園

2018年01月03日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

18年1月3日(水)12:05キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客3,365人/試合時間80分
矢板中央
1 1-0
0-0
0
神村学園
稲見哲行(前半15分)
得点者  

立ち上がりから神村学園が長短織り交ぜたパスワークで左右に揺さぶり、攻撃のリズムを作る。対して矢板中央は強固な守備ブロックをベースに長身FW⑪望月謙にボールを集めてカウンターを狙う。そして前半15分、CKからキャプテンの⑥稲見哲行が2試合連続ゴールとなる先制点を決める。神村学園は⑭高橋大悟を中心に猛攻を仕掛けるが、矢板中央の分厚い守備ブロックを崩せず、矢板中央が虎の子の1点を守り抜いて準々決勝に進出した。

伝統の堅守速攻で猛攻を耐え
矢板中央がベスト8進出

「本当にほめてやりたいと思います」と、矢板中央・高橋健二監督は試合後の取材で思わず涙で声を詰まらせた。

今年度は新人戦の決勝で敗れ、関東大会の予選ではまさかの1回戦敗退。県総体も準決勝で涙を飲んだ。トーナメントでことごとく結果を出せず、栃木の名門は苦しんでいた。高橋監督は「本当にノータイトルで、矢板中央の歴史の中でも一番勝てないチームだった」と自身にも辛い時期があり、選手たちも疑心暗鬼になっていたことを吐露した。

しかし、夏を境に本来の矢板中央のスタイルを取り戻そうと、伝統である堅守速攻と割り切ってチーム作りを見直してきた。そうして乗り込んだ選手権の舞台だったが、初戦の三重高に2失点。何とか3-2でものにしたが、高橋監督は今一度、自分たちの基礎である守備意識を徹底させて、3回戦に臨んだ。

案の定、神村学園の巧みなパスワークに翻ろうされたが、穴を空けない守備ブロックでしっかりと跳ね返していった。そして前半15分、左CKをファーで待つ②高島祐樹が折り返し、⑥稲見哲行がダイレクトのハーフボレーで先制点をたたきき込んだ。「我々はセットプレーが一つの得点パターン。そこが予定通りに結果を出せた」と、高橋監督も笑みを浮かべる。

ただ、早過ぎた先制点は、その後の耐える時間帯を長くした。ワイドに陣形を敷く神村学園に右へ左へと何度も揺さぶられ、サイドから幾度も崩されかけた。しかし、その粘り強く強固な守備は、最後の中央部分はやらせず、強力な攻撃に耐えてみせた。打たれたシュートは15本。自分たちが放った3倍以上のシュートを浴びせられながら最後まで体を張り続けた。

「危ない場面もたくさんありましたが、しっかりとブロックを作って、体を張った矢板らしいひたむきなサッカーができたと思う」(矢板中央・高橋監督)。矢板中央の歴史の中で最も勝てなかったチームが、伝統の堅守を取り戻して選手権ベスト8まで駆け上がった。

監督・選手コメント
矢板中央
高橋健二監督
昨日失点をしていたので、そこをまず修正していこうと。うちの特徴である守備を意識しながらやれたので、昨日よりは成長できたかなと思います。最初はマンツーマンをつけるかなど戦術面で迷ったんですが、まずは普段通りの県大会を勝ち上がってきた矢板中央の守備でいこうということを意識させました。プリンスリーグにも参入できた理由の一つは守備意識の高さだと思っています。前からプレスに行きたかったんですが、神村学園さんのパスワークは全国に出てくるチームなのでやっぱり力があったので、だんだん下がってブロックを作る形になってしまいました。

神村学園
有村圭一郎監督
もう一つ足りなかったです。相手が下がってしまってスペースがなく、中の枚数が多過ぎたのでサイドから入れるくらいしかありませんでした。決定機が作れなかったですね。今日は田畑拓武、大迫龍太、和田駿斗がインフルエンザで別のホテルに隔離していました。うちはそこまで層が厚いわけではないのですが、その中でも神村学園らしいゲームはしてくれたと思います。

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