第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 上田西-帝京大可児

2018年01月03日

森田将義(フリーライター)取材・文
新井賢一 写真

18年1月3日(水)12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客2,937人/試合時間80分
上田西
5 1-0
4-0
0
帝京大可児
丸山圭太(前半40分)
根本凌(後半1分)
田中悟(後半17分)
田中悟(後半24分)
根本凌(後半27分)
得点者  

前半は上田西が追い風を利用し、試合の主導権を把握。後方からのロングボールを多用し、⑩根本凌のポストプレーを起点とした攻撃や⑪田嶌遼介のロングスローで見せ場を作った。前半終了間際の40分にはエリア右40メートルの距離から⑦丸山圭太が直接FKを決めて、均衡を崩すと、後半1分には⑪田嶌の右クロスを根本がヘディングで合わせて加点。このゴールで勢いに乗ると、後半17分からは10分間で3点を追加した。終盤には帝京大可児の猛攻を受けたが、粘り強い守りで失点を防ぎ、終わってみれば5-0の大差で上田西が勝利した。

貪欲に勝利を目指すのが上田西の流儀
大量得点で、県勢41年ぶりの8強入り

中学時代に名が知れた選手はほとんどおらず、個の力でも見劣りするかもしれない。ただ、上田西の勝利にかける想いはどのチームよりも強い。どん欲に白星を狙いにいくのがチームの流儀だ。
撮る
ヴァンフォーレ甲府などでプレーした元Jリーガーの白尾秀人監督がとった采配からも、勝利にこだわる姿勢は見て取れる。県予選から選手権2回戦の京都橘戦までは3バックがベースだったが、この日は「3人では相手の攻撃は止められない」(白尾監督)と躊躇(ちゅうちょ)なく、4バックに変更した。選手交代も積極的で、会場に吹き荒れた強風を生かそうと、前半12分には早々にロングスローが武器の⑪田嶌遼介を投入。追い風に乗った鋭いロングスローを敵陣ゴール前に何度も放り込むことで、相手を押し込んだ。

前半終了間際に⑦丸山圭太が追い風を利用した直接FKをたたき込むと、後半は指揮官の積極的な交代策が見事にハマる。後半1分には、⑪田嶌の右クロスから⑩根本凌がヘディングで2点目をマーク。17分と24分には後半途中から入った⑱田中悟が2点を追加し、試合の行方を決定づけた。

27分に⑩根本が5点目を奪ってからは帝京大可児の連動した崩しに押し込まれる場面が続いたが、最後まで勝利へのどん欲な姿勢は落ちなかった。週1回のフィジカルトレーニングでは、3年間一度も規定のタイムに入れない選手がいるほどの過酷さ。そんな中で磨いた気持ちの強さは、⑪田嶌が「どこにも負けない」と胸を張るほどで、気迫のシュートブロックにその成果が表れていた。また、「県外の相手に勝つため、守備から入ることを徹底してきた。一人でボールが取れないなら、二人で取ろうなどとずっと伝えてきた」(白尾監督)ことも奏功し、2試合連続での完封勝利をつかんだ。

試合前に白尾監督からかけられた「今日勝てば歴史が変わるし、自分たちの環境も変わる」との言葉通り、どん欲に勝利を目指した結果が長野県勢では41年ぶりとなるベスト8入りとなった。これより先に進んだ長野のチームはいないが、目指すのはただ目の前の試合に勝つことだけ。「1日でも長く、選手たちとサッカーがしたい」という指揮官の想いに応えるためにも、埼スタ行きがかかった大一番でも積極的に白星を狙う。

監督・選手コメント
上田西
白尾秀人監督
3点取れるといいなと思っていたのですが、まさか5点も取れるとは思っていませんでした。FWの子がずっと頑張ってくれていたので、どこかで結果を出してくれればと思っていました。昨日の試合は、苦しんでPKで取れた1点だったのですが、チャンスは作れていたので、どこかで点は取れると思っていました。

⑩根本凌
選手権予選から点が取れない時期が続いたのですが、1点目はヘディングで点を取ることができてよかったです。2点目も練習でやってきた形から点が取れてうれしいです。これまではゴール前でのスプリント数が減っていて、監督から指摘されていました。ボールが来そうなところに嗅覚を生かして、入っていけたのが今日の結果につながったと思います。

帝京大可児
堀部直樹監督
2点目の失い方は想定外。後半は選手たちには焦るな、最後自分たちらしく1点が取れればいいと指示していたのですが、焦ってしまったために狙い通りにはいきませんでした。今年度のチームは我慢強くよく成長してくれました。来年度に向けて、先手を取られないようにもう少しセットプレーを練習しなければいけないと気づけたことも収穫です。

⑥本多訓大
シュートが1本入れば、流れが変わったかもしれないのですが、なかなか入りませんでした。これまでは簡単に失点せずにきたのですが、最後の試合で簡単に失点してしまったのは課題です。上田西はゴール前の守備が固く、スカウティング以上だったので、焦ってしまいました。ただ、全国の舞台でも自分たちのよさである攻撃を出せたとは思います。

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