第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

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第96回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 昌平-広島皆実

2017年12月31日

河合拓(フリーライター)取材・文

17年12月31日(日)12:05キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/観客9,366人/試合時間80分+PK戦
昌平
1 1-1
0-0
PK
4-3
1
広島皆実
佐相壱明(前半19分)
得点者 堤太一(前半34分)

序盤は昌平がボールを保持するものの広島皆実の守備ブロックを崩すことができない。それでも前半19分、⑤塩野碧斗のクロスをエリア内でマークを外した⑨佐相壱明がヘッドで合わせて1点をリードする。広島皆実は31分に早くも選手交代を行うと、交代出場した⑩若宮健人の突破からチャンスを作り、最後はゴール前の混戦から⑧堤太一が同点ゴールを挙げた。後半は互いに攻めあぐねる展開となり、1-1のまま後半は終了。PK戦の末に昌平が選手権の初勝利を挙げた。

先制点を挙げた昌平のエース・佐相壱明
初戦でつかんだ手応えと課題

「ホッとした感じと、やったという感じ、両方ありますね。この日のためにずっと準備してきたので、全国で初めて勝つことができて、言葉にすることができないくらいうれしいです」

卒業後、大宮アルディージャ入りが決まっている昌平の⑨佐相壱明は、勝利した感想をこう話した。3年ぶり2度目の選手権出場を果たした昌平は、PK戦の末に広島皆実を破り、2回戦に進出。佐相は先制点を挙げ、勝利に貢献した。

前半19分、⑤塩野碧人のクロスがあがると、「蹴る瞬間まではセンターバックを引き付けて、蹴る瞬間、瞬間的なスピードでマークを外しました」という⑨佐相は、完全にフリーとなってヘッドでゴールネットを揺らした。プロ入り後、ホームスタジアムとなるNACK5スタジアム大宮での先制弾を「毎試合、ここでは点を取れているので、いつもどおりだっていう感じでした。自分が点を取れずにチームが負けたら、オレの責任だと思っていたので、点を取ったときはホッとしました」と、表情を緩ませる。

チームの期待に応える先制点を決められた一方で、課題も残った。先制点を挙げた後の前半25分、昌平はテンポ良くパスを回して相手ゴールに迫ったが、⑨佐相の放ったシュートはカバーに入ったDFに阻まれた。同34分にも、GKと1対1になる決定的な場面があったものの、シュートをはじかれている。この2度の場面で得点を決めきれなかったことで、ゲームはPK戦までもつれる難しいものとなってしまった。

「あの2つのチャンスを決めきれていれば、もっとラクな試合展開になったと思うので、そこは反省点です。ゴール前での弱さが出てしまったと感じています」と、反省した。

選手権は、選手を大きく成長させる場でもある。⑨佐相が、より高い決定力を持つ選手になることも十分に可能だろう。チームメートが全国の舞台で硬くなる中、彼は「異様というか、気持ちが昂るような雰囲気で、自分の限界を感じないくらいプレーができました」と、選手権特有の雰囲気を楽しめていたという。実際、ゴールを挙げた場面以外でも、後方からのボールを収めて前線で起点を作ったり、DFを背負いながらもボールを運んだりと、個の能力の高さを随所に見せた。

勝ち進めば、勝ち進むほど注目度は高まる。そうした状況を楽しめて、より高いパフォーマンスを発揮できるストライカーの存在は、昌平の大きな武器となるはずだ。

監督・選手コメント
昌平
藤島崇之監督
自分たちがやりたいことができたかというと、ほとんどできなかった状況もありました。それでも選手起用を含めて、今までやってこなかったことを大胆にやったことが、勝利につながったかなと思います。3年前に出た選手権では、なんとなく1試合で終わってしまったという感想がありました。今回は去年のインターハイで3位になったこともあり、選手たちのモチベーションも高まり、トレーニングのレベルも非常に高くなり、切磋琢磨できる環境で誰が出てもいけるようになりました。それを選手も実感しているでしょうし、良いモチベーションを持っていける選手を使っていければ、なお良くなると感じています。今回、選手権初勝利を挙げましたが、私自身も現役時代に勝って年越しすることができませんでした。そういった意味ではすごく良い経験ができましたし、次に向かってもう一回選手たちが今日できなかったことを反省しながら、良さを出せるという自信を持ってしっかりできればと思います。

①緑川光希
今日勝てたのは、全員が集中して守って、最少失点に抑えることができたからです。PK戦では後ろにいた応援団の存在が心強かったです。シュートを止めたときも、「緑川、ボールを見ろ!」という言葉が耳に入ってきたので、落ち着いて対応できました。1本目、2本目は逆を取られましたが、3本目から落ち着くことができたと感じました。今日の試合に勝つことができたので、また宿舎に戻って笑顔でご飯を食べられます。どのチームよりも長く戦い続けることを目標にしているので、また1月2日も勝てるように良い準備をしたいと思います。

⑨佐相壱明
最初の5分で、強引にでも1本、打っておこうと思っていたんですけど、相手に警戒されてシュートがあまり打てませんでした。それでも自分にとってのファーストシュートを決められたのは、良かったと思います。自分にマークが集中するのは、選手権の予選から経験していますし、自分がおとりになることも意識しています。PK戦は緊張しなかったので、蹴りたいように蹴れましたし、絶対的守護神の①緑川がいますから。あいつはやっぱり頼もしいなと思いました。

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