第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

PUMA

第95回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 前橋育英-市立船橋

2017年01月02日

松尾祐希(サッカーライター)取材・文
加藤正昭 写真

17年1月2日(月)12:05キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客10,090人/試合時間80分
前橋育英
0 0-0
0-0
PK
5-3
0
市立船橋
  得点者  

一昨年の準優勝校・前橋育英は夏冬連覇を目指す王者・市立船橋に対し、「前からプレスに行くことは最初から決めていた」(山田耕介監督)という統率の取れた守りで試合の主導権を掌握。球際で競り負けることもなく、こぼれ球を拾い続けた。後半に入ると運動量が低下し、相手に押し込まれたが2年生主体の最終ラインが集中力を維持する。最後まで守備陣が奮戦して勝負をPK戦に持ち込むと、後攻の相手が1本目を失敗。対するタイガー軍団は5人全員が成功し、3回戦へと駒を進めた。

出場停止から帰ってきたチームリーダーが
精神的支柱として存在感を発揮

戦前の予想は総体王者・市立船橋優勢だった。前橋育英は総体県予選1回戦で敗退するなど、今年度は結果を残せておらず、苦戦が予想されるのも当然だった。

しかし、前線から勇猛果敢にプレスを仕掛けると、中盤でことごとくセカンドボールを回収。今季のベストバウトと呼べる内容で勝利をたぐり寄せた。その中で市立船橋戦に人一倍掛けていた選手がいる。プリンスリーグ最終節の東京Ⅴユース戦で一発退場になったため、1回戦の明徳義塾戦を欠場した⑥長澤昴輝だ。「自分は公式戦のくくりで繋がっているとは思っていなくて、最初は(出場停止だと)知らなかった。コーチから通知されて初めて気がついた」と、大会1週間前の12月24日まで正確に把握ができていなかったと当時を振り返る⑥長澤。ただ、「プレミアリーグの参入戦がなくなったので直前合宿をやったのですが、そのときもBチームでプレーした。なので、1回戦に出られないというのは薄々分かっていたのですが」というように予想はできており、気持ちの切り替えはスムーズに進んだ。

とはいえ、1回戦に勝たなければ自分がピッチに立てない。そんな長澤に対してチームは勝利を届けることを約束。主将の⑦大塚諒と共にチームをけん引してきた大黒柱に対し、後輩の2年生CB・③角田涼太朗が「昴輝さんのために絶対勝ちますよ」と本人に決意を告げるなど、チーム内には長澤のためにという想いがあった。だからこそ、チームメートに連れて来てもらった2回戦に自身は掛けていた。「セカンドボールを拾えたことは諒のおかげ。自分は全然ダメだった」というように出来としては満足できない点もあったが、「一昨日、みんなが勝ってくれたときは正直うれしかった。今日の試合は人一倍責任感を感じながらやりました」と本人が振り返るように気迫溢れるプレーで勝利に貢献。精神的支柱として唯一無二の存在感を発揮してみせた。

大一番を制したが、⑥長澤は自身のプレーに満足していない。「僕だけは初戦だったので、最初は雰囲気に飲まれてズルズルいってしまった。明日からは修正していきたい」という背番号6は3回戦での活躍を誓う。

監督・選手コメント
前橋育英
⑥長澤昴輝
(1回戦に)勝ったら次は市立船橋が相手かもしれないという話をしていたので、ボールを前から取ろうというのは前々から考えていた。(市立船橋に対して1回戦の相手だった)京都橘はちょっと引いているところがあったので、前から行こうというのはチームでも個人でも考えていたので話をしていた部分。(優勝候補を破ったけど)自分たちは(総体県予選で)初戦敗退しているので逆襲をするだけ。どんなことを思われても自分たちはチャレンジャーとしてやっていくしかない。

市立船橋
朝岡隆蔵監督
前橋育英さんは素晴らしいゲームをしたし、僕らを上回っていた。それはメンタル面かもしれない。相手は僕たちをリスペクトしてやってくれていたので、それを上回る難しさを感じました。(前橋育英が引かないで前からボールを奪いに来ることは)想定していなかった。ただ、常に相手のプレッシャーや圧力を感じながらゲームをやるということに関しては、想定外ではなく予想はしていた。それに対して別に選手たちはストレスなくある程度しっかりやってくれたと思う。(ここまで戦ってくれた3年生に対しては)本当にお礼しかない。一生懸命やってくれましたから。本当にいい想いをさせてもらったし、1年間楽しくやらせてもらった。たがらこそ勝たせて上げたかった。本当に素晴らしいチーム、選手たちだった。そこに対してはお礼しかありません。

⑩高宇洋
守備のところでは無失点に抑えて終われたのですが、1年間課題だった得点力の部分が最後に出てしまった。前半の最初は相手のプレッシャーに慌てる場面もあったのですが、みんなで修正して徐々にオフェンシブハーフに入る回数も増えた。相手のゴール前に行く場面も多くなったけど、最後まで得点が取れなかったことが大きな問題だった。

img
img
img
img
img
img
(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
ページトップへ