第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 作陽-遠野

2018年01月03日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

18年1月2日(火)14:10キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客4,275人/試合時間80分
作陽
2 2-0
0-1
1
遠野
西山拓実(前半26分)
中西樹大(前半38分)
得点者 高原優介(後半29分)

立ち上がりこそ激しくぶつかり合うが、10分も過ぎると作陽が長短織り交ぜたボールで主導権を握る。前半25分、クリアボールを⑱吉中聡汰が拾うとエリア内で倒されてPKを獲得。それを⑩西山拓実が確実に決めて先制点。そして前半終了間際の38分、ゴール正面で得たFKのこぼれ球をキャプテンの⑧中西樹大が押し込んで追加点。後半に1点を返されるが、作陽が最後まで相手の思うようなサッカーをさせず2―1で初戦を飾った。

OB監督因縁の岩手勢に
11年ぶりのリベンジ

「試合前に、相手にリズムを持っていかれることもあるだろうと言っていましたが、ほとんどの時間を持っていかれてしまった」と、遠野の長谷川仁監督が振り返るように作陽が終始ペースを握る試合となった。しかし、決して作陽がやりたいサッカーで主導権を握れていたわけではない。ショートパスをつなぐスタイルが持ち味の作陽だが、この試合では序盤からDFの裏を狙うロングボールを多用した。そこへFW⑲飯原一樹や両ワイドのMF⑱吉中聡汰、MF⑰田中成宜らが走り、遠野の守備陣を押し込んでいく。「風と日差しがあったので、相手のウィークな部分を突きたいという狙いがあった」と、作陽の酒井貴政監督が試合後に明かした。

その狙いが功を奏したのか、前半26分にロングボールを遠野がクリア仕切れず、そのボールをペナルティーエリア内で拾った⑱吉中が倒されてPKを獲得。⑩西山拓実が右サイドネットに突き刺して先制に成功する。そして前半終了間際の38分にゴール正面でFKを獲得する。⑲飯原が直接狙ったボールは壁の間をすり抜け、ワンバウンドしてポストをたたいた。そのこぼれ球に唯一反応していた⑧中西樹大が、難しいバウンドを冷静にゴールへ流し込み追加点。作陽が2点リードで前半が終了する。

後半に入っても作陽の優位は変わらずにゲームは進む。一矢報いたい遠野に機会が訪れたのは後半29分。FW⑪立花健斗がエリア内で倒されて今度は遠野にPKのチャンス。キャプテンの⑧高原優介が右サイドに決めて1点差に縮める。この1点で勢いづいた遠野は前線から果敢にプレスを仕掛けていった。それを粘り強い守備でやり過ごし、時計の針を進めた作陽が3回戦へと駒を進めた。

作陽OBの酒井監督は自身が出場した2006年度の選手権決勝では、岩手勢の盛岡商業に敗れている。監督として選手権初采配になる初戦で、またも岩手勢の遠野という巡り合わせに選手たちは勝利で応えてくれた。「僕のときは負けてしまったけど、彼らがリベンジをしてくれたという思いはある」と笑顔を見せた。因縁の岩手勢戦を勝利で飾り、次戦こそは作陽らしいパスサッカーで勝利を勝ち取りたい。

監督・選手コメント
作陽
酒井貴政監督
初戦ということもあって厳しい部分もあった。子どもたちも緊張感があって、ただその中でそういう場でできるということに感謝しながらみんな頑張ってくれていた。耐えるところはしっかりと耐える、逃げ切るというところに関しては成長できたところだと思う。県大会でも翌日に試合というのはあったので、それほど意識することはない。できるだけ早く回復できるようにスタッフでサポートしていければと思う。

⑩西山拓実
後ろで回そうとしたら相手が前から来ていたので裏に落としてから押し込んでパスでつなごうと話していた。それがうまくいかず蹴り合いになってしまった。作陽らしいサッカーではなかったけど、次に進めてよかった。次の試合では作陽らしくパスサッカーで勝ちたい。

遠野 
長谷川仁監督
良さも出せずに相手のフィジカルと寄せの早さに自分たちのサッカーができなかった。自分たちのリズムのときも必ずくるし、相手にリズムを持っていかれる時間帯もあるだろうと言っていたが、ほとんどの時間を持っていかれた。相手の前線からのプレスにちょっと怖がって、そこでつなげずに寄せられて蹴ってという場面ばかりだった。そういうところが私たちには足りなかった。作陽さんのほうが、そういうところは賢くサッカーをやっていた。

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