第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第96回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 神村学園-昌平

2018年01月02日

篠幸彦(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

18年1月2日(火)12:05キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客4,650人/試合時間80分
神村学園
1 1-0
0-0
0
昌平
高橋大悟(前半9分)
得点者  

序盤から昌平がポゼッションを高めてリズムを作り、両サイドを起点に攻め込んだ。しかし前半9分、クロスの競り合いからこぼれ球を⑭高橋大悟が冷静に流し込んで神村学園が先制に成功する。失点後も昌平は立て続けに決定機を作るも得点ならず1-0で前半終了。1点ビハインドの昌平は後半早々に⑦山下勇希を投入し、さらに攻勢を強めた。神村学園は堅い守備ブロックで耐えるが、後半23分に⑭古川勇輝がフリーで放ったシュートを①冨吉優斗がビッグセーブ。ワンチャンスをものにした神村学園が1点を守り切り、3回戦に進出した。

エースの2試合連続弾で
神村学園が3回戦進出

「本当にあのワンチャンスしかなかった。あれを仕留めるのが⑭高橋大悟です」と、神村学園の有村圭一郎監督はエースの一発を誇らしげに語った。

前半から昌平が自慢の攻撃力を発揮し、神村学園を受け身にならざるを得ないほど圧倒した。大宮アルディージャに内定が決まっている⑨佐相壱明が1トップを張り、両サイドの2列目から⑰森田翔、⑬伊藤雄教が果敢に裏へ抜け出し、トップ下の⑩渋屋航平が嫌な位置で縦パスを受けてブロックの内側に入り込んだ。「トップ下に縦パスを入れさせないようにしていても入れられてしまっていたと思う。相手がうますぎた」と、有村監督は相手の巧みなパスワークに翻ろうされていたことを素直に認めた。

そんな劣勢に立たされるチームを救ったのが、清水エスパルス内定のエース⑭高橋だった。前半9分、右サイドの⑦中上黎士のクロスを⑨大山尚一がDFと競り合った。ボールはすぐ手前に落下すると⑭高橋の元へ。⑭高橋はワンタッチでコントロールすると、左足で冷静に左サイドネットへ流し込んだ。唐突に訪れたワンチャンスをエースはいとも簡単にゴールに結びつけた。「シュートセンスは本当に高いので、ああいうシュートは外さない」と有村監督は絶賛。本人は「たまたまです」と謙遜するも「練習してきた通りにできた。いいイメージで蹴れました」と日々の積み重ねが生きたシュートだったと振り返る。

この1点を境に神村学園が作り出した決定機はない。その後は粘り強い守備で、昌平の猛攻を耐え続け、最後まで集中と体力を切らせることがなかった。その強固な守備のベースは、選手たちの自覚が一つのキーワードだったと有村監督は明かした。

「夏まではやりたいことしかしないわがままなチームでした。でもそれじゃあ勝てないというのを本人たちが自覚してから守備を鍛え始めました。それまでは自由にやらせていたんです。やらせるとやらない子たちなので。自覚したときにスイッチを入れてから本当に守備は粘れるようになったし、我慢強くなりました」

それでも神村学園は守備が持ち味のチームではない。巧みなボール回しで主導権を握るサッカーこそが真骨頂。その鍵となるのはボランチ⑥田畑拓武の復調だ。「田畑のところがうまく波に乗れていなくてボールロストも多く、ゲームが安定していない。でも今さら田畑を変えられないので、あいつに奮起してもらうしかない。田畑が変われば、その一点だと思います」(有村監督)。3回戦でチームの心臓が機能することをチームメートは待ち望んでいる。

監督・選手コメント
神村学園
有村圭一郎監督
相手が上手なのは知っていたが、ちょっとリズムを作るとかそんなことではなく、しのぐ時間のほうが長くなってしまった。一瞬の隙を突いて1点を取れてよく粘り切ったというゲーム展開だったと思う。(明日が3回戦だが)疲れたとかもう言っていられないと思うし、昌平さんの気持ちを考えたら僕らは簡単には負けられない。それを背負ってやりたい

⑭高橋大悟
もう見たままで、圧倒された。すごいという一言。素晴らしいチームだった。見ていて僕より楽しんでいる人がいたので、ちょっと嫉妬した。ゴールは正直、練習のままという感じ。シュートは色んな形で練習しているので、イメージで迷いなく打てた

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