第94回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第94回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 東福岡-駒澤大高

2016年01月05日

平野貴也 取材・文

16年1月5日(火)12:05キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客7,288人/試合時間80分
東福岡
1 0-0
1-0
0
駒澤大高
橋本和征(後半22分) 得点者  

駒澤大高は主軸DF③佐藤瑶大が3回戦で首を痛めて欠場。FW⑩深見侑生を最終ラインに置いて対応した。試合は、足取りの重い東福岡が、駒澤大高のプレスに苦しんだ。しかし、地力で上回る東福岡は後半にサイド攻撃のギアを上げてペースアップ。後半22分に右からのクロスで混戦になったところをMF⑧橋本和征がヘディングで押し込んで決勝点となる先制ゴールを奪った。東福岡が粘る駒澤大高を振り切り、11年ぶりの4強進出を果たした。

駒澤大高が奮闘も
最後は東福岡が勝ちきる

満身創痍の駒澤大高が、夏の全国王者・東福岡を苦しめた。駒澤大高は、3回戦で同点ゴールを決めたDF③佐藤瑶大が首を負傷したために欠場。最前線で起用されていた主将の⑩深見侑生を急造センターバックに据える苦しい布陣で臨んだ。初戦で負傷交代した右DF②高橋勇夢の状態も思わしくなく、前半3分には東福岡の左FW(24)高江麗央にドリブルできりきり舞いにさせられる場面があった。しかし、前半26分にスルーパスに抜けだした東福岡のFW⑨餅山大輝が放ったシュートを⑩深見がスライディングでブロックするなど粘りを見せ、30分が過ぎると、攻めあぐねた東福岡のミスが増え、駒澤大高がペースを握った。前半36分には左MF⑨矢崎一輝の縦パスからFW⑳服部正也がクロスを上げて⑰竹上有祥がニアサイドに飛びこんで合わせる惜しい場面があった。続けざま、前半37分には左サイドのペナルティーエリア角でFKを獲得。ボランチ⑪野本克啓のクロスを②高橋がヘディングで合わせたが、ゴールの枠を捉えられなかった。

3回戦で市立船橋との優勝候補対決を制した東福岡は、全体的に動きが重く、パスワークにテンポが出ないため、得意のサイド攻撃に持ちこめなかった。大型FW⑨餅山にロングパスを入れてもフォローアップが遅く、孤立してしまい、ポストプレーを生かせなかった。後半、駒澤大高は早々に2人の選手を交代。運動量で勝負に出た。しかし、東福岡は後半8分に2年生MF⑥藤川虎太朗を投入すると、それまでツーシャドーの一角を務めていた⑧橋本和征を左FWへスライド。このポジションを本職とする⑧橋本が縦への突破を仕掛けて攻撃の圧力を加え、駒澤大高を敵陣に押し返した。さらに後半19分、パワーとサイズが武器のFW⑨餅山に代えて、連係プレーが得意なFW⑦毎熊晟矢を投入。少しずつ攻撃のテンポを上げて試合のペースを奪い返した。そして後半22分、右FW⑪三宅海斗が上げたクロスを駒澤大高のGK①鈴木怜がパンチで弾くと、そのこぼれ球を左から中央へ寄っていた⑧橋本がヘディングシュートを決めて先制点を奪った。

駒澤大高は、最後は力でねじ伏せられた印象だ。それでも後半15分、ロングフィードに抜け出した東福岡のFW⑨餅山が切り返しでGKをかわした場面では、1年生DF④西田直也がゴールのカバー、急造DFの⑩深見がボールへのアタックと最善の対応を見せて防ぐなど、粘りは見せていた。1点を取られた後も、中盤で⑪野本がボール奪取と前線へのパス供給を繰り返し、右MF⑧栗原信一郎が思い切りのいい仕掛けで執念の同点ゴールを目指した。2人は、負傷欠場した③佐藤と同じ、FC多摩ジュニアユースの出身。⑪野本は「アイツの分まで頑張ろうと話していた」とかけていた思いを明かした。最後には勝ち切るという東福岡の強さと同時に、駒澤大高の奮闘が光った一戦だった。

(監督・選手コメント)

東福岡
森重潤也監督
最後は、気力。ゲームに入ってすぐ、動けていないなと思った。高校サッカーの指導に携わって、コーチとして2連覇を経験し、監督になってインターハイも取りましたけど、選手権の優勝監督になりたいという僕なりの夢も持っているので、そういう意味で今日の勝利は、選手に感謝している。ただ、これまでも優勝候補といわれながら途中で敗退してきたことがあるのは、何か甘さがあったのかもしれない。先を見ずに目の前のゲームに集中して、どう戦うか、だけ。

⑨餅山大輝
相手がハイプレスとロングボール主体とは聞いていたけど、思っていた以上に自分たちがパスをつなげなかったし、前半はつなぐ位置を間違えていて、苦しい試合展開になった。DFが弾いてもセカンドボールを拾われて、思っていたようにはならなかった。どちらかといえば、相手が押していた試合だと思う。

⑧橋本和征
中盤でいい流れが出来ていなかった。(交代によって中央から)左へ移ってからのほうがプレーしやすかった。なかなかヘディングで決めることはない。相手がGKのカバーに来るのは見えていたので、上に(浮かして)打った。

駒澤大高
大野祥司監督
欠場した③佐藤は、一昨日の試合で同点ゴールを決めたときに首から落ちて、首が動かなくなってしまった。⑩深見は多分、センターバックをやるのは今季初めて。ただ、試合は相手も相当疲れていて、メンタルの部分ではよくやってくれた。今日はサッカーじゃなくて勝負をしろといった。2年生が主力だったので、来年もここに戻って来られるように、またゼロからスタートしたい。

⑪野本克啓
途中まで上手くいっていたけど、いけるかなとみんなが思ってしまったところで、やられてしまったという感じがある。⑩深見がセンターバックでも活躍してくれて、守備は完ぺきなプレーを見せて助けてくれたので、もっと攻撃を仕掛けたかったけど、得点に絡む結果を出すことができずに思わってしまった。残念だし、悔しい。

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