第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第95回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 青森山田-正智深谷

2017年01月05日

平野貴也(フリーライター)取材・文
木鋪虎雄 写真

17年1月5日(木)14:10キックオフ/神奈川県・等々力陸上競技場/観客10,089人/試合時間80分
青森山田
3 1-0
2-1
1
正智深谷
⑪鳴海彰人(前半13分)
⑩高橋壱晟(後半13分)
オウンゴール(後半21分)
得点者 ③田村恭志(後半33分)

互角の立ち上がりから青森山田が先制して主導権を握るが、正智深谷もカウンターで応戦し、見応えのある展開となった。青森山田は後半13分にロングスローをそらしたところへ⑩高橋壱晟が飛び込んで追加点。さらに、右からのクロスが相手に当たるオウンゴールで3点差として勝利を決定づけた。それでも正智深谷の反撃は止まらず、後半33分に右コーナーキックの流れから③田村恭志が1点を返して猛攻。耐え抜いた青森山田が逃げ切りに成功した。

スコア以上の接戦をものにした
青森山田2人の決定的なプレー

プロへ行く選手が、格の違いを見せた一戦だった。堅守速攻でプレミア王者を迎え撃った正智深谷のチームパフォーマンスは、かなり高かった。青森山田のMF⑦郷家友太が「(先制点で)試合の流れを取れていなかったら、どうなるかわからない試合だった」と話したように、試合は互角に近い内容だった。それでもスコアに差がついたのは、青森山田が誇る2人のプロ入り内定選手のプレーによるところが大きかった。

J2千葉へ加入するMF⑩高橋壱晟は、1ゴール1アシストの活躍だった。右サイドの深い位置から丁寧なクロスで先制点を演出。後半は、ロングスローを頭でそらしたところへ飛び込んで左足ボレーで追加点を奪った。青森山田の黒田剛監督は「ここから先は、多くのチャンスは作れない。1発のボールできちんと決め切ることが大事。逆に言えば、たった1本のフィードやリスタートに、相手も良い形で入って来る。一瞬に神経を使っていかないと明暗を分ける。高橋は、流れが悪い中でもサイドを変えるなど試合をコントロールしようと落ち着いてやってくれた」と苦しい試合の中で決定的な仕事をやってのけた背番号10を称えた。

もう1人は、J1のFC東京に加入するGK①廣末陸だ。スコア上はリードしながら、正智深谷のスピードと気迫に押される時間も少なくなかったが、最小失点に抑えた。まだ1点のリードだった後半開始早々には、正智深谷のMF⑰谷口瑛也との1対1をきっちりとセーブ。相手の猛反撃の時間を終了間際だけに留めることに成功した。

⑨玉城裕大、⑲西澤悠人、⑪新井晴樹の快速3トップを前線に並べた正智深谷の青森山田対策は十分に効いていたため、早々に追いつかれていれば試合の展開は大きく変わっただろう。スコア以上の接戦だっただけに、勝つために仕掛けなければいけない時間、耐えなければいけない時間で決定的なプレーを見せた2人の存在は特に際立っていた。高円宮杯U-18プレミアリーグチャンピオンシップに続く全国2冠を成し遂げるためには、やはり2人の活躍が欠かせない。

監督・選手コメント
青森山田
黒田剛監督
思った以上に選手の体が重く、疲労が見えた。無失点優勝を目指して来たけど、失点もしてしまった。ただ、プレミアリーグを通してやってきた警戒心や危機感、継続力が少し緩んだ瞬間が見えたけど、選手もよくわかっていたので、良い教訓、刺激をもらいながら次の試合に向かえることをポジティブに捉えてやっていくしかない。

⑦郷家友太
勝ったけど、⑪(鳴海)彰人さんのゴールで試合の流れを取れていなかったら、どうなるかわからない試合だった。ロングスローは、前の試合も同じような形で点が入っているので、練習してきて良かったと思う。

正智深谷
小島時和監督
前線の3枚にスピードのある選手を置いて、相手のロングパスからボールを奪い取って(素早く)前線に入れることを狙うぞという話をしていて、プランどおりにできていた。ただ、相手は点の取り方が上手だった。警戒していた形なのに得点して来るあたりは(プレミアリーグの)チャンピオンチームだなという印象。0-1で行けばチャンスはあるという話をしていたが、警戒していたロングスローでやられてしまった。アンラッキーな3点目が重くのしかかってしまった。

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