第94回全国高校サッカー選手権大会 全試合完全レポート

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第94回全国高校サッカー選手権大会
1回戦 中京大中京―初芝橋本

2016年01月01日

森田将義 取材・文・写真

15年12月31日(木)14:10キックオフ/埼玉県・NACK5スタジアム大宮/試合時間80分
中京大中京
4 1-0
3-0
0
初芝橋本
水口豪(前半30分)
出村早良(後半13分)
福山大貴(後半15分)
加藤弘也(後半27分)
得点者  

試合後、初芝橋本の阪中義博監督が「勝てた試合だった」とこぼしたように0-4というスコアほど試合内容に大きな差はなかったが、勝負所を抑えた中京大中京が2回戦へと駒を進めた。

立ち上がりに試合の主導権を握ったのは初芝橋本だった。「普通に戦っていては、勝ち目がない」(阪中監督)と大会直前になって採用した守備重視の3ボランチが機能。奪ってからは素早く⑩川中健太、⑦山本遼太にボールを預け、二人の突破から中京大中京のゴールに襲い掛かった。7分には右クロスから、⑨平賀能捷がヘディングシュートを狙ったが、枠の外。23分にも左クロスを⑨平賀が頭で合わせたが、㉕岩本大輝の好セーブに阻まれ、ゴールが奪えない。

対する中京大中京高は、主将の⑥石川将暉が大会直前の負傷によってスタメンを回避した影響でスタートダッシュに失敗したが、後方でのボール回しによって徐々に流れを掴む。前半31分には左CKを獲得すると、「GKが触るか触らないかというところを狙っていた」という⑦辻星哉のキックが、①栗山聖のパンチングミスを誘発。短くゴール前に落ちたボールを⑪水口豪が豪華に押しこみ、均衡を崩した。

「うちが勝つなら2-0か2-1。そのうち1点はセットプレーだと思っていた」(岡山哲也監督)。狙い通りの形で試合を動かした中京大中京は後半に入り、ゴールラッシュを迎える。主役となったのは、「この舞台はお前らが有名になるチャンスだぞ。チームのためにプレーするのはもちろんだけど、自分のためにやってこい。ここで結果を残せば有名になれるぞ」と⑥石川から背中を押された1年生の⑫井村早良と⑮本山遊大だった。

まずは後半12分、「緊張していた中で、石川くんから声をかけてもらい、和むことができた。緊張していた中で、気が楽になったし、頑張ろうと思えたという⑮本山が相手CKのクリアボールをハーフウェーライン手前で拾うと、右のスペースにロングボールを展開。走りこんだ⑫井村がドリブルで相手DFかわして、振りぬいた一撃が初芝橋本のゴールネットを揺らし、リードは2点差に。16分に生まれた④福山大貴の3点目で試合の大勢を決めてからも攻撃の勢いは衰えず、28分には⑮本山のパスに反応した⑩加藤弘也がペナルティーエリア内から右足ボレーをたたき込んだ。試合終盤は再び、⑦山本と⑩川中の個人技によって、初芝橋本が攻勢を強めたが、集中を保った守りでゴールを割らせずタイムアップ。目標とする日本一に向けて、幸先のいいスタートを切った。

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(コメント)
中京大中京高
岡山哲也監督
前半は1点獲られることも覚悟していたけど、ゼロで抑えられたことが後々のスコアにつながりました。また、無失点で試合を終われたことは評価できると思います。⑦辻のキックは相手に警戒されていたと思うけど、本人が球種やコースを変えたり、工夫をしてきました。マークされても、セットプレーからゴールを奪えたということは、やっぱりうちのストロングポイントだったということ。(ケガでスタメンを外れた)⑰石川はなくてはならない存在。次もスタートでは無理かもしれないけど、大事な場面で使いたいです。

⑦辻星哉
試合の立ち上がりは耐える時間が続いたけど、自分たちのストロングポイントであるセットプレーで得点を奪えたことが大きかったです。蹴る僕も、中で合わせる選手も自信を持っているから、ゴールになったのかなと思います。4点取れたことはチームとして大きく、勢いになります。2回戦以降も勢いに乗って同じように得点を奪えたらいいのですが、まずは守備から。いい守備ができれば、いい攻撃ができると思っているので守備からしっかりやっていきたいです。

初芝橋本高
阪中義博監督
前半の試合内容は本当によかったです。チャンスを決めていれば、後半は相手の足が止まるし、点を取らないといけないという焦りもでてくる。1点さえ奪えていれば、勝つこができた試合だったと思います。ただ、プリンスリーグ関西でも同じだったのですが、ピンチを気合でしのぐことができない。攻撃陣のパフォーマンスがよくても得点が奪えない間に、後ろが我慢できずに失点しまう。今年1年、いい続けた課題がそのまま表れた試合だったと思います。

①栗山聖
中京大中京の⑦辻はいいキッカーで、得点源になっていることはスカウティングで分かっていたこと。1失点目のCKからの失点は危険だと認識していたのに、そこからやられてしまい、悔やまれます。失点してからは焦ってしまい、攻撃陣と守備陣の意志疎通が図れず、バラバラになってしまいました。2失点目からは相手に崩されたというよりも、うちが攻め上がったところ奪われ、間延びしたところを狙われた形ばかり。失点してからチームがやるべきことを統一できなかったことが4失点した原因だと思います。

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