第95回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第95回全国高校サッカー選手権大会
2回戦 富山第一—那覇西

2017年01月03日

川原宏樹(本誌)取材・文

17年1月2日(月) 14:10キックオフ/神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場/4,120人/試合時間80分
富山第一
4 3-0
1-1
1
那覇西
オウンゴール(前半7分)
⑪窪喜啓太(前半24分)
⑨本村比呂(前半34分)
⑥松本楓大(後半14分)
得点者 ⑦上原牧人(後半37分)

選手権の常連校同士の対戦となった富山第一と那覇西の試合は、4—1で優勝経験校の富山第一が圧勝した。両校にとって初戦ということもあり、共にきっちりとした守備から臨んだ試合だったが、オウンゴールという思わぬ形で先制点が生まれる。その後、前がかりになる那覇西の攻撃を富山第一は網の目に引っかけてカウンターを狙うという構図となり、前半24分、同34分に追加点を奪った富山第一が前半で試合を決定づけた。後半になりプレーの精度を高めた那覇西が攻める場面を作るも、堅い守備を破ることができず、FKから1点を返すことで精一杯。終わってみれば3点差という大差で富山第一が3回戦へ勝ち上がった。

点差ほど力の差はない
経験の差がスコアの差

終わってみると結果も内容も圧勝で、富山第一の思い描いたとおりに進められた試合といってもいい。しかしながら、個人的な技術レベルでいうと那覇西のほうがテクニシャンをそろえていた。⑩津嘉山海のドリブルで富山第一の包囲網を破る場面を幾度か作り出し、⑦上原牧人の力強さは最終的にFKという形で得点に結びついた。GK①
那覇龍大は速くて正確なパントキックで会場を沸かせた。那覇西は試合開始早々の不運な失点でプランが崩れたこともあるのだろうが、それすらも富山第一の狙いの延長線上で起きたことだった。

「『前半はノーリスクで簡単に相手の裏へ長いボールを』という感じでいっていて、それがラッキーにも先制点につながりました」と富山第一の大塚一朗監督が試合後にコメントしたように、得点の形こそ狙っていたものではなかったが自分たちのプランどおりに試合を進められていたと振り返った。初戦はどのチームも緊張などで思うように試合を運べないことが多い中、優勝経験監督らしい試合巧者ぶりをいきなり見せつける形となった。

その後もプランどおりに試合を進めた富山第一は、前半24分にロングスローの流れから、⑪窪喜啓太が「練習どおり」という形から追加点を挙げる。さらに、その10分後、⑨本村比呂がドリブルで持ち込み強れつなシュートを突き刺した。そして後半14分にはCKの流れから⑥松本楓大がゴールを挙げて試合を決めてしまった。

「前半が終わったら、なるべくセットプレーは出すなといっていて、その後は普通にやってくれたんだと思います。こっちに入ってからはセットプレーばかりやっているので、そのうち試合で(その成果が)出てくれたらいいなと思います。1回戦、2回戦を見てみても、セットプレーで点を取っているチームがかなり多い。そこのあたりで僕らもセットプレーには気をつけたいし、セットプレーで大胆にやりたいと思っています。へたくそなのでどこまでうまくいくかわかりませんが、優勝したときもセットプレーでかなりチャンスを作っていました。そこがうちの武器といえば、武器なのかもしれません」と、大塚監督が語ったように、那覇西が警戒していたセットプレーという手のうちを見せずに富山第一は勝ち切った。さらに大塚監督は「本当は、交代して入った2年生(⑯前田拓哉、⑳高浪陸、⑬坪井清志郎、㉙大竹将吾)がウリなんですけど不発に終わったので、『しっかりやれよ』といいたいですね」と、まだ実力を出し切っていないこともつけ加えた。コメントからもまだ本領を発揮していない富山第一の次戦が楽しみになった。

そして、「優勝したときは交代で入る選手だとか、自在にフォーメーションを変えられるとかが武器だったと思います。去年は交代で入ってくる力がなかなか足りなくて、後からペースアップするということができませんでした。今日は不発でしたが、今年は2年生が本来の力を出してくれれば、優勝したときの雰囲気に近づくんじゃないかなと思います」と優勝経験監督が2度目の頂点へ自信をのぞかせた。

(コメント)
富山第一
大塚一朗監督
「前半はノーリスクで簡単に相手の裏へ長いボールを」という感じでいっていて、それがラッキーにも先制点につながりました。向こうが後ろからボールをつないできたところを何度か引っかけて(攻撃へ展開しよう)と思っていました。それで何度かチャンスがありましたが、しっかりと点を取れていればもっと楽な展開のゲームになったかなと思います。最後に1点を取られたところは、「おまえら、もっとしっかりやれよ」といわれているんだと感じています。最初のほう(の守備)はよかったと思います。その後は、引いてとまではいかないですがブロックを作って、そこに入ってきたボールをうまく引っかけてという守備が何回かできたシーンがありました。その後のチャンスを決めたいんですけど、まだまだダメだったかなと思います。

⑪窪喜啓太
ファーサイドのほうが空いていて、そこを意識していました。⑩久保佳哉がしっかり出してくれて、一度はGKに当たったんですけど、落ち着いて決められました。練習でやっていたことがうまくできて、すごくいい形で点が入りました。けど、自分的にはまだ決められるところがあったので、もっと決定力を上げていきたいと思います。全国大会では次の相手も強豪になるので、自分たちがチャレンジャーという気持ちで、しっかりと前線から守備をして速い攻めをしていきたいです。

⑨本村比呂
チームとしては日本一を目指して3年間ずっとやってきたので、日本一になれるように一戦一戦を勝っていきたい。個人的には得点王になれるように一試合一試合で決めていきたいなと思います。

那覇西
玉城真哉監督
つなぎのところでボールを失うと危ないというのは想定していました。サイド攻撃の狙いがあったんですけど、前半からやりきれていませんでした。相手のプレスに対して幅を使いながらズラしたかったんですけど、結局(相手を)振れないまま、中、中、中へと行ってそのまま捕まったという感じです。後半は少しは振ることができたかなと思いますが、やっぱりやりきれなかったですね。後半は点を取りにいくしかないので、攻めたい(という意思だった)。ただ、放り込むのはうちの持ち味ではないのでサイドを広げて広げてやっていって、後半の早い時間に点を取れればゲームはわからないというつもりで入りました。

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