第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

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第96回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 旭川実業-宜野湾

2018年01月01日

上岡真里江(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

17年12月31日(土)12:05キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客 2047人/試合時間80分
旭川実業
4 2-1
2-1
2
宜野湾
西村歩夢(前半7分)
圓藤将良(前半37分)
山内陸(後半9分)
圓藤将良(後半16分)
得点者 与那嶺琉(前半28分)
富田勇人(後半35分)

立ち上がりから旭川実が積極的に攻めた。前半7分、最前線から果敢にプレッッシャーをかけたFW⑩西川歩夢がペナルティーエリア付近で相手DFからボールを奪い、そのまま左足で決め先制。28分にGKとDFの連携ミスを宜野湾FW⑧与那嶺琉に狙われ1点を失うが、37分に⑨圓藤将良のボレーで再びリードすると、後半にも2点を加え、2回戦進出を果たした。
3点のリードを許したものの、宜野湾は後半35分にセットプレーから⑭富田勇人が頭で決め、追撃のムードを作ったが、力及ばなかった。

悔しさをバネに着実に成長
決定力増したU-18代表候補が勝利へ導く

旭川実が、見事に昨年1回戦敗退の雪辱を晴らした。その中心として輝いたのも、やはり、前回大会から悔しさを胸に抱き続けてきた⑨圓藤将良だった。

2年生ながら、昨年もFWで先発フル出場。スタイルとするつなぎのサッカーで主導権を握る時間は少なくなかったが、前半だけで3失点を喫し、内容と結果の一致の難しさを知った。

あれから1年。「何もできなかった」と、唇を噛んでいた(当時)17歳は、誰からも注目される、頼もしい存在となって全国の舞台に戻ってきた。「(全国大会は)1回経験してる立場なので、自分が引っ張ろうと思っていました」。

開始早々の前半7分、「相手が、低い位置でのボール保持が多かったので、どんどん狙って奪いに行こうと、歩夢と話していました」。狙いどおり、相棒・⑩西川歩夢が宜野湾DFのゴール前からのビルドアップの瞬間、ボール奪取に成功し、幸先よく先制するも、同28分に、逆に味方のDFからGKへのバックパスの瞬間をかっさらわれ同点に追いつかれた。

そこで、嫌な流れを吹き飛ばしたのが、⑨圓藤だった。同37分、右サイドから上がった⑦櫛部悠路のクロスボールに中央でドンピシャで合わせ、ダイレクトボレー。「良いところにボールが来たので思いきり振り抜いたら、良いところに行ってくれました。自分でもビックリ。うまくいきすぎました」。自身、全国選手権初ゴールとなる見事なゴラッソに、笑顔を見せた。また、後半16分にも、相手のDFからGKへのパスミスをすかさず奪い、チーム4点目を決め、試合を決定づけた。

8強入りしたインターハイでの活躍を機に、初のU-18日本代表候補にも選ばれた。明らかに変化した、周囲からの注目の眼差しに、「できるだけ恥じないプレーをしよう」と、意識が高まった。また、「(旭川)実業とは違う環境で、(代表では)ついていくだけで精一杯だった。(学校に)戻ってからも、練習からこのレベルでやっていこう」と、さらなる成長への意欲も高めている。FWとして、どうすれば決定力が上がるか。その1つの起爆剤として、「僕以上に、歩夢のほうがひたすら点を取りたい人。ストライカー的なタイプ」と表現する、⑩西川と、お互いにゴールを取りあっている環境を挙げる。「それで、結果としてチームが勝てているので、いいと思います。自分は、点を取ることもですが、とにかくチームが勝てればと思っています。その中で、自分も点にかかわれれば、一番ですね」。

昨年は、NACK5スタジアムで敗退を喫した。ここまで「もう一度、NACK5に戻ろう」を合言葉に、チーム一丸戦ってきた。いよいよ次戦、リベンジの舞台に立つ。

(監督・選手コメント)
旭川実業
富居徹雄監督
内容的にはそんなに良くなかったです。前半戦の戦い方を見て、宜野湾さんも戦術的に練ってきたなと思いましたし、後半も戦い方を変えてきて、非常にやりづらかったです。最初に1点を取って、そこで勢いがつけられれば良かったですが、その後、失点するあたりが、“(ウチ)らしい”というか。得点は入りましたが、力を出し切れているかといったら、決してそうではなくて、この時期にしても、まだまだ不確定要素がある。次の相手(日本文理)も非常に強い。今日のようなゲームをしていたら、次は勝てないと思う。もう一度しっかりと整理をして、次に挑みたいと思います。

⑨圓藤将良
試合の入り自体は良くなかったですが、初戦を勝てたということで良かったと思います。ただ、個人としては、2得点は取れましたが、プレー全体を振り返ると、決して良かったとは思えない。ボールを収めるところ、タッチの部分でおぼつかなかったので、僕自身は満足はしていません。チームとしても、もっとできると思います。特に守備。1個遅れて交わされたりする場面などがあったので、もっと走って、もっと球際などにもガツガツいかなければいけない。4得点は収穫ですが、失点に関しては、いらない失点ばかりでした。そのあたりが、もう一度しっかりと確認しなければいけない課題だと思います。

宜野湾
平田敦志監督
前半、なんとか1-1のままで前半を折り返したかったです。後半は、前半でうまくいかなかった、ラインを少し押し上げてプレスをかけに行くところと、マイボールになったときに怖がらずにしっかりとチャレンジしようというところを修正しました。その部分が良くなって、少しリズムが良くなって、取り戻せるかな、と感じていたところでの3失点目。2点目、3点目とも、自分たちがやろうとしていたことが出せそうかなという時間帯での失点が重なってしまったため、うまく波に乗れず、結果として4失点目のああいう(DFからGKへのパスミスからの失点)ところにつながったのかなと。その後も、「沖縄県を代表としてきたからは、最後まで走りきって戦おう」と、セットプレーとはいえ、あきらめずに1点を奪えたことは良かったなと思います。結果は、2−4という残念な結果でしたが、今持っている力を発揮するために、選手たちは戦ってくれました。負けてこういうことを言うのもどうかと思いますが、自分たちが持ち味としてやってきたことは、ある程度出せました。逆に、選手たちはよくチャレンジしてくれたと思っています。ただ、ここぞというときの集中力、やってはいけないミス、ミスが出たところで得点につなげられるかという部分で力の差を感じました。

⑧与那嶺琉選手
(旭川実のGKとDFとのパスミスを奪っての得点について)相手がバックパスが多かったので、狙っていました。なかなかミスはしてくれませんでしたが、タイミングを感じて「来た!」と思って狙って行ったら、ちょうど相手がミスしてくれました。相手のミスという結果ではあったのですが、自分が読みで勝ったという意味では、うれしかったです。
結果としては負けてしまいましたが、失点も自分たちのミスが原因だったものばかりで、試合全体を通しては、あまり負けたという感じはしていません。逆に、守備の部分でも、練習してきた「押し出す」という形は出せたと感じていますし、武器としてきた下(DFライン)からのビルドアップもできたと思う。結果的に負けて、悔しい思いは強いですが、2年生、1年生に良い経験をさせてあげられたと思うので、後輩には、来年また頑張って欲しいです。
僕は、真剣にサッカーをやるのは高校で終わりと決めています。その最後の試合で、点も決められて、さらに人生で初となる雪も見られて、良い思い出になりました。唯一の心残りは、もう少し長い時間ピッチでプレーしたかったです。

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