第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
3回戦 日本文理-作陽

2018年01月03日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

18年1月3日(水)14:10キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客4,275人/試合時間80分
日本文理
1 1-1
0-0
PK
7-6
1
作陽
亀山来駆(前半26分)
得点者 黒瀬翔矢(前半32分)

選手権初出場の日本文理が、岡山の名門・作陽と交えた一戦。序盤は日本文理が武器であるスピーディーな両ワイドを生かして果敢に攻めた。そして前半26分、⑮亀山来駆がこぼれ球を押し込んで先制点。しかし32分、作陽⑦黒瀬がダイビングヘッドですぐさま振り出しに戻す。後半、作陽よりも1試合多いことが、日本文理の動きを徐々に鈍くさせたが、作陽も決定機を作り切れずPK戦へ。相澤ピーターコアミが2本のストップに成功し、7−6で日本文理が準々決勝に進出した。

2年生GKが勝利を手繰り寄せ
初出場ながら見事ベスト8進出!

初出場で、4日間で3試合目という条件は、日本文理に大きなダメージとして蓄積されていた。開始早々はFW⑮亀山来駆やMF⑨横山隼介、⑩久住玲以といったスピードとテクニックのある前線が相手への脅威となったが、作陽の縦や横への揺さぶりで走らされ、じわじわと出足を遅くさせ、判断を鈍らせた。

ただ、そうなる前に先制点を奪えたことが日本文理にとって幸いだった。序盤から度々放り込んでいた右サイドからのロングスローを⑪伊藤駿がニアサイドで受けてファーへ蹴り上げた。そこに走り込んでいた⑩久住がシュートを放ち、ブロックされるものの⑮亀山が素早い反応で詰めて2試合連続となるゴールを決める。

しかし、その6分後、作陽が左サイド深くで起点を作り、大きくサイドチェンジ。そのボールに反応した⑩西山拓実がヘディングのワンタッチでDFを振り切り、右サイドをえぐって左足のクロス。ゴール前中央に走り込んだ⑦黒瀬翔矢が、豪快なダイビングヘッドでゴールに押し込んだ。

スコアが振り出しに戻り、さらに作陽ペースでゲームは進んだ。出足が鈍くなった日本文理は前からプレッシャーに行こうにも行けず、後ろで耐える時間が徐々に長くなっていく。作陽は左サイドの⑨西山流聖で起点を作り、再三サイドを崩すものの2点目が遠かった。酒井貴政監督が「今年の課題
という、最後のところの精度が欠けていたことで、疲弊した日本文理にPK戦まで粘られてしまう。

そのPK戦で存在感を発揮したのは190センチの長身GK㉕相澤ピーターコアミだ。先行の日本文理が3本目を失敗し、4−4で迎えた作陽の5本目。「入れれば勝つという状態のキックは一番微妙なところなので、止めるとしたらあそこなのかなと見ていました」という日本文理・駒沢隆一監督の目論見通り、㉕相澤が右のコースを弾く。そして7−6で迎えた作陽の8本目、またも右のコースをストップ。「試合の中で迷惑をかけてしまったのでPKを止められてよかったです」(㉕相澤)という2年生GKが2本を止め、80分耐え抜いたチームに準々決勝進出を呼び込んだ。 

新潟県勢の最高はベスト8。初出場ながらここまで躍進してきた日本文理。苦しみながらも名門を退けたその勢いで県勢初のベスト4入りを狙う。

監督・選手コメント
日本文理
駒沢隆一監督
勝った気がしません。中身は完全に負けていたと思います。作陽さんのいいサッカーに翻ろうされていました。やっぱり3戦目ということもあって、思った以上にダメージがありました。そこで一瞬の判断の遅れ、出足の遅さでじわじわと強みを発揮できない状態が続いて作陽さんにサイド深くまで押し込まれる状態が長かったと思います。そうなってくると、いつもなら引っ掛けられるボールが、深いところでの攻防になるとCKになったり、スローインになったりとか、それがボディーブローのようにじわじわと効いてきました。耐えられたのは運もあると思うんです。PK戦も含めてついていたなと思います。追加点を取られなかったことが、今日一番の出来だったと思います。

㉕相澤ピーターコアミ
(1失点に抑えられたことは)DFの貢献が大きいと思います。自分が何かをしたわけではなく、4枚のDFとかボランチがすごく頑張ってくれて、そこでチームとして耐えたことは大きいと思います。PK戦はすごく緊張したんですけど、中村コーチにここで止めたらヒーローだぞと声をかけてもらってリラックスできたと思います。(笑みも見えたが)緊張してしまうので、笑っていないと力が抜けないところがあって、それで笑おうと思いながらやっていました。

作陽
酒井貴政監督
プランを選手たちが理解して一生懸命やってくれました。ただ、最後のところで取り切れなかったことが敗因かなと思います。⑨西山流聖をスタートから使って、そこを起点に数的優位を作っていこうという流れで、立ち上がりもいい入り方ができて、終始そういう展開ができたと思います。今日のこの相手で、このピッチコンディションの中ではできることはやれたと思います。ただ、他にも練習してきたことはあったので、それを出せなかったことは心残りではあります。

⑩西山拓実
勝ちたかったです。昨日よりは落ち着いていて、自分の持ち味を出せたと思う。体験したことない舞台で、2年生でこれが体験できたのは3年生のおかげなので、その経験を生かして来年またここに来ることが3年生への恩返しだと思います。

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