第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

PUMA

第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 富山第一-東福岡

2018年01月03日

川原宏樹(本誌) 取材・文
高橋学 写真

18年1月2日(火)14:10キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/9,647人/試合時間80分
富山第一
1 0-0
1-0
0
東福岡
大竹将吾(後半40+3分)
得点者  

優勝経験のある2校が早くも2回戦で激突した一戦は、決勝戦さながらでレベルの高い緊迫した試合になった。東福岡対策に余念のない富山第一は1回戦とは違うシステムで試合に臨んだ。この戦略が的中し富山第一は東福岡のサッカーをさせず、完全に試合を掌握した。対する東福岡も後半からは持ち前のサイド攻撃で富山第一ゴールに迫るが大きなチャンスを作り出せず、スコアレスのまま80分が過ぎた。アディショナルタイムも残りわずかとなって富山第一がCKを得る。それを⑨大竹将吾が決めて、富山第一が終了間際で先制点を挙げる。直後に④阿部海大を前線に上げた東福岡がパワープレーに出るも、ゴールまでは届かず試合終了。優勝候補同士の一戦は富山第一が劇的なゴールで勝利を収めた。

相手のよさを消して、
自分たちの特長を出した富山第一

富山第一の大塚一朗監督は対戦相手の研究に余念がなかった。富山第一は5-3-2の布陣がベースだが、この試合では「(CB③滝本敦生を)ちょっと前に出して中盤のダイヤのアンカーにしました」(大塚監督)と、③滝本を中盤の底に配置し、4-4-2にした。これにより、両サイドのカバーリングがスムーズになるとともに、相手のシャドーストライカーをうまく消すこともできるようになった。結果、東福岡持ち前のサイド攻撃を完封してみせた。

このシステム変更は富山第一にもう一つの効果をもたらした。⑨大竹将吾と⑩坪井清志郎の180センチ越え2トップに加え、187センチの③滝本も前線での競り合いに加わり空中戦で優位に立った。それでも東福岡の④阿部海大に跳ね返されることがあったが、ボール奪取に優れた⑧前田拓哉と③滝本がセカンドボールを拾い、前半はほぼ東福岡陣内でゲームが展開された。

後半になっても同様の展開が続いたが、富山第一の疲労蓄積と相手の選手交代によって劣勢に立たされることもあった。しかし、どちらもゴールは遠く共にPK方式を覚悟した後半のアディッショナルタイムに、富山第一の得意のプレーが飛び出す。右CKからニアサイドで⑨大竹が頭で合わせて、ゴールニア上へボールを突き刺し富山第一が先制点を挙げた。狙っていた形を終了間際にようやく作ることができた。

「(4-4-2のシステムは)変えられなかったですね。システムをいつも通りの5-3-2に戻して、ちょっと引き込んで守備を重視しようと思ったのですが、やられそうな気がして、勇気がなくて変えられませんでした」と大塚監督が試合後に振り返ったように、東福岡対策は攻守両面において見事なまでに成果を発揮した。

次戦の前橋育英戦では、どのような戦術を見せてくれるか楽しみだ。

監督・選手コメント
富山第一
大塚一朗監督
昨年度にそういう形(4-4-2)はやったりしてトレーニングは積んでいました。本当は10分、15分で点を取って得意な5
3-2に戻そうと思っていましたが、意外にうまくはまってシュートまでいけそうだったので、そのまま行ってしまえという感じになりました。4バックに変わったのでサイドバックはちょっと大変だったなあとは思うのですが、本当にうまくいきました。(得点は)やったな! という感じでした。うちが得意とするセットプレーで点が取れました。今日の2トップはワイドにCBとSBの間にポジションを取らせたので連携は取れないんですけど、裏の飛び出しとかができるので、今日はそういうのを狙ってやりました。彼らのファーストディフェンスがよかったので、中盤でボールを奪うことができました。本当に今日は全員よかったですよね。

⑨大竹将吾
厳しい試合になるということはわかっていました。拮抗した試合の中で絶対に点を取りたいと思っていました。絶対に勝って次に進みたいと思っていたので、(得点できて)すごくうれしかったです。県大会のときからニアのポジションに入り高さを生かしてゴールを目指しているんですけど、後ろにも選手はたくさんいるので最悪はコースを変えて味方が触るように自分が起点となって得点につなげていきたいというのがCKの狙いです。(今回は)自分が取りたいというのもありましたし、少しでもゴールの方向にボールを持っていきたかったので、それがうまくゴールに結びつきました。

⑩坪井清志郎
1点を取られたら負けると思っていたので、自分が(相手の)チャンスをつぶすくらいの気持ちで最後まで戻って守備をしようと思っていました。自分の武器がしっかり通用すればチームは絶対に勝てるので、(次戦は)自分が決めきるつもりで果敢に仕掛けていきたいですね。最後の大会なので自分が満足するまでプレーすると決めてこっちに来ました。満足というのは得点王と日本一なので、どんな形でもいいので次は絶対に決めたいですね。

東福岡
森重潤也監督
(夏の練習試合を経て)富山第一には力があるということはわかっていたので、簡単なゲームではないなと思っていました。(富山第一の2トップの)彼らにシュートを打たせないように、仕事をさせないように気をつけていました。(富山第一のシステム変更ですが)メンバーは変わっておらず、どこに誰が立つかだけだと思うので、特に何かあったわけではないです。メンタルも含めて成長していかないと、トップには立てないんじゃないかなと思います。

img
img
img
img
img
img
img
img
img
img
(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
ページトップへ