第94回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第94回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 札幌大谷―鹿児島城西

2016年01月01日

森田将義 取材・文・写真

15年12月31日(木)12:05キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/試合時間80分
札幌大谷
1 0-1
1-0
PK
5-4
1
鹿児島城西
  得点者  

「桂輔、マジですげー!ハンパねー!」。試合後、札幌大谷の選手たちが鹿児島城西の代名詞ともいえる言葉を用いて、守護神を称えたように①坂桂輔の活躍が際立った試合だった。

先に試合を動かしたのは、鹿児島城西。試合開始とともに、テンポよくボールをつなぎ攻撃に転じてチャンスを伺うと、前半8分には⑫上囿裕也が上げた右クロスのこぼれ球を、⑨中村英貴が豪快にたたき込んだ。早々と追いかける展開となった札幌大谷だったが、「うちは歴史が浅く経験が少ないチームなので試合の入りが悪いことが多い。でも、アップの雰囲気を見ても堂々とやっているので、そんなに堅くはなかったし、失点されても雰囲気は悪くはなかった」(田部学監督)。だが、DFラインが相手のプレスに圧倒される格好でボールをつなげず、攻撃はロングボール頼みに。ゴール前までボールを運んでも、⑤生駒稀生と㉔生駒仁のCBコンビに跳ね返され、前半のシュートはゼロ本に終わった。

後半も流れが変わらず、鹿児島城西は後半3分に左CK付近から⑭永吉広大がゴール前に送ったパスを交代で入ったばかりの㉓眞田颯が合わせたが、枠の外。5分にも左サイドを抜けだした㉓眞田が好機を迎えたが、札幌大谷DFの粘り強い守りを崩すことができない。時間経過とともに落ち着きを取り戻した札幌大谷が後方からのパス回しでリズムを掴むと9分には⑪木村太哉がペナルティーエリア内で倒され、PKを獲得した。

キッカーは、北海道予選でもPKで得点を奪っている守護神の①坂。「自分がやられて嫌なPKの蹴り方。助走が一定ではなく、タイミングをズラして、駆け引きで勝つイメージ」とGKならではの利点を生かしたゆっくりとした助走からのキックがゴール右隅に決まり、試合は振り出しとなった。得点に続き、24分には本職であるシュートセーブで見せ場も。⑭永吉との1対1を迎え、自身の左下を狙われたが、「下のコースを速いボールで狙われたら、足で対応したほうが早い」(⑭永吉)と並行して行うフットサルの経験を生かして、左足でストップ。同点のまま迎えたPK戦でも、相手3番手のキックに対し、読みを外したが「とっさに足が出た」と右足を伸ばして防ぐと、6番手のキックは読みを的中させて、勝負あり。守護神の攻守に渡る活躍によって、札幌大谷が2回戦へと駒を進めた。

①坂はU-18フットサル日本代表候補にも選ばれており、卒業後はFリーグ入りを目指す。サッカー選手としてプレーを行うのは今大会が最後。「勝負のどころにこだわって、1戦1戦大切に頑張って優勝を目指したい」と意気込んだ。

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(コメント)
札幌大谷
田部学監督
うちは全国大会の出場が5回目。なかなか勝利には恵まれてきませんでしたが、ちょっとずつ点差が縮まってきました。この夏のインターハイでも負けはしたのですが内容もよくて、1点も取れたので、次は何とか初勝利を目指してきました。PKになった時点ですでに、「またちょっと成長したな」と思っていたので、勝てたことは本当にすごい。後半になってから互いに打ち合いとなる中、中盤でこぼれ球を拾ってくれた⑤庄内巧真の存在が大きかった。身体が小さいんですが、非常にクレバーな選手で、非常によかったと思います。

①坂桂輔
チームとして、全国初勝利。全員がハードワークして、勝てたのでとても嬉しいです。先制点を許しましたが、焦らずボールをつなぎながら相手が疲れるのを待とうと、チームのみんなで話していました。後半、狙い通りにチャンスが来て決めることができたのが大きかったです。PKを獲った瞬間はメンバー登録入りを逃した選手たちのこと。アイツらの分まで、絶対に勝とうと試合前から気持ちを高めていました。

鹿児島城西
小久保悟監督
本当に悔しいですね。残念な気持ちでいっぱいです。前半は上手くゲームを運べていたと思うのですが、後半の頭にプレッシングにいったため、体力的にしんどくなってしまいました。それでも、チャンスを作ることができたのですが、決めきることができなかったのが敗因ですね。昨年も同じ会場でPK負けをしており、やっぱり全国で一つ勝つのは難しいなと改めて思いました。また来年、次こそは全国で勝てるチームを作っていきたいです。

⑤生駒稀生
本当に悔しいという言葉しかありません。昨年の選手権で、決めきるところで決めきれないと勝てないということを学んで、この一年頑張ってきましたが、最後に練習してきたことが出せませんでした。PKの場面も自分がファウルをしてなければ、勝てた試合だったと思うので、チームに申し訳ない気持ちが強いです。PK戦に入ってからは、負けた昨年のことが(頭に)思い浮かびました。でもここで勝てるチームにならないといけないと思って一年間頑張ってきたし、みんな、勝つ気持ちでいたので、こういう結果になって残念です。

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