第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第95回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 佐野日大-米子北

2017年01月02日

森田将義(フリーライター)取材・文
松岡健三郎 写真

17年1月2日(月)14:10キックオフ/東京都・味の素フィールド西が丘/観客2,961人/試合時間80分
佐野日大
1 0-0
1-0
0
米子北
オウンゴール(後半22分) 得点者  

開始から米子北がエース⑪伊藤龍生へのロングボールで押し込んだが、5バックで臨んだ佐野日大の守備を崩すことができず。前半15分に訪れた決定機も①中村一貴の好セーブに阻まれ、無得点のまま前半を終えた。後半も主将の④福田一成を中心に粘り強い守りを見せた佐野日大のゴールが奪えず時計の針が進むと、後半22分には米子北GKがペナルティーエリア外に出てクリアしたボールが佐野日大⑧赤間紅都に当たり、ゴール前へ。クリアに向かったDFのキックが無人のゴールに突き刺さり、オウンゴールという形で佐野日大が先制した。そのまま逃げ切った佐野日大が3回戦に進んだ。

小柄なGK中村一貴の武器は「前向きな姿勢」
米子北の猛攻を防いだ佐野日大が2回戦へ

176センチの身長は決してGKとしては大きくない。だが、佐野日大の最後尾を託される守護神①中村一貴にはハンディを補う以上の武器がある。それは「失敗しても前向きな気持ちを失わない」(海老沼秀樹監督)強い精神力だ。

前向きな姿勢は試合開始から見て取れた。1回戦の和歌山北戦は無失点に抑えたものの、「前半のプレーがよくなかった」(中村)と課題が出たが、この日はアップから声を出し、気持ちを高めて試合の入り方を修正。その結果、開始と共に何本も浴びせられたロングボールに対しても、「身長が低い分、ジャンプ力や反射神経が強みで、練習ではジャンプ力を上げるために足の筋肉を特に鍛えている。今日はどんどんハイボールには出ていこうと思っていた」と果敢に空中戦に挑み、パンチとキャッチで米子北の攻撃をシャットアウトした。

最大のハイライトは前半15分に訪れたピンチだろう。競り合いのこぼれ球がDFラインの背後にこぼれると、中村よりも先に米子北のアタッカー陣がボールに触った。「もう終わった」と④福田一成が振り返るほどのピンチだったが、「まったく覚えてないけど、反射的に身体が動いた」という中村がかろうじて、シュートをブロックし、失点を回避した。

後半に入ってからも守護神の奮闘は続く。前半同様に米子北の猛攻を受け続けたが、「ゼロで抑えることができれば、必ずワンチャンスが来る」と味方を信じて、ゴールマウスに鍵をかけ続けた。残り10分を切ってからは、前線の人数を増やした米子北がより圧力を強めた攻撃を繰り広げた。いくら弾いても襲ってくるロングボール。ジャンプしたタイミングで相手と接触すること場面も増え、激痛のためしばらく起き上がることができないシーンもあったがひるむことなく、最後までゴールを死守。海老沼監督は「いろんなミスはあったけど、前向きに挑み続けたから今日のビッグセーブに繋がった」と守護神を称えた。試合後、左まぶたを腫らして報道陣の前に表れた中村だが、ひるんだ様子は見られない。「1試合1試合、戦うごとに自信がついてきている。それが過信にならないように、また次もゼロで抑えたい
と口にするように、選手権で彼のチャレンジはまだまだ続く。

(監督・選手コメント)
佐野日大
海老沼秀樹監督
相手は前線に素晴らしい選手がいます。そこを徹底して生かしてくる相手をどうにか防ぎたいと考えていました。いつもよりブロックは引き気味にして守っていこうと。守備のときは5枚で守ることになるのですが、前向きに奪えたら、1トップにボールを入れて攻めようと思っていました。耐える時間は長くなりますが、チャンスは1回は必ず来るから、それを信じてやっていこうと選手に話していた。前半の戦いはパーフェクトに近い出来を披露してくれました。

④福田一成
米子北と対戦するということで、ビデオを見て研究しました。相手の戦い方は前線にボールを送って競り合うということは分かっていたので、まずは競り合いをしっかりしようと声をかけていました。こぼした後のセカンドボールをしっかり拾えれば、失点はゼロで行けるんじゃないかと。そこがしっかりできたから、結果に繋がったのではないかと思います。

米子北 
中村真吾監督
結果がこういう結果なので、今日の試合は間違いなく相手のペース。僕たちが押し込んでいたように見えるかもしれませんが、あれは相手の作戦。かなり研究されて、完全にリトリートして挑まれてしまいました。うちの策がなかった感じですね。後半に入ってからは交代カードを使い、サイドからロングボールを入れるなど攻撃の角度をつけたかったのですが、縦のボールが多かった。サイドはもっと突破できるかと思ったのですが、相手のサイドの対応が非常によかったです。

①中原創太
今日はずっと攻めていて、試合内容としてはいつもよりよかったと思います。でも、試合を通して攻めることはできたものの、監督から言われたことを徹底できなかった。前半は攻めてはいたけど、雰囲気がよくなかったし、点が入らなくて焦っていました。その結果が失点の場面に繋がったように思います。自分たちの力不足が今日の結果に繋がったと思います。

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