第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

PUMA

PUMA

第95回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 青森山田-鵬翔

2017年01月03日

河合拓(フリーライター)取材・文・写真

17年1月2日(月)14:10キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/観客5,772人/試合時間80分
青森山田
5 3-0
2-0
0
鵬翔
⑩高橋壱晟(前半7分)
⑪鳴海彰人(前半23分)
⑦郷家友太(前半31分)
⑧嵯峨理久(後半8分)
⑦郷家友太(後半28分)
得点者  

開始直後、鵬翔は⑬宇津元伸弥が決定機をつかむが、GK①廣末陸に防がれる。ピンチを凌いだ青森山田は7分に⑩高橋壱晟がゴールを決めて、1点をリードする。その後も23分に⑪鳴海彰人、31分には⑦郷家友太が加点し、前半だけで3点のリードを奪った。後半に入ってから鵬翔も修正し、反撃を試みたが、GK①廣末を中心とした青森山田の守備を崩せない。対する青森山田は、しっかりとチャンスを生かして48分に⑦嵯峨理久、68分に⑦郷家がゴールネットを揺らし、5-0の完勝を収めている。

同世代最高のGKに挑んだ鵬翔GK原田
「ちょっとレベルが違いましたね」

鵬翔学園の①原田健次郎は、初戦の相手が青森山田に決まったとき、「一泡吹かせてやろう」と、モチベーションが上がったという。相手のGK①廣末陸は、PK戦にもつれた高円宮杯チャンピオンシップで活躍し、MVPにも選出された。2017シーズンからは、FC東京に加入することも内定している。同じピッチに立てば、同年代でも最高のGKと評される①廣末の力を把握でき、自分との差も感じられると思っていた。

しかし、80分の試合で、原田は大きな力の差を見せつけられたと肩を落とす。「ちょっとレベルが違いましたね……。ポジショニングだったり、反応だったり、ゲームの作り方、時間帯に応じたプレー。すべてが違いました」。

開始早々に⑬宇津元伸弥のシュートをセーブしたGK①廣末は、後半にも2度の好セーブを見せて反撃に出た鵬翔にゴールを割らせなかった。スタンドを沸かせたのは、守備だけではない。高速パントキックは低い弾道でも、しっかりと敵陣深くまで飛んで行き、好機につながった。2点目の⑪鳴海彰人のゴールは、①廣末のキックが起点となった。試合の途中からは、①廣末がキックをするたびに、スタンドからはどよめきが起こるようになっていた。

「あれだけ高い精度の長いボールを入れられると、DFの対応は難しくなって、後ろ向きに弾いてしまいます。相手は長いボールを蹴って、セカンドボールを取ることを徹底してやっていましたし、2点目の場面は、そのこぼれ球をきれいに決められました」と、原田は肩を落とす。そして、「自分が蹴っても、全然、沸かなかったですからね……。自分も、何度かドンピシャで(味方に合わせる)キックができたのですが、全然、沸きませんでしたからね」と、唇をかんだ。

同じピッチに立ったことで、まざまざと見せつけられた能力の差。進学する大学でも、サッカーを続ける①原田は、高校生活最後の試合で大きな目標を見つけた。「(廣末は)プロに行くし、チャンピオンシップでもMVPになっていました。顔もイケメンだし、絶対に負けたくないと思っていたのですが……。全然でしたね。動きに無駄がなかったです。僕も大学に行って、もっと頑張ろうと思いました」。いつか再び同じピッチで戦うことを目指して、①原田は自分のサッカー人生を歩んでいく。

監督・選手コメント
青森山田
黒田剛監督
大会の入りとしては、決して悪くありませんでした。前半は2点を取ることを目標にして、ダメでも0-0で行こうと選手を送り出しました。1、2点目が早い時間帯に取れたのは大きかったです。前半で3点を取れたのは、すごくよかったですね。選手もたくさん使えたので。結果は5-0ですが、1-0であろうが、2-0であろうが、次のことを考えないといけません。まだまだ攻守に修正することがあります。明日は異色のチームになるだろうし、やり方も変わるので、今日はきちっと休んで、頭を整理しながら、準備をしたいです。初戦はすごく難しかったのですが、5-0で終われたことについては、自分たちのプレーをしっかりやってくれたなと思います。

①廣末陸
フィードなどで個の特長を出すこともできました。前半に一本、危ないところがありましたが、そういうところを修正できましたし、失点をゼロに抑えることができてよかったです。自分たちが今までやってきたことを出して、しっかり結果も出せているので、いつも通りのプレーを出せれば、自ずと勝利につながると思っていました。立ち上がり、早い段階で点を取れたことが大きかったですし、それが勝利につながってよかったです。この大会に優勝するために高校に入ったので、最後の大会で優勝できるようにやっていきたいです。聖和学園は狭い局面を個の技術で突破してくる、ドリブルが多いチームです。プリンスリーグでも情報は入っていますし、いつも通りのサッカーができれば、負ける相手ではないと思っています。個の技術は高いので、1対1で簡単に抜かれてしまうと、数的不利になる場面が多くなると思うので、一発でいかず、粘り強く守備をすることがポイントだと思います。

⑩高橋壱晟
いい形で(ゴールを)決められてよかったです。先制点が大事だと思っていたので、それが早い時間帯に取れてうれしい。初戦は全体的に固くなるので、自分とか(①廣末)陸のように昨年も出ていた選手が活性化したいと思っていました。3回戦で対戦する聖和学園は、独特なサッカーをしますが、東北対決だし、負けられません。自分たちのサッカーをすれば、絶対に負けない自信があるので、自分たちのサッカーをやりたい。今日はカードをもらっていたこともあったので、途中交代は仕方がありません。今日、休ませてもらったぶん、明日はいいパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います。

⑪鳴海彰人
初戦でしたが、自分たちのサッカーをすれば勝てると思っていたので、別に緊張はしていなかったです。得点シーンは、自分がファーストタッチしてシュートしたところ以外、あまり覚えていません。ファーストタッチで、ツータッチ目にシュートできるいいところに置けたので、あとは押し込むだけでした。クラブワールドカップでベンゼマ選手がアウトサイドで決めたシュートがありました。ベンゼマ選手のようなプレーを目指していたので、そこは意識しました。点差がついても、つかなくても、自分たちの目標は全国制覇なので、一戦一戦頑張りたいと思います。

鵬翔
①原田健次郎
相手の力が上回っていたことが、この結果になったと思います。自分たちに足りなかったのは、こぼれ球に対する執着心、集中力がもっともっとあれば、チャンスはあったのかなと思います。最初にうちにチャンスがあったのはよかったですが、その後、10分以内に点を取られてしまったのが大きかったです。オフサイドとかで助かった場面もありましたが、やっぱり前半で3失点をしたのは大きかったですね。青森山田が強いことは想定していましたが、一つ一つの球際の強さ、前半に3点差をつけても失点をゼロに抑えてくるところは、あらためてすごいなと感じました。後半、うちの流れの時間帯もあったと思うのですが、そこで点を取れなかったのが悔やまれます。1点取れていれば、もう少し変わったゲームになっていたと思います。

⑬宇津元伸弥
立ち上がりのチャンスは、DFの間に立っていて、裏に抜ければチャンスが来るなと思っていました。⑬依光秀選手からのパスを受けて、裏に抜けた瞬間、『もらったな』と思ってシュートをしたのですがGKのうまさに阻まれました。2年生でチームのエースナンバーをつけさせてもらっているのに、仕事ができなかったことは後悔しています。ただ、0-5という結果になりましたが、キャプテンも「悔いはない」といっていましたし、自分たちの力は出し切れました。来年、全国制覇という目標を達成するために、2回戦で負けたことをバネにして、ここに戻ってこられるように頑張りたいと思います。

img
img
img
img
img
(C)Gakken Plus Co.,Ltd.
ページトップへ