第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

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第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 矢板中央-三重

2018年01月02日

河合拓(フリーライター)取材・文
松岡健三郎 写真

18年1月2日(火)12:10キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/観客3,603人/試合時間80分
矢板中央
3 2-1
1-1
2
三重
久永寿稀也(前半2分)
稲見哲行(前半28分)
白井陽貴(後半25分)
得点者 奥田祐大(前半25分)
南出紫音(後半32分)

開始2分、矢板中央はセットプレーの2次攻撃から⑨久永寿稀也がヘッドを決めて先制する。三重も⑦藤村泰士のシュートをGKが弾いたところを③奥田祐大が詰めて同点とした。しかし直後に矢板中央が再びセットプレーから⑥稲見哲行がボレーを決め、再びリードする。後半25分にも矢板中央はCKからの折り返しを④白井陽貴が決めると、その後の三重の反撃を1点に抑えて3-2で勝利して、3回戦進出を決めた。

フットサル高校日本一の矢板中央
今度はサッカーで頂点を目指す

2017年8月、矢板中央のサッカー部は日本一になった。といっても、これは第4回全日本ユース(U-18)フットサル大会での話。そしてチームのほとんどの選手たちは2年生だった。その大会では指揮を執らずに、スタンドから見ていた高橋健二監督は、「選手たちもそうですが、私自身もフットサルの接近する要素、攻守の切り替えがものすごく勉強になりました。フットサルとサッカーを融合させたいと思っています」と、話した。

数少ない3年生として夏に日本一に輝いた⑥稲見哲行は、その経験があったから選手権という同じ全国大会に入りやすかったといい、さらに「フットサルで2年生が日本一になりましたが、それで『2年生に負けられない』という意識が3年生にも芽生えました。自分も出ていて『2年生は活気があるな、3年も負けていられないな』と自分でも思っていました」と、3年生の刺激になったと明かす。

メンタル面だけではなく、プレーにも好影響は出ている。高橋監督は前半27分に最初の交代カードを切るなど、次々と選手を交代させた。途中出場した⑩飯島翼、⑲大塚尋斗らはフットサル大会の優勝メンバーだが、彼らが入るとプレーも変わる。極点にいえば、前半と後半で別のチームといえるくらい戦い方が変わるのだ。

「自分たちのチームは、前半に守備的に入ります。途中交代で入る選手がドリブラーだったり、スピードがあったり、違いを見せてくれる選手が多いので、先発の自分たちは、まず失点しないことを考えています」と、⑥稲見はいう。

前半はロングボールで攻めることが多かったが、後半には相手を押し込んだ状態から、⑩飯島や⑱山下育海を中心とした攻撃でシュートまで持ち込んだ。⑩飯島は「フットサルをやっていた影響から、そういう狭いエリアでも崩せる形がありますし、信頼している味方だったら『ここに来る』とわかってくれています
と、手ごたえを口にする。

多くの選手が試合にでる実力を持つうえに、2つの戦い方を使い分けられるのは、選手権を戦う上でも大きなメリットになるだろう。夏にフットサルで日本一となったチームは、今度は『本職』の高校サッカーで頂点を目指す。

監督・選手コメント
矢板中央
高橋健二 監督
プリンスリーグの参入戦が直近まであったことで、なかなか選手権に切り替えるのが難しかったです。ちょっと準備をやり切れなかった反省もありますが、自分たちの特徴を出し切って勝つことができました。選手権では初戦で難しいゲームが続いていたので、この初戦を突破できたことは、反省点もたくさんありますがよかったと思います。自分たちの時間帯で先制点を挙げることはできましたが、流れが悪くなったところで活性化させるためにも早めに選手をチェンジしました。県大会からやってきたことですし、プラン通りです。神村学園はU-18代表の選手が、ものすごいプレーをしますし、初めての対戦なので楽しみです。失うものがないので、しっかり分析して一生懸命やりたいです。

⑥稲見哲行
ゴールを決めたときはうれしかったですが、先制点を取ったあとに失点していたので、喜び過ぎずに気持ちを引き締めようと思っていました。追いつかれてから、相手に押し込まれたときに耐えきれたのは、チームの成長した部分だと思います。交代選手は、スピードがある選手、ドリブルが得意な選手と、持ち味があるので、入った選手の個性を生かそうと思っています。疲れた時間帯に入ってくると、そういう選手はフレッシュなので、彼らを積極的に使おうと思ってやっています。

⑦松井蓮之
率直にうれしいです。結構、プレッシャーはかかっていましたが、それ以上のものを出せました。あらためて初戦の難しさを感じさせられる試合でした。2失点はいらない失点だったので、次の神村学園戦では失点なしで、自分たちの攻撃を発揮して勝ちたいと思っています。観客の多さが県大会とは異なり、緊張したところがあって、出足も遅くなったかなと思います。三重高は足元がうまいとわかっていたので、自分は起点となる14番、7番をつぶすことを意識していました。そこは、まあまあできたと思います。明日は高橋大悟選手というJ内定の選手もいるので、自分と稲見でしっかりつぶして、起点を作らせないようにしたいと思います。

⑩飯島翼
いつもは後半から出ていたので、前半途中での出場に驚きました。心の準備ができていなくて、最初は全然ダメでした。ゴール前まで行って、フィニッシュの部分で決めきれなかったので、次は決めきれるようにしたいです。前半は堅守を生かして、前で高い選手が競って、拾って攻撃するというのが多いですが、後半に相手の足が止まったところで細かいプレーを出してゴールを狙っています。

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