第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

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第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 一条-桐蔭学園

2018年01月03日

川原宏樹(本誌) 取材・文
高橋学 写真

18年1月2日(火)12:05キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/7,778人/試合時間80分+PK方式
一条
2 0-1
2-1
PK
3-2
2
桐蔭学園
中井一尭(後半3分)
相坂恭杜(後半40+4分)
得点者 森山翔介(前半13分)
森山翔介(後半31分)

2回戦からの登場となった地元・神奈川県の桐蔭学園と奈良県代表の一条の対戦は、PK方式にまでもつれ込む熱戦となった。前半13分にDFラインの裏を取った③森山翔介がエリア内に進入。それを落ち着いて決めて幸先よく桐蔭学園が先制した。しかし後半3分、右サイドを抜け出した⑨中井一尭のクロスがファーサイドに決まり、ラッキーな形で一条が同点に追いついた。その後、こう着状態となったが同31分には、⑨森山がこの日2点目となるゴールを頭で決めて桐蔭学園が勝ち越した。このまま試合が終わるかと思われたアディッショナルタイムにDF③酒本哲太を前線に上げてパワープレーに出た一条。右サイドからのロングボールを③酒本が頭で落としたボールを⑱相坂恭杜がヘディングで押し込み値千金の同点ゴールを挙げた。直後のキックオフで笛が鳴り試合はPK方式へ。PKではお互いのGKが2本ずつ止め活躍したが、さらに1本を外した桐蔭学園が敗れ、地元の大応援団の声援に応えることはできなかった。

PK方式に持ち込まれた熱戦
気になった審判のジャッジ

試合は高校生のトーナメント戦らしく緊張の中からも気持ちが前面に表れてくる熱戦となった。そんな素晴らしい好ゲームの中で、審判のジャッジが少々気になった。

ひとつは、前半19分の出来事。一条⑬石川航大のラフプレーによって、桐蔭学園⑫吉田剛が負傷。ファウルの判定でプレーが止まり、⑬石川には警告が掲示された。その後、⑫吉田は治療のためにピッチ外へ出された。

競技規則の第5条には「競技者が重傷を負った場合、プレーを停止し、確実にその競技者をフィールドから退出させる。負傷した競技者がフィールド内で治療を受けることはできず、プレーが再開された後に復帰する」と書かれており、⑫吉田の退出は普通の出来事かと思われるだろうが、競技規則には「フィールドから退出する要件につき、次の場合のみ例外とする」と、相手のラフプレーによって一方が不利にならないように例外を認めている。それは「相手競技者が警告される、または、退場を命じられるような身体的反則(例えば、無謀な、または、著しく不正なファウルとなるチャレンジ)の結果として競技者が負傷したが、負傷の程度の判断と治療がすばやく完了できるとき」と定められている。

この場面はこの例外に当たるプレーで、治療のためにピッチ外へ退出させられるべきではなかった。出血していたようなので止まるまで時間がかかるとの主審の判断であったかもしれないが、ピッチ内で治療をさせる様子は全く見られなかった。結果として、桐蔭学園は約4分間を10人で戦う不利な状況になってしまった。

2つ目は、PK方式での出来事だ。競技規則によれば「ペナルティーキックのとき、ボールがけられる前にゴールキーパーがゴールラインを離れたかどうか」を副審が確認しなければならないと定められている。また、その行為があった場合「ペナルティーキックを再び行う+ゴールキーパーに警告」と記されており、PK方式においてもそれは例外ではない。

この試合では、どちらのGKもキッカーがける前に前方へ飛び出しており、上記の反則に当てはまるものと思われる。それも一度ではなく、ほぼすべてのキックでそうだったので、この審判団は2016年に改正されたこのルールを知らなかったのではないだろうか。

試合はどちらも死力を尽くした見ごたえのある内容だった。審判のジャッジに「おや!?」っと疑問に思うシーンが減ってくれれば、もっと楽しく観戦できたような気がする。

監督・選手コメント
一条
前田久監督
なんとか粘りが実り、よかったと思います。今回は(地元の神奈川県代表が相手で)アウェイだったので、相手の応援のほうが多くて、やっつけてやろうという気持ちもありましたが、それよりもワンプレーワンプレーに集中してやることを最後まで重ねた点はよかったと思います。(GKの①古川裕斗は)すごく調子がよかったです。直前の合宿で今風に言うと「神ってる
セーブを何度もしていまして、(PK方式になっても)「いくんじゃないの!?
とコーチたちと話をしていたら本当にいいセービングをしてくれました。(キッカーのほうは)あんなに練習をしたに、まさか外すとは思わなくてびっくりしたんですけど、連鎖反応もあってああいう結果になりました。GKは実力といっていいと思います。PKは勝ったり負けたりなので、今回はうまく勝たせてもらいました。

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